『あぶない刑事』とは、横浜を舞台に二人の刑事(タカ、ユージ)の活躍を描いた刑事ドラマである。
主演は舘ひろしと柴田恭兵。
日本テレビ系列でテレビドラマが2シリーズ放送され、劇場版映画が8作品公開されている。
タイトルの読み方
特定の年代を生きた人間には至極当然のごとく読む事ができるが、タイトルは「あぶない『デカ』」と読む。
間違っても「アブないけいじ」などと表記せぬように気をつけたい。
略称は「あぶ刑事(デカ)」。
人気の秘訣など
TVシリーズの最高視聴率26.4%!映画の総興行収入98億円!
本放映開始からそろそろ40年を経過しようとしているが、幾度となく映画化されるなどその人気は一向に衰えず、1980年代を代表する刑事ドラマとして名高い。
あぶない刑事の内容自体は「太陽にほえろ!」以来続く刑事ドラマの王道を踏襲し、プロット(ドラマの構成)も言わば過去の刑事ドラマの焼き直しとも言える作品もあった。しかし、それでも高い人気を誇ったのは「太陽にほえろ!」に代表される刑事ドラマは数多くの個性的な刑事が活躍する言わば群像劇的な雰囲気であったのに対して、「あぶない刑事」は程度の差はあれど、ほぼタカとユージの二人がメインを張るスタイル(「バディもの」)となっていた点が大きい。この作品の数年前にはアメリカで「マイアミバイス」が放映され、この作品が「あぶない刑事」に与えた影響は少なくない。
また、特にタカの原型ともなるキャラクターは既に「西部警察」に登場しており、舘ひろし演ずる鳩村英次はやや血気盛んな部分はあるが、全体的な装いや性格は鷹山とほぼ同一である。この他、大門軍団内のNo.2的な刑事と組んだ際の軽妙なやり取り、たまに舞台が横浜である事など、あぶない刑事の下地はこの頃から既に見られた。
それまでの刑事ドラマでは主流となっていた熱血や哀愁のような部分に反し、主人公の2人のチャラさ、軽さがクローズアップされ、ギャグ面での振り切り感も人気の秘訣となっていた。いずれにせよ、この2人の存在が従来の刑事ドラマにはない新鮮でおしゃれな雰囲気作りに及ぼした影響は大きい。他局でも二匹目のドジョウを狙おうとして、似たような番組が登場したほどである
また、これまで刑事ドラマと言えば「東京=警視庁」が多かったが、敢えて「横浜=神奈川県警」とした所も大きい。東京ほど乾いた空気がなく、本牧周辺の米軍住宅跡などの描写に代表される異国情緒漂う雰囲気、そして東京にはないファッショナブルさが好評を博した。
彼らの服装と言った小物も注目された。それまでの刑事ドラマにありがちな服装はスーツであったが、DCブランドに身を包んだ2人は非常にオシャレで新鮮であり、当時、ドラマで舘ひろしと柴田恭兵が着ていた服は、ブランドに問い合わせが殺到するなど反響は大きかった。他にも刑事ドラマの常連である日産は彼らの自動車に日産・レパードを提供した。画面を所狭しと爆走する姿は視聴者に強い印象を与え、現在もなお根強い人気がある。
主な登場人物
設定資料ではもう少し掘り下げられた性格や家族構成、意外なバックグラウンドを持っている人物像が描かれている。
- 鷹山敏樹(たかやま としき)
- 演:舘ひろし
- 神奈川県警港署捜査課所属の刑事で、あだ名は「タカ」である。自称「ダンディー鷹山」。性格はいたってクールでフェミニストである。キザな捨て台詞が特徴。刑事としては珍しく二丁拳銃を所持しており、県警の弾丸使用数No.1を誇り、腕も確かである。ショットガンやライフルを使った狙撃も得意としている。なお、自動車は一切運転せず、運転に際しては大下、もしくは他の刑事に任せている。但し、バイクの運転は可能であり、手放し運転で銃を打つなど、バイクアクションがシリーズ中での見せ場となっている。詳しい事情は不明であるが、暴力団の銀星会を目の敵にしており、銀星会が絡むと普段のクールさが消えうせて別人のようになってしまう。大人の女性はタカにほれ込む事が多い(老婆含む)。2000年代に入っても携帯電話をせず公衆電話を使用するなどアナログ派。
