あなたがいなければ祖国もないとは、北朝鮮の楽曲である。
概要
金正日のことを「あなたがいなければ祖国もない」と讃える内容。日本語訳はググればたくさんでてくるのでそちらを参照するのがよいだろう。
作曲された1993年は、まさに金正日が権力闘争の最終の仕上げにかかった段階のことであった。実際金正日の父である金日成自身は、金正日はあくまで多数居る自身の後継者の一人と考えていたようで、金正日自身は自らの地位と権力を固めると共に、金日成の後継者であることをアピールしなければならなかった。
金正日本人は映画やプロパガンダに関わっており、「プルガサリ」でも有名なように、日本の特撮ファンでもあった。金正日は音楽というメディアを使い、最終的な権力の座を固め、自身を金日成の後継者と位置づける狙いがあったと言われる。
実際キャッチーな曲とわかりやすい歌詞で、北朝鮮のみならず日本のメディアでも紹介され、特に金正日自身がそれほどメディアに露出しない中でとりわけ金正日を讃えたこの曲は金正日の代名詞としても通用するようになった、軍歌愛好者・チョソンクラスタと呼ばれる北朝鮮ウォッチャーにとってもなじみ深い曲である。
この曲が作られた1993年は、金日成が国家主席として君臨する中、金正日が軍の最高指揮権などを獲得しつつあるという、まさに権力闘争の最終段階に入った頃であった。翌年、金日成は死去。金正日は金日成を「永遠の主席」と位置づけ、自らは党総書記として最高権力者に君臨。見事に金日成の後継者たる地位を固めたのであった。
金正日についてはこのようにある種プロパガンダによる「地ならし」が行われた後に権力の座についたため、この曲に代表されるような「権力闘争の途中段階での歌」が残っているが、金正恩に関しては、金正日の死が突然だったこともあり、現在まさに作曲中であるようだ。
関連動画
関連項目
- 1
- 0pt