うるし原智志とは、日本のアニメーター、キャラクター・デザイナー、漫画家、イラストレーターである。時々絵コンテとかも切る。一回だけ脚本と監督もやった。
美少女・エロ方面ではオリジナル・ビデオ・アニメの黎明期から現在に至るまで、第一人者としてその名が知られている。キャラクターデザインでは髪型やコスチューム、小物などに強いエッジを効かせるのが特徴。乳房、性器を異様に描き込むことに定評があり、特に陰毛の表現具合から、ファンには愛をこめて「たわし原」「たわし先生」などと呼ばれる。
経歴
広島県出身。1966年2月9日生まれ。何度となくコンビで製作にあたる大親友・よしもときんじとは高校時代に出会う。今では信じられない話だが、当時のうるし原はメカばっかり描いており、人物それも女性キャラはワンパターンで名前は「サマンサ」だった。
高校時代に「少年ケニヤ」のアニメーター一般公募に合格し、動物の格闘シーンの一部を手掛ける。この仕事が評価されて、東映動画への入社が内定。よしもとら同郷のアニメーター志望者の中では、もっとも安定した就職先とうらやましがられたが、当時の東映は外国との合作に力を入れていたため、うるし原に与えられた仕事は(アメリカ風の)かわいくないアリを描くことだった。
フラストレーションをためている親友を見かねたよしもとが、自分の所属していたアートランドにうるし原を勧誘。当時アートランドが製作していた「メガゾーン23 PARTⅡ」を通じて板野一郎、結城信輝、SUEZEN(飯田史雄)、梅津泰臣、本谷利明、門上洋子、二村秀樹、北久保弘之、庵野秀明などから良い影響を受ける。
特に板野一郎には「アニメーターがダサいっていうのはやめようよ。いろんなこと体験しなきゃダメじゃん」と引っ張られて、大きなエネルギーをもらったという。また結城信輝は、以後何度もその監督下で原画を描いたことから、うるし原の師匠的な存在となる(うるし原の絵と比較すると、特に年配の男性キャラにおいて結城の影響の濃さが分かる)。
「メガゾーン23」の終了後は、フリーとして「劇場版トランスフォーマー」の作画に参加していたが、「くりぃむレモン」のプロデューサーに話をもちかけられて「ホワイトシャドウ」の作画監督を務めた。OVAそれもアダルトとはいえ、30分全部作画を監督するのはうるし原にとって初の体験であったが、持ち前のこだわりとチャレンジ精神を発揮して、当時のアダルトアニメとしては出色のクォリティをたたき出した。
その後、親友よしもとともにOVA「極黒の翼バルキサス」の製作にあたるが、二人とも作画以外まるっきり素人で、質にこだわるあまり、あっという間に製作費を使い果たしてしまう。食うや食わずの状態にも関わらず、製作期間をずるずると引き伸ばして、なんとかこれを完成。時間をかけたわりに「バルキサス」の評価は散々なものだったが、(おっぱいなどの)作画だけは評価され、うるし原の名を広く知らしめた。
それから結城信輝らの下でアニメーターとして仕事をするうち、バルキサスのコミカライズ(「レジェンド・オブ・レムネア」)といった仕事も舞い込み、以後はアニメーターと漫画家の二足のわらじを履くようになる。また、よしもととともにアニメ制作スタジオ「アースワーク」を設立し、彼と組んだオリジナル二作目(原作ものを含めるとコンビ三作目になる)「プラスチック・リトル」の製作にあたった。
「プラスチック・リトル」は本来3~4部作で、うるし原はそのうち一本の作画を担当する予定だったが、不幸にも企画が縮小され、結果うるし原の作画作品のみとなった経緯がある。そのため世界観が分かりにくいなど、いくつか問題を抱えているが、よしもと×うるし原の作品群の中ではファンからの評価は高い。
以後うるし原は漫画家、イラストレーターとしての仕事が多くなったため、アニメへの参加はゲームのキャラクターデザインやムービーシーン、ゲスト作画などが多くなる。しかし2000年に入ってから、ついにキャラクターデザイン、作画、演出、脚本、監督までうるし原が手掛けた18禁アニメ「フロントイノセント VOL.1」が製作された。これにはよしもとも参加しているが、これまでと違ってプロデューサーとして裏方に徹している。
「フロントイノセント」は、うるし原と木村義浩が原作したCDドラマ「レディ・イノセント」に端を発しており、ストーリーの大枠は出来ているのだが、「うるし原は描くのは早いが、考え出すと遅い(よしもと評)」ことから、VOL2が製作される目途は未だにたっていない(絵コンテだけはできているらしい)。……そういうところはバルキサスからあまり成長していないみたい。
――余談ながら、グローランサーⅣで声優として参加した釘宮理恵に「だって絵がエロいんだもん!」と言わしめたことがある(クリア後のオマケコメントで拝聴できる)。
お絵カキコギャラリー
おもにラングリッサーやグローランサーの記事から拾ってきたものを展示しています。
大好きっ!ビーチクン!