- 大下勇次(おおした ゆうじ)
- 演:柴田恭兵
- 神奈川県警港署捜査課所属の刑事で、あだ名は「ユージ」である。自称「セクシー大下」。性格はやや直情的で一気呵成気味な所がある。ギャグやジョークを言い放つことが多く、ピンチに陥ったときでさえも軽口を放つ。かつてはワルであり、その時の経験が捜査に生かされる場面(鍵を開けるなど)が存在する。自動車の運転は確かであり、港303ことレパードからトレーラーヘッドの運転まで難なくこなす。身体能力の高さが際立っており、犯人の追跡などで見られるフットワークの軽さに定評があり、走ってクルマやボートを追いかけることができるほどの俊足。しかし、まだまだ以降ではさすがに年齢による衰えが描写されていた。情に流されやすい所があり、割合にドライな鷹山にその点をつつかれる。変装も得意であり、「ハハハのハッさん」は有名である。鷹山とは逆に年下の女性にもてる傾向がある。
- 真山薫(まやま かおる)
- 演:浅野温子
- 神奈川県警港署少年課に所属し、あだ名は「カオル」である。しばしば捜査課の事件に顔を突っ込むが、本分の少年課の仕事はしっかりとこなす。ただし射撃は苦手。お調子者の一面がある一方で、悪友みたいなタカ&ユージを心配する一面を持っている。当初は、若いながら優秀な少年犯罪のスペシャリストとして描かれていたが、回を増すごとに行動がエスカレートし、映画版ではお調子者の一面がとくに強調されるようになり、逆・ジャイアン映画版の原理状態となる。また、映画版では強烈なコスプレのイメージが強い。テレビドラマシリーズでは彼女のワンカットで終わるのが定番となっていた。
- 町田透(まちだ とおる)
- 演:仲村トオル
- 神奈川県警港署捜査課所属の刑事で、あだ名は「トオル」「とろい動物」である。自称「プリティトオル」。タカ&ユージの後輩であり、パシリにされる事多数である。仕事よりもナンパ・プライベートを優先し、近藤を呆れさせていた。タカ&ユージは困った時に「女紹介する」と言って色々と融通をさせた事がある。単純な性格のため、タカとユージに利用され続けている。 また、こっそりタカ&ユージの悪口を言った際はうまい事おだてるなどお調子者の一面もある。当初は捜査課で最年少の新米刑事だったが、後に捜査課課長になり、立場上も上であるはずだが、やはり2人には頭が上がらない。
- 近藤卓造(こんどう たくぞう)
- 演:中条静夫
- 神奈川県警港署捜査課課長である。タカ&ユージから「タヌキ」と陰で言われる。「瞳ちゃん、お茶」が口癖である。典型的な中間管理職であり、真面目な人物である。問題児のタカ&ユージにほとほと手を焼いており、何かしでかすと「大バカ者!」と怒鳴るのがお約束である。一方で彼らに対して「バカな子供ほど可愛い」と言うように本当は彼らの事を常に心配し、また強い信頼を置いており、辞表覚悟でタカとユージのサポートに回ることすらあった。松山への「出張」の際に裸踊りを見せる(「死闘」における大下の台詞より)と言った意外な一面を持つ。かつては、暴力団関係者から「鬼の近藤」と恐れられていた。
- 松村優子(まつむら ゆうこ)
- 演:木の実ナナ
