Z旗(ゼットき)とは、海上において船舶間での意思疎通に利用される国際信号旗の一つである。
概要
商船が掲げていた場合は「タグボート(引き船)を求める」。漁船が掲げていた場合は「投網中なので注意されたし」である。信号旗なので元々の意味はこれしかない。
しかし、日露戦争において日本海海戦の際、東郷平八郎司令長官の座乗する旗艦三笠のマストに「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ」という意味を持たせて掲揚した(この文案を考えたのは秋山真之海軍中将(当時中佐)と言われている)。
この海戦で勝利した日本海軍ではZ旗は重要な意味を有するようになり、以後の海軍の決戦と目される海戦ではZ旗を掲揚することが慣例となった。太平洋戦争でも軍艦のマストに掲げられたり、戦闘機のマーキングとして使われた。海上自衛隊においては特段掲揚されることは無くなったが、日本海海戦記念式典の際にイージス艦ちょうかいが掲揚したことがある。
現在ではアルファベットの最後の文字である「Z」の意味から、「後のない最終決戦」「全員が一致団結し、チーム一丸となって戦う」といった意味でスポーツ応援や企業においても使用される。日産自動車の「フェアレディZ」は当時のスタッフ達がZ旗を掲げて開発に取り組んだことから名前がついたと言われている。
関連項目
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