あさが来たとは、2015年9月28日から2016年4月2日にまで放送された第93作目の連続テレビ小説である。前作は『まれ』。次作は『とと姉ちゃん』。NHK大阪放送局制作。
概要
明治時代に活躍した女性実業家・広岡浅子の生涯を描いた小説「土佐堀川」を原作とする(他の朝ドラ同様、登場人物の名前や設定などは変更されており、完全なノンフィクションではない)。
2500人を超えるオーディションを経てヒロイン・あさ役に抜擢された波瑠は、これまで「てっぱん」「あまちゃん」「純と愛」のオーディションも受けたことがあり、4度目にしてヒロイン役の座を射止めた。「純と愛」に落選したのは、むしろ本人にとって幸いだったと言ってはいけない。また、もう一人の主人公であるヒロインの姉・はつは、2006年に朝ドラ『純情きらり』で主役を張り、高視聴率を記録した2008年の大河ドラマ「篤姫」で天璋院を演じた宮崎あおいが演じている。
90作を超える連続テレビ小説の中では最も古い時代を扱っており、それまで一番時代設定が古かった明治中期の「ハイカラさん」(1982年放送)を大きく更新し、明治維新前の幕末から物語は始まる。同年放送の大河「花燃ゆ」では、「あさが来た」の放送開始時点では既に明治時代になっているため、朝ドラの方が大河ドラマより古い時代という逆転現象が起きている。これは1986年の大河「いのち」(戦後~現在)・朝ドラ「はね駒」(明治後期)以来のことになる。
また、上述の通り主人公の名前が広岡浅子から白岡あさに変更されているのをはじめ、実在の人物をモデルにした主要人物は、史実と異なる名前・設定に変更にされている一方、著名な歴史上の人物はそのまま登場する。
第3週では、かつて大河「新選組!」で土方歳三を演じた山本耕史が同役で出演、当時と同じ衣装とかつらを使い、土方の登場シーンのみ脚本を「新選組!」の三谷幸喜が書き下ろしており、一種のクロスオーバーになっている。複数の大河ドラマで同じ俳優が同じ役を演じるケースはこれまでにも多数あるが、大河と朝ドラで俳優が同じ役を演じるのは、今回が史上初となる。
また、最終週に登場した平塚らいてうは、次作「とと姉ちゃん」にも登場している(演者は異なる)。
本作では、主人公のあさを支える協力者として、明治時代に活躍した実在の実業家・五代友厚が重要人物として登場し、五代を演じたディーン・フジオカの出世作となった。ディーンは元々台湾で活動していたため、日本での知名度は当時低かったが、本作で人気が急上昇した。本作の五代は劇中での爽やかさから、「五代様」と呼ばれる人気を博し、中盤で病没すると、ネットでは悲しみの声が続出して「五代ロス」と呼ばれるようになった。また、その人気ぶりから助命嘆願の声が上がり、出番が大幅に増えて当初より一ヶ月も延命された(同様の例は、大河ドラマ「太閤記」で高橋幸治演じる信長が人気となり、本能寺の変が終盤になったという前例もある)。
それから5年後、同じく大森美香が脚本を手がける大河ドラマ「青天を衝け」では、ディーンが再び五代役で出演し、ファンを大いに喜ばせた。ただし、脚本家・演出・役者の意思統一のもと、キャラクターには少なからぬ変更が加えられた。
スタッフ
- 原案:古川智映子「小説 土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯」
- 脚本:大森美香
- 音楽:林ゆうき
- 語り:杉浦圭子アナウンサー
- 副音声解説:松田佑貴
- 制作統括:佐野元彦
- 演出:西谷真一、新田真三、佐々木善春、尾崎裕和
主題歌
キャスト
- 白岡正吉:近藤正臣
- 白岡よの:風吹ジュン
- 白岡榮三郎:桐山照史
- 白岡千代:小芝風花
- 白岡(東柳)啓介:工藤阿須加
- 亀助:三宅弘城
- 雁助:山内佳哉
- うめ:友近
- ふゆ:清原果耶
- 成澤泉:瀬戸康史
- 山崎平十郎:辻本茂雄
- 田村宜:吉岡里帆
- 美和:野々すみ花
- 山屋与平:南条好輝
- 玉利友信:笑福亭鶴瓶
- 櫛田そえ:木村佳乃
- 宮部源吉:梶原善
- カズ:富田靖子
- 治郎作:山崎銀之丞
- サトシ(松造):長塚圭史
- 萬谷与左衛門:ラサール石井
- 富永巌:松平定知
- 古田信男:宮根誠司
- 大塚健作:渡辺いっけい
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関連項目
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