- 神奈川県警港署少年課課長であり、後に港署署長に出世した。タカ&ユージにとっては姉貴みたいな存在であり、女傑と言うべき貫禄とざっくばらんな性格の持ち主である。人当たりが良いので方々から慕われている。また、暴走族や不良からも一目置かれており彼女の頼みごとに快諾したほどである。子供たちの事を真剣に考えているがその考えを理解されなかった際は弱気ともとれる発言をしていた。また年齢などを若干気にしている節があり、不良に「オバン」と言われた際には普段はあまり見せない激昂した姿を見せた。映画では、終盤にスポーツカーやバイクで派手に登場し、タカとユウジを助けるのがお決きまりのパターンとなっている。
- 吉井浩一(よしい こういち)
- 演:山西道弘
- 神奈川県警港署捜査課所属の刑事で、あだ名は「パパ」。そのあだ名の通り、子持ちである。妻には頭があがらない様子だが、愛されてはいる。癖者ぞろいの捜査課にあって、非常に常識的な刑事である。タカ&ユージを諌めようとして、逆に悪ノリに乗っかる部分もある。通常は田中と組む事が多い。「さらば」の時点では定年退職し、おでん屋を経営している。
- 田中文男(たなか ふみお)
- 演:ベンガル
- 神奈川県警港署捜査課所属の刑事で最古参。あだ名は「ナカさん」、もしくは「落としのナカさん」。常に扇子をもっている扇子マニア。ねちっこい取り調べに定評があり「はけぇ~」と呟く。郷里にそっくりな顔の姉がおり、お見合いは数十回と行っているが成功していない。アイドルや女学生、裏ビデオに詳しい。たまに何かが憑依してハードボイルドモードになる。強いものには、相手が犯人であってもすぐに媚びる。「さらば」では定年退職し、ラーメン屋を経営している。
- 吉田春彦(よしだ はるひこ)
- 演:秋山武史
- 神奈川県警港署捜査課に所属。通称「ハルさん」。口髭がトレードマークの強面のため、追跡捜査のときに目立ちすぎるという欠点がある。谷村とコンビを組むことが多く、捜査課の中では吉井と並んで比較的常識的な人物として描かれている。実家は、医者と葬儀屋を営んでいる資産家。
- 谷村進(たにむら すすむ)
- 演:衣笠健二
- 神奈川県警港署捜査課に所属。初期の頃は吉田とコンビを組むさほど特徴のないスーツ姿の若手刑事だったが、徐々に上半身裸で自らの筋肉美を見せつけ、ブルー・スリーばりの奇声を放つキャラになる。「もっと」からはジャンパー姿で登場するようになり、上半身裸になってカンフー技で犯人と戦うことが増える。「さらば」では、横浜海上警察署に異動となり、体を持て余している。
- 山地瞳(やまぢ ひとみ)
- 演:長谷部香苗
- 神奈川県警港署捜査課の庶務。あだ名は「瞳ちゃん」。近藤から「お茶」と言われるのが年中行事である。そのうち、怒鳴りすぎて声が出ない近藤の通訳みたいな事が出来るなど、特殊能力?を身に付けた。絵心があり、犯人の似顔絵作成も担っている。大下に気があるようであるが、はっきりと本人に言う場面はなかった。演者は脚本家であぶない刑事で何本も脚本を担当した長谷部安春の娘であり、それをネタにしたものが番組内に多数登場する(ex.お父さん、厳しい人だし)
- 鈴江秀夫(すすえ ひでお)
- 演:御木裕
- 神奈川県警港署少年課に所属。カオルとコンビを組んで少年事件の捜査に当たることが多い。捜査課への転身という野心を持っており、これを餌にタカとユージに利用されて無茶をさせられることもある。タカとユージ、カオルの暴走に付き合わされる巻き込まれ体質。一言多い性格で空気が読めず、反発されることも多い。署内では、瞳ら女性職員にちょっかいを出そうとする場面が見られる。
- 愛川史郎(あいかわ しろう)
- 演:飯島大介
- 神奈川県警港署少年課に所属。少年事件担当者にも関わらず粗野な言動が多い。松村の不在時には、課長のデスク上で執務を行う場面もある。捜査に出るときは鈴江とコンビを組んでいることが多い。出番は少ないが、実はシリーズを通してずっと登場している。定年退職後は、警察関係庁舎のガードマンを務めている。
