『うる星やつら』とは、週刊少年サンデー(小学館)の連載高橋留美子の連載漫画及び、そのアニメ化作品である。
概要
以後のギャグマンガに、ラブコメ路線として大きな影響を与えた。
アニメは、スタジオぴえろ制作、途中からスタジオディーン。フジテレビ系で5年という長期放映され人気を博した。シリーズ通して、これ以後のアニメ作品に与えた影響も非常に大きかった。
この作品で、多くの有名アニメーター、演出家が育った。特にシリーズ監督に押井守がいたことでも知られる。押井以降、スラップスティックコメディの要素が強くなった。劇場版も制作され、押井監督が作家性を強く発揮した「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」は、その演出の奇抜さで、ファンの間でカルトムービーと化した事でも知られている。
2022年1月1日の産経新聞の全面広告にて2022年中に再アニメされることが発表された。ノイタミナ枠で放送予定で、テレビアニメは36年ぶりとなる。そちらはうる星やつら(2022年版)の記事で。
物語
地球侵略に地球に現れた宇宙人により、諸星あたるが地球代表に選ばれて勝負することになってしまった。地球の命運をにぎる勝負は、あたると宇宙人の鬼ごっこで解決する事になった。
スケベで女好き、浮気性のあたるは、ガールフレンドのしのぶに勝ったら結婚するとの約束に奮起する。勝負の相手が鬼の美少女である事からなめてかかったあたるだが、鬼娘ラムは空を飛ぶ事ができたのだ。あたるの負けは決したかに見えたが、試合最後の一瞬に一発逆転のあたるの行動が地球を救う。だがその時にあたるが叫んでいた「結婚じゃ~」の一言を自分へのプロポーズの言葉と勘違いしたラムは、あたるの許嫁として、諸星家に住むようになってしまった。
与えた影響
一般の環境に常軌を逸した世界を持ち込んだ作品として、エポックメイキング的な位置にいるアニメーション。
そういう設定の漫画は『がきデカ』などで既にあったが、アニメーションとなったのでその影響は甚大だった。(がきデカなど、その方向のギャグ漫画は読む人を選ぶ作風と言うところもあった。)
面堂財閥の描写は『それまでのお金持ち』のイメージを一新してしまった。花形満のように『会社の社長』がお金持ちのイメージだったのが、私設軍隊を持つほどの財力や権力を有する存在となる。
男性よりも女性のほうがキャラクターが多いと言うのは、当時の少年漫画ではありえない事象だった。だが、主人公が好かれまくるハーレムアニメの始祖みたいな扱いがたまに見受けられるが実際はそんなことは無い。ヒロインのラム以外の女性キャラは友人知人の付き合いに終始しており、主人公の諸星あたるがちょっかいを出すだけである。はっきり言ってしまうとその系統のアニメとは全く逆である。でも、諸星あたるにはハーレム願望あり(四畳半だけど)
他にも後世の作品で一般化したものの多くが、この作品の影響するところ大だったりする。
- 男性を上回る戦闘力の女性が多数登場 → 女子力(物理)
- ラムの「だっちゃ」、ランの河内弁など → キャラ語尾萌え、方言萌え
- 弁天の鉄製ビキニ、ラムの節分用戦闘コス → ビキニアーマー
- ヒロインが銃器・火器をもって戦闘することも → 武器娘
- 劇場版『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』などの世界観 → ループもの
- 単独で作品として成立するOP,EDテーマ曲 → アニソンの楽曲ジャンルとしての地位向上
- OP,EDが度々変更し、新鮮さを保つ → クールごとのOP,ED変更
主な登場人物
※CVは初代アニメ版のみ表記。パチスロ版などは割愛、2022年版については当該記事へ。
- 諸星あたる CV:古川登志夫
- 宇宙で一番の浮気な男の子。「世界中の女は俺のもんじゃー!」と公言し、その対象は非常に広く、美人ならば年上だろうが人妻だろうがおかまいなし。ただし、未成熟な女の子やバケモノ、男の娘はさすがに守備範囲外である。また、「中身以外に興味はない」とも語っており、いわゆるフェティシズムなどの変態趣味とは無縁。
