火事場のクソ力とは、ゆでたまごの漫画『キン肉マン』に登場する不思議な力である。
略称は火事場、クソ力、KKD。
概要
初出は第20回超人オリンピック編での決勝戦で、当時対戦相手のロビンマスクとの実力差があったキン肉マンが、無意識に放った大技で逆転勝利した直後、解説席にいたラーメンマンの台詞から。ラーメンマン曰く「自己防衛本能や野生の本能」とのことで、キン肉マンはこれを皮切りに次々と強豪超人との戦いで逆転勝利する「奇蹟の逆転ファイター」の異名を持つことになる。
その強大な力は五大邪悪神や超人閻魔たちから危険視され、正義超人がたびたび襲撃される原因となる。
キン肉星王位争奪編ではミキサー大帝によって邪悪大神殿に封印されてしまい、決勝戦でロビンマスクやキン肉アタルたちの奮闘で取り戻されるまで封印されたまま戦うことになってしまった。
設定の変遷
- 自己防衛本能、戦う超人にとってもっとも大切な野生の本能(第20回超人オリンピック)
- 相手のパワーを逆用、使いすぎると自身にも多大な負荷、体の許容量を超えて吸収すると炎上する(七人の悪魔超人編)
- 友情パワー(悪魔六騎士編)
- 体が磁気を帯びた状態で使うと「火事場のマグネット・パワー」を利用できる(夢の超人タッグ編)
- 超人強度が上昇、火事場のクソ力を封印されても友情パワーがある(友情パワーとは別)、火事場のクソ力を封印された状態で「友情の磁気波」を放射可能(王位争奪編)
- 超人強度100万パワー以下の正義超人が、超人強度の高い相手と互角に戦えるのは、火事場のクソ力を発揮しているため、また人間にも備わっている能力(キン肉マン 77の謎)
- キン肉族だけに神から授けられた力、「寛容・無我・友情」の三大要素が揃わないと真のクソ力ではない、火事場のクソ力が発現すると全身が光る、「魂のランタン」で計ることができる(キン肉マンII世)
- 友情パワーと同じ力、下等超人が持つ感情のパワー、キン肉マンを媒介に伝染する、発露時に発光現象が起こる(完璧超人始祖編)
- 友情パワーを発現すると超人強度が上がる、友情パワーは感化されると伝染する、クソ力には「自分のための力」「仲間のための力」「相手のための力」の3つの段階がある(オメガ・ケンタウリの六鎗客編)
……と、様々に内容が変わっている。
キン肉族専用なのか他の超人にも伝染するのか、友情パワーとは違うのか同じなのかと言った完全に矛盾する情報もあるが、まあこのへんはゆでだからと言う事で見逃して頂きたい。
類似の能力
- 魔界のクソ力
アシュラマンが使用。 - 業火のクソ力
キン肉アタルが使用。火事場のクソ力の原型とされる。 - 大渦(メールシュトローム)パワー
ケビンマスクが使用。ロビンマスクの使った超能力「ロビン・パワー」が原型? - ロンズデーライトパワー
悪魔将軍が使用。超人硬度10ダイヤモンドパワーを超える硬度を実現した。
本来は感情のパワーを使用できないが、好悪入り交じった関係を長年に渡って続けていたザ・マンとの戦いでのみ発動できた。
発動の段階
第一段階
「オメガ・ケンタウリの六鎗客編」において、パイレートマンのいう「自分のために出す力」。キン肉マンII世の「K・K・D修練」(火事場のクソ力チャレンジ)でいう「無我」に相当すると考えられ、魂のランタンで「己の欲望を忘れて立ち向かう無我の炎」として見ることが出来る。
「第20回超人オリンピック」で発動した「自己防衛本能」はこの段階であると思われる。「七人の悪魔超人編」でいう「相手のパワーを逆用」もこの段階である可能性がある。「使いすぎると自身にも多大な負荷がかかる」という点で、人間に実在する能力「火事場の馬鹿力」(戦うか逃げるか反応)との関連も考えられる。
第二段階
パイレートマンのいう「仲間のために出す力」。「K・K・D修練」でいう「友情」に相当すると考えられ、魂のランタンで「絆を紡ぐ友情の炎」として見ることが出来る。
キン肉マンはパイレートマンに対して、死んだカナディアンマンを思ってこの力を出したが、「完璧超人始祖編」において、ネメシスは「火事場のクソ力」と「友情パワー」は同じものだと発言している。
「悪魔六騎士編」以降に登場するのは基本的にこの段階であると思われる。アイドル超人同士の友情が育くまれることで力を増し、また敵にも友情は伝わり、一部は正義超人に転向することもあるなど、影響を広げていった。
パイレートマンも仲間のために力を尽くすのは当たり前のことと発言しており、後にオメガマン・アリステラも死んだ仲間から力を受けて発動することができた。
第三段階
パイレートマンのいう「敵のために出す力」。「K・K・D修練」でいう「寛容」に相当すると考えられ、魂のランタンで「負けた敵を許すことのできる寛容の炎」として見ることが出来る。
キン肉マンは「オメガの民を救いたい」という一心でこの力を発動し、パイレートマンに勝利した。「敵のために力を尽くす」というのはオメガの民にはない発想であり、その力はパイレートマンらの常識を凌駕する、全く次元の異なる力であった。
「完璧超人始祖編」において、キン肉タツノリは「キン肉族の力の源泉は、倒すべき相手も救うという「慈悲の心」である」と説明しており、シルバーマンも相手を殺傷するのではなく生かすための力「慈悲の心」の重要性を説いている。
王位争奪編においてキン肉マンがスーパー・フェニックスに対して放った「完成版マッスル・スパーク」こそがこの力であり、正義超人の理想の終着点ともいえる境地「究極のみねうち」であるという。
関連項目
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