- 武田竜(たけだ りゅう)
- 演:堀内孝人
- 神奈川県警港署警ら課に所属。港署の窓口業務を務め、クレーマーのおばちゃんと戦っていることが多い。また、地域巡回、施設保全なども務めている。トオルとは警察学校時代からの同期であり、ライバルにして友人。トオルの女性関係に詳しく、なぜかトオルの交際している女性と顔見知りだったこともある。ドラマ1作目ではそれなりに出番はあったが、「またまた」以降のシリーズでは姿が見えなくなっている。
- 河野良美(こうの よしみ)
- 演:監物房子
- 神奈川県警港署交通課に所属。港署に配属されてからはずっと内勤で、無線室内でのオペレーターとして活躍。港署に不審な電話がかかってきたときは、逆探知の役割を担っている。鈴江に無線室内でナンパされたときは、マイクの音量を上げて声を管内に筒抜けにするという反撃に出た。
- 柴野悟(しばの さとる)
- 演:清水紘治
- 神奈川県警本部の捜査一課に所属している。陰で「ぬらりひょん」や「妖怪」と言われている。港署管内で重大事件が発生するとしばしば県警本部より派遣される。レギュラーではないがしばしば登場している。いつもヨレヨレのスーツでどこか野暮ったく、タカ&ユージとはファッション面などで対照となっている。この手の人物にステレオタイプで描かれるような所轄置いてきぼり・尊大な所はあまりなく、またタカ&ユージを結構評価している。
- 深町信三(ふかまち しんぞう)
- 演:小林稔侍
- 「リターンズ」から登場。近藤の後任として神奈川県警港署捜査課の課長に赴任。県警本部に在籍していただけあり、融通が利かない堅物。怒ると感情が制御できなくなり、無鉄砲な行動を取る。当初はタカとユージを目の敵にしていたが、後に信頼するようになり、近藤と同じく表面では怒りながら2人を後ろでサポートする役回りにになる。港捜査課課長の座をトオルに譲ってからは県警本部へ戻り、本部長にまで出世している。
番組のキーワード
- 港署
場所自体は本牧にある設定であり、その周辺が管轄となっている。初代の建物は今でも現存しており、海員養成の専門学校となっている。 番組内では主に捜査課と少年課がメインで出ていた。力関係としては捜査課に分があるが、共に捜査員の融通をするなど、関係は良好。たまに県警本部から柴野が派遣される。 - 銀星会
横浜に拠点を置く暴力団で、しばしば番組内に登場する。組長は長尾礼次郎(演:深江章喜)で数多くの舎弟が存在する。その影響力は広範囲に及び、県警にもその手が伸びている。長尾には息子(演:星正人)がいたが粗暴で絵に描いたようなドラ息子で組長もほとほと手を焼いたためにヒットマンの手で葬られた。詳しい理由は劇中で語られなかったが、鷹山は銀星会を撲滅する事に執念を燃やしており、その行動たるやまさに暴走と言う言葉がふさわしく、その度に県警からクレームを近藤が受けている。しかし、近藤自体は鷹山の行動についてある程度理解を示している節もあるので、鷹山にとっては刑事生命を賭けてでも壊滅する程の根深い理由があると想像される。しかし、途中から出てこなくなった。 - 日産・レパード(F31)
番組を盛り上げた「3人目」の主役と言うべき車両であり、 特にゴールド/シルバーのカラーが知られているが、地方ロケやテレビ放映後半では紺/シルバーも見られた。これまでの刑事ドラマにありがちであった黒塗りのセダンと比べても明らかにオシャレであり、その外観に合わず派手にアクションを繰り広げたりと画面を所狭しと駆け巡った。ナンバーは「横浜33も54-17」であるが、紺色のものは「横浜33の45-05」である。F31レパードのモデルライフがちょうどあぶない刑事の放映と重なってた事もあり、絶壁インパネの前期車と曲線基調が取り入れられた後期車の両方が番組内に登場した。それまでライバルのソアラのぶっちぎりであったこのクラスに果敢に攻め込んだレパードはソアラの牙城を崩す事は出来なかったが、あぶない刑事の影響で知名度や人気ではソアラを上回り、F31レパード専門店が出来る程である。 - 中条静夫
