β時代の神とは、藤崎瑞希のことである。
概要
当時日記タグ配信者と呼ばれていた藤崎瑞希は、ニコニコ動画(β)時代に、動画配信サイト黎明期の当時ではまだ考えられなかったネット上での顔出しを行い、その上自らを「2ちゃんねるの神」と称して、2ちゃんねるやニコニコ動画の利用者を「腐れオタク」と罵倒するといった過激なパフォーマンスを行っていた。
当時のインターネット界隈は、2chをはじめとして、雑誌やブログ等をはじめとした個人が特定できるようなニュースや投稿をネットユーザー(2ちゃんねらー)が祭りの格好のネタとして晒していた(TERUMI等)。顔出し配信が一般的になりプライバシーに対する法整備やある程度の暗黙のモラルが守られている2020年現在とは違い、当時は容赦なく個人情報を掲示板に開示したり、パパラッチまがいの行為を行ったり、親族に凸したりといった迷惑行為により実害を被り、問題になるケースも後を絶たなかった(ミルクカフェ等の学校裏サイトと化したサイトによるプライバシーの侵害が、最も過激化していた時期も2000年代である)。ましてや、アンチを生み出しかねない人物・内容であれば尚の事であった。
そのような空気が漂う当時に、しかもLIVE配信ではなく二つの動画投稿サイト(ニコニコ動画、youtube)にて生配信ではなく投稿が残るという形でこのような内容を発信することは、極めて勇気のいることであり、実際この手法は注目を集め「藤崎瑞希の本音トーク(R18指定)」の投稿以降異常に再生回数、コメント数を伸ばした。
その勢いはニコニコ動画内では当時ランキングの常連だった「レッツゴー!陰陽師」に並び、youtubeではわずか1日で9万回の再生数を叩き出すなど、注目を集めた。
(ちなみに海外ではキーボードクラッシャーとして知られるドイツ人少年Leopold Normand君が、2006年にyoutubeに動画を投稿し先駆けて注目を集めていた。)
結局藤崎の一連の顔出しによる投稿は2007年2月から約半年で終了するという短い期間ではあったが、その間彼はLIVE配信者を含めた他の配信者への間接的なコンタクトや、2chの専スレにも出没するなど数々の活動を行い、その影響で彼に追従して顔出し配信を行う人物の動画や、顔出しによるLIVE配信者の様子を録画し転載する内容の動画が増加した。
彼に対する反応は純粋に楽しむユーザーもいたが概ね批判的なものであった。しかしこれらの影響で結果的に引退後も彼の知名度は依然高く、いつしか神格視されるようになったことから、後年一部のネットユーザーから「β時代の神」と呼ばれるようになった。
(6:55 「β時代の神やもん。異論ないわ」と評す佐々木健介(PeerCast))
その後、彼の投稿から4年後の2011年以降youtubeでは一般ユーザーの収益化が開始されyoutuberという配信者が爆発的に普及。そこでは他者と差をつけ再生数やチャンネル登録数を伸ばす為、過激な行動にチャレンジしたり他社への批判や謝罪動画で人気を煽る「炎上系」が人気を集めている。また、あまりにもyoutuberが普及したことや、ネットリテラシーに対する議論や法整備が少なからず厳格化されたことによって、プライバシーの侵害等にはリスクがつくようになり、藤崎が活動していた時期よりも格段に動画投稿や顔出し配信に対する安全性が守られるようになっていた。
かつての藤崎瑞希は、前述のようなネットの時代背景だったこともあり、ビッグマウスではあったが「炎上」を必ずしも意図して狙うものではなく、過激な内容ではあったもののありのままの主張をするというもので、当時のアンチによる「痛い奴」といった批判や、プライバシーの侵害を恐れて去っていった。
しかしこの時の彼の投稿は、結果的に個人で撮影した動画としては破格の注目を集めるに至り、現在活動する著名なyoutuberの配信者の中にも藤崎瑞希を知っている、あるいはリスペクトしていたと話す者も見られており、後年「時期が悪かった、早すぎた才能」とする評価や、「彼自身が黎明期のモデルケースとなり、後に炎上系と呼ばれる配信者や囲い(パトロン)に対し、その手法に影響を与えたのではないか?」と推察する意見もある。
後に2016年、藤崎と思われていた元配信者のムクがブログ内で、自身が藤崎であるという疑惑を認めた際、彼自身も当時にかけて今に至る現状について、嫉妬や自虐を混じえながらも客観的にこのことを認めており、当時の行動について現在は肯定的に捉えているようである。
10年以上が経過したことや、ニコニコ動画自体の勢い、また彼以上に過激で警察沙汰にまで発展するようなyoutuberや炎上系配信者が増えた2020年現在においては、世間から藤崎瑞希の知名度は徐々に薄れているのが現状である。しかし、良くも悪くも今でも潜在的に藤崎瑞希に影響を受けている者や、今でも信者と称する者がいる事も事実であり、ネ申と呼ばれる所以なのかもしれない。
関連動画
関連項目
- 1
- 0pt