うるし原はとにかくおっぱいに対して異様なこだわりがあることが知られている。そのこだわりぶりがうかがえる、いくつかのエピソードを紹介しよう。
- 新くりいむレモン第二回作品「ホワイトシャドウ」
エロアニメにおける乳首の蛍光ピンクが嫌で、色指定に『茶色にしてくれ』と再三頼んだ。 結局茶色にはしてくれなかったが、ややくすんだピンクになった。
- 「極黒の翼バルキサス」
ピンク乳首が嫌なので、一号影(色を一段暗くする)に指定。そのときは納得できる乳首になったという。
胸の揺れも性懲りもなく一生懸命こだわったが、こだわりすぎてプロデューサーにカットされかける。これに頑強に抵抗すると、プロデューサーも諦めて途中から何も言わなくなった。
- 「校内写生2」
乳首の色を茶色にしてほしいと何度も何度も直してもらった。
- 「プラスチックリトル」
入浴シーンにおいて、キャラクターが持ち上げた乳房が弾むシーンは、現在のうるし原でも納得する動き。
「おっぱいは水が入った風船だ」
「2回揺れているように見せるには、1回余分に動かしたほうがらしく見える。つまり3回揺らすんだ」
あまりにも力を入れて入浴シーンを描いたために、発売元からカットを要求されてしまう。ここでは相方のよしもとが徹底的に抵抗し、裸を隠す湯気の濃度をめぐって発売元とギリギリの駆け引きを繰り広げた。
- 「フロントイノセント」
二人いるヒロインの胸の質感を微妙に描き分けている。微妙すぎて色以外わかんねえよ。フィルムになったら、描いたうるし原自身ですら違いが分からないくらい微妙だった。
- 同人誌
「大好きっ!ビーチクン!」という身も蓋もないタイトルで同人誌をシリーズ発行していた時期がある。
主な作品
アニメ
- 鴉天狗カブト(Wikipediaの記事)
- ホワイトシャドウ(新くりいむレモン)
- 極黒の翼 バルキサス
- 校内写生2
- プラスチックリトル
- フロントイノセント
- じょしおちっ!〜2階から女の子が...降ってきた!?〜(キャラクターデザイン)
※このほかにも参加した作品は多数。ほぼすべてが原画、作画監督であるが、意外なことに「ライディングビーン」ではメカニック設定を担当している。
ゲーム
- ロードブラスター(原画)
- ラングリッサーシリーズ(キャラクターデザイン、原画)
- グローランサーシリーズ(絵コンテ、キャラクターデザイン、作画監督、原画)
- 重装機兵ヴァルケン(キャラクターデザイン)
漫画
※未単行本化作品多数。
画集
- SATOSHI URUSHIHARA CELL WORKS
- VENUS
- レジェンド・オブ・ラングリッサー
- LOVE
- U:COLLECTION
- Φ(ファイ)
- ビジュアルワークス フロントイノセントVOL.1より
- Σ
- 麗裸
- グローランサーアートワークス
- 姦-KAN-
※アニメーター多しと言えども、これだけ画集が出ている人はあまりいない。この点からもうるし原による美少女キャラの人気ぶりがうかがえる。しかし、うるし原はアニメ塗り以外のカラーイラストがあまり描けないため、すべてそういう絵である。新画集でも旧画集とある程度内容がかぶっていることがあるため、購入の際には注意。
関連動画
ラングリッサー・グローランサー
その他アニメ・ゲームなど
関連静画
関連コミュニティ
関連項目
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