「あぶない刑事」 シリーズで「もっとも~」まで港署捜査課の課長である近藤卓造役を演じた俳優であり、1994年に病没しているが、20年経過した現在でもファンの間からは「彼以外に捜査課課長はあり得ない」と言う声がある。全体的に軽いノリで、エンドレスで暴走しかねない2人のストッパー役として番組にメリハリを与え、時に茶目っ気のある姿を見せるなど、視聴者に強い印象を残した。彼の没後に制作された映画ではラストに中条への哀悼のメッセージが流れる点においてもその存在感の強さがうかがえる。元々、大部屋出身の中条はザ・ガードマンの出演を期に数多くのドラマで名脇役を演じ、既にその名は知られていた。元来は真面目な人物であるが、このあぶない刑事では舘や柴田に影響を受けてアドリブなどを飛ばしたりとある意味新境地を開拓したとも言える。これ以降、あぶない刑事の共演者と他の番組や映画に出演するなど、親交が深かった。wikipediaによると、彼の没日は10月5日であり、これはあぶない刑事の記念すべき第一回目の放送日であり、死亡時刻の午後11時59分も第一回目のラストを始めとして番組内では何度となく事件のキーワードとなる時間であり、最期まで「あぶない刑事」と縁のあるものであった。
類似した作品
あぶない刑事が与えた影響は非常に大きく、似たような構成の刑事ドラマが誕生した。
- ベイシティ刑事(テレビ朝日系列)
1987年に放映され、舞台が横浜である事や二人の刑事の軽妙なやり取りなど、明らかに「あぶない刑事」を意識した刑事ドラマとなっている。いかりや長介の民放ドラマのデビュー作でもある。 - あきれた刑事(日本テレビ系列)
あぶない刑事の後番組として放映されたが、内容はコンビで行動する点は一緒ながらも全体的な雰囲気はまるで異なる。しかし、あぶない刑事の制作スタッフがほぼそのまま続投するなど、一種の外伝のような感じにも見受けられる。 - あ・キレた刑事(OVA)
2001年にOVAである。「あきれた刑事」とは何の関係もない。刑事のコンビやハチャメチャぶりは「あぶない刑事」の影響があり、また「あぶない刑事」の制作スタッフも携わっていた。主人公の一人は「あぶない刑事」の映画で豹藤役や仮面ライダーZXを演じた菅田俊が演じ、また田中刑事役のベンガルも出演している。
作品一覧
あぶない刑事 (1986年10月5日~1987年9月27日)TVシリーズ、全51話
シリーズの原点ともいうべきテレビドラマ第一作目で、ファンからは「無印」とも呼ばれている。日本テレビにおいて、毎週日曜日夜9時から放送された。当初は2クールで終了の予定だったが、人気が高かったことから2クール延長となり、1年間放送されることとなった。
作品の序盤はハード・シリアス色の強い作風で、刑事ものらしい解決をする回も見られたが、後半になるにつれてコミカル色が強くなり、視聴率も後半になるにつれて20%超えを記録するなど上昇している。年末年始の期間に放送された第12話と13話のみ視聴率が一桁台と伸び悩んでいるが、残り49話では全て10%以上の視聴率は記録している。
第11話と13話で松山ロケ、31話と33話で長崎ロケ、47話と49話で仙台ロケがおこなわれている。
おもなゲストとして山田隆夫(第2話)、河合美智子(第4話)、宮内洋(第11話)、苅谷俊介(第12話)、宍戸錠(第13話)、永瀬正敏(第15話)、一色彩子(第19話)、内藤剛志(第23話、第47話)、勝俣州和(第27話)、遠藤憲一(第29話)、中野英雄(第29話)、山田辰夫(第31話)、萩原聖人(第32話)、原日出子(第34話)、黒部進(第34話)、余貴美子(第35話)、竹内力(第38話)、斉藤暁(第38話)、別所哲也(第43話)、中村あずさ(第45話)、好井ひとみ(第46話)、室田日出男(第50話)が出演している。
主題歌
- エンディングテーマ「冷たい太陽」ー 歌:舘ひろし
- 挿入歌
「RUNNING SHOT」(第10話、第12話~第24話)- 歌:柴田恭兵
「WAR」(第25話~第40話) - 歌:柴田恭兵
「FUGITIVE」(第41話~第51話) - 歌:柴田恭兵
あぶない刑事 (1987年12月)映画
テレビドラマのヒットを受けて製作された劇場版シリーズの第1作目。後の劇場版シリーズと比較するとテレビドラマの流れに沿っており、捜査方針を巡ってタカとユージが対立してしまうなど、テレビドラマではあまり見られなかったシリアス寄りなストーリーになっている。興行収入は26億円を記録し、1988年の邦画配収第3位、1988年の正月映画では第1位というヒット作品となっている。
監督は長谷部安春、脚本は柏原寛司と大川俊道が手掛けている。ゲストとして室田日出男、小野みゆきが出演。
主題歌
またまたあぶない刑事 (1988年7月)映画
前作のヒットを受けての劇場版第2作。興行収入は18億円を記録し、1988年の邦画配収第8位にランクインし、前作と共にこの年のトップテン入りを果たしている。タカのバイクアクションに加え、ユージが走って車を追うシーン、トオルがバズーカを持ったままデートへ行くなど、ファンの間で語り草となっている場面が多い作品である。前作と比べるとシリアス色が薄まっており、後に続く劇場版シリーズの源流ともいえる。
監督は一倉治雄が手掛けており、これが映画監督デビュー作となった。脚本は前作と同じく柏原寛司と大川俊道が担当。ゲストとして、伊武雅刀、片桐竜次、宮崎美子、赤井秀和(浪速のロッキー)が出演している。
主題歌
もっとあぶない刑事 (1988年10月7日~1989年3月31日)TVシリーズ、全25話
テレビドラマシリーズの第2作。レギュラー陣の変更はないが、前シリーズよりもコミカル色が濃くなっており、タカとユージ以外の登場人物の衣装も刑事らしからぬゴージャスなものになっている。第6話ではテレビシリーズ最高視聴率の26.4%を記録。放送は25話だったが、平均視聴率は20%を超えており、シリーズの人気を確固たるものとした。
テレビ朝日で放送された「ゴリラ・警視庁捜査第8班」の撮影時期と重なったこともあり、後半の回になると舘ひろしの出演シーンが少なくなっている。そのため、ユージとトオルのコンビがメインになる頻度が増え、後に日本テレビで放送された「勝手にしやがれヘイ!ブラザー」へと引き継がれている。
第11話で函館ロケ、第18話と第21話で静岡ロケがおこなわれている。
おもなゲストとして吉川十和子(現・君島十和子)(第3話)、八名信夫(第8話)、黒部進(第10話)、遠藤憲一(第12話)、奈美悦子(第13話)、一色彩子(第17話)、河合美智子(第19話)、苅谷俊介(第20話)が出演。
主題歌
もっともあぶない刑事 (1989年4月)映画
劇場版作品の3作目であり、あぶない刑事の総決算として作られた作品。本作ではテレビシリーズの頃からの宿敵であった銀星会との決着が描かれ、神奈川県警までも敵に回した壮大なアクション映画となっている。また、作中で当時建造中だった横浜ベイブリッジが映っており、貴重な映像になっている。この作品を最後にあぶない刑事シリーズは一旦区切りが付けられており、テレビシリーズから続くレギュラー陣が揃った作品としてはこれが最後の作品となっている。
監督は村川徹が手掛け、脚本は柏原寛司が担当。ゲストとして、真梨邑ケイ、柄本明、苅谷俊介が出演。また、演じていた中条静夫が1994年に逝去したため、名物キャラだった近藤課長の登場はこの作品が最後になっている。
なお、本作品をモチーフにしたファミコン用ゲームソフトが発売されたが、ある意味伝説のゲームとなっている。
主題歌
あぶない刑事リターンズ (1996年9月)映画
前作「もっとも」から7年の空白を経て製作された劇場版第4作目。本作より港署の課長として小林稔侍が演じる深町課長が登場する。捜査課のメンバーも新たな顔ぶれが加わり、リニューアル化されることとなった。また、デジタル合成やコンピュターグラフィックが使用され、アクションシーンが大幅にスケールアップされている。
監督は村川透。脚本は柏原寛司と大川俊道。港署の新メンバーとして関口知宏、島崎和歌子、他にも伊原剛志、大竹一重、倉田てつをが出演している。また、野際陽子が友情出演している。
主題歌
あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98 (1998年8月28日)TVスペシャル
日本テレビ開局45周年記念番組として製作され、一連のエピソードの前篇を「金曜ロードショー」のスペシャルドラマとして放送。テレビドラマとしては「もっと」から9年ぶりの放送となり、視聴率は25.7%を記録している。シリーズでは初めて主題歌が起用され、国際テロ組織が相手とスケールアップが施されている。サブタイトルは「act1.点火」。
監督は一倉治雄。脚本は柏原寛司と大川俊道。キャストとして竹内結子、永澤俊夫、チャック・ウィルソン、藤森夕子が出演。また、これまで吉田刑事を演じていた秋山武史が撮影終了直後に他界したため、本作が遺作となっている。
主題歌
- 主題歌「Firecracker」 - 歌:SING LIKE TALKING
- エンディングテーマ「CRY OUT~泣いていいよ~」 - 歌:舘ひろし with COLTS
- 挿入歌「RUNNING SHOT(SHOTGUN MIX)」 - 歌:柴田恭兵
あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE (1998年9月)映画
劇場版作品の第5作目であり、ドラマスペシャルで放送された一連の事件の決着篇。サブタイトルは「act2.爆発」。シリーズ史上スペクタクル性がもっとも顕著な作品となっており、過去作との時代の流れを感じるのも特徴となっている。ラストシーンからこれがシリーズの終焉かと思わせるものがあり、ここから再びシリーズは7年間の休止期間に入る。
監督は成田裕介。脚本は柏原寛司と大川俊道。キャストには加藤雅也、マイク真木、本上まなみ、永澤俊夫、西岡徳馬が主演。また、友情出演として中山秀征が出演し、犯人グループの1人としてアニメーターの庵野秀明が出演している。
主題歌
- 主題歌「Firecracker」 - 歌:SING LIKE TALKING
- エンディングテーマ「CRY OUT~泣いていいよ~」 - 歌:舘ひろし with COLTS
- 挿入歌「RUNNING SHOT(SHOTGUN MIX)」 - 歌:柴田恭兵
まだまだあぶない刑事 (2005年10月)映画
前作から7年ぶりに製作された劇場版シリーズの6作目。タカとユージが海外に赴任し7年ぶりに横浜に戻り、港署へ帰ってくるという設定になっている。本作はレギュラー陣の人事異動が特徴的であり、トオルが捜査課課長、カオルが少年課課長にそれぞれ昇進。港署の顔ぶれにも新メンバーが多く入り、過去作からのメンバーと新メンバーの世代間ギャップもテーマの一つになっている。また、シリーズ初となる海外ロケがおこなわれている。
監督は鳥井邦男。脚本は柏原寛司と大川俊道。港署の新メンバーとして佐藤隆太、水川あさみ、窪塚俊介が出演。他にも、原沙知絵、大沢樹生が出演している。
主題歌
さらばあぶない刑事 (2016年1月)映画
もはや新作は作られないと思われていたが、前作から10年3カ月ぶりの新作となった劇場版7作目であり、シリーズの最終作として作られた作品。長年横浜の平和を守るために戦ってきたタカとユージが定年まであと5日という設定で物語が始まり、定年後の新たな人生もテーマになっている。刑事生活最後の敵としてスケールの大きな犯罪組織が登場する。
シリーズの最終章ということもあり、キャスト陣がテレビ出演、イベント出演などのプロモーション活動をこれまで以上に精力的にこなしていた。公開当時、同タイトル同キャストによる刑事もの映画の作品数としては「ダイ・ハード」シリーズを超えた世界最多記録となった。
監督は村川透が「リターンズ」以来およそ20年ぶりにメガホンを採った。脚本は柏原寛司が務め、旧ドラマシリーズに原点回帰した顔ぶれとなる。撮影はこれまで一貫してフィルム撮影がおこなわれていたが、本作は初めて全編デジタルHD撮影がおこなわれている。キャストには、菜々緒、吉川晃司、吉沢亮、片桐竜次、LiLiCoが出演。
主題歌
- エンディングテーマ「冷たい太陽 Fina Version」 - 歌:舘ひろし
- 挿入歌「RUNNING SHOT」 - 歌:柴田恭兵 feat. T.NAKAMURA,SENRI KAWAGUCHI&SHIGEO NAKA
帰ってきた あぶない刑事 (2024年5月)映画
前作でタカとユージが定年退職したことでついに完結と思われたが、あぶ刑事コンビが探偵として帰ってきた。これにより、タカ&ユージは昭和・平成・令和の3つの時代を駆け抜けることとなった。舘ひろしは御年74歳、柴田恭兵は御年72歳である。
各メディアの出演に加え、横浜スタジアムでのプロ野球の始球式に舘と柴田が参加するなど前作以上に盛大なプロモーション活動をおこなっている。ちなみに、柴田は72歳とは思えない投球を披露しスタジアムを沸かせている。
過去のテレビシリーズで6エピソードの演出・脚本を担当した原隆仁の実子である原廣利。脚本は大川俊道、岡芳郎。キャストには探偵事務所の最初の依頼人として土屋太鳳、新たな港署捜査課・刑事として西野七瀬、銀星会会長の息子として早乙女太一、神奈川県警の刑事部部長として杉本哲太、物語のキーパーソンとして岸谷五朗、吉瀬美智子が出演。
主題歌
- 挿入歌「no plan」 - 歌:ロザリーナ
関連生放送
関連動画
関連チャンネル
関連項目・外部リンク
- 舘ひろし
- 柴田恭兵
- 日本テレビ
- 東映
- 刑事ドラマ
- 横浜市
- 日産・レパード
- テレビ番組の一覧
- あぶない刑事(サウンドトラック)
- あぶない刑事 MUSIC FILE
- 伝説のアクションドラマ音楽全集「あぶない刑事MUSIC FILE -Digital Edition-」
- あぶない刑事 YUJI THE BEST
- もっとあぶない刑事 オリジナル・サウンドトラック
- もっとあぶない刑事 オリジナル・サウンド・トラック&ミュージックファイル
- 「もっともあぶない刑事」Original Soundtrack
- 東映ビデオ:あぶない刑事劇場公開25周年!
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