- また、女の子を苦しめたり悲しませることを嫌う本来の意味でのフェミニストの一面も持つ。ラムのことは「あいつ一人に縛られるのは嫌だが、他の男に取られるのはもっと嫌」と言っている。
- ラム CV:平野文
- 鬼族の女の子。勘違いからあたるの押しかけ女房を名乗り、「ダーリン」と呼んで強引に同居している。アイシャドー、ルージュなどの化粧を描写されることが多く、見かけは派手ないわゆる現代で言うギャルの要素を持つ。しかし、中身は一途で惚れた男に尽くす女性である。だが嫉妬深い娘でもあり、あたるが浮気すれば電撃能力で制裁を加える。女子力も高いが細かいところは結構ガサツでいい加減。基本的に頭はいいが、地球の知識に欠けることから時々アホの子的な一面も見せる。
- 三宅しのぶ CV:島津冴子
- あたるの元カノ。物語開始当初は立派なカップルだったが、面堂の登場によって急速にあたるからは離れてしまう。しかし、面堂からは全く振り向いてもらえず、その後もフラグの立つのは同性・バケモノ・動物という有り様だった。物語終盤になって、ようやく見かけこそ少々変だが、まともな恋人と巡り合うことになる。嫉妬の力が怪力に変わる性分で、机投げがいつしか得意技になってしまった。
- 面堂終太郎 CV:神谷明
- 財閥の御曹司。紳士ぶっているが、権力・財力・イケメン(ただし上には上あり)を除けば人間的本質はあたると何ら変わらない。名前はトラブルを終わらせる者を意味するが、実際は自らトラブルの種になること多数。初登場回のタイトルが「面堂はトラブルとともに」なあたりお察しください。何気にニコニコで一番最初に記事が出来たキャラクターである。
- 錯乱坊(チェリー) CV:永井一郎
- 神出鬼没の怪僧。小柄な老境の人物だが、作品内ではアップで見ると吐き気をもよおすほど醜いという扱いを受けている。画面で見る限りは結構可愛く思えるのは編集者だけ?妖怪などの人外の妖気を感じ取ったり、法力を用いたりと退魔師としての実力はある模様。キメ台詞は「運命(さだめ)じゃ」
- サクラ CV:鷲尾真知子
- 錯乱坊の姪。霊能力を持つ巫女だが、妖怪などに取り憑かれやすく、幼少から病弱で不幸体質だった。あたるに妖怪と不幸を全て押し付けて体質を克服、以降はすっかり健康になった。彼女自身は極めて妖艶な美女で、全女性キャラの中でもトップクラスのプロポーションの持ち主。凄まじい大食漢だが、食った分は全て体重が増えるのみでその体つきが崩れることはない。あたるの通う友引高校の保険医をしている。
- テン CV:杉山佳寿子
- ラムのいとこの鬼族の男の子。関西弁を話すマセたガキで、あたるたちからは「ジャリテン」のアダ名で呼ばれる。口から火を吐く能力を持ち、あたるとはしょっちゅう喧嘩をしている。おまるの形のエアスクーターに乗って移動している。
- こたつネコ CV:西村智博(現・西村朋紘)
- 物静かなネコの妖怪。生前に寒い思いをして死んだ悔しさから、こたつにただならぬこだわりを持つ。マスコット的存在だが、その気になっての戦闘力は作品内でも最強クラス。
- ラン CV:初代・井上瑤、2代目・小宮和枝
- ラムの幼友達。表の顔はいわゆるカワイコぶりっ子だが、性根は自己中心的で被害者意識の塊。ラムの悪気のないトラブルに巻き込まれて酷い目にあってきたことを根に持ち、復讐を狙う。接吻した相手から「若さ」を吸い取る能力(プロシュート兄貴のスタンドみたい)を持ち、あたるを狙うも結局うまく行かない。
- おユキ CV:小原乃梨子
- ラムの幼友達で雪女。海王星の雪女の国の女王。極めてクールな美女だが、金勘定にがめつい商人(あきんど)でもある。あたるに迫られたときは、結構まんざらでもなさそうだった。
- 弁天 CV:三田ゆう子
- ラムの幼友達で七福神の一員。つまり立派な女神様である。エアバイクを駆って空を駆け抜ける典型的な姉御肌の美女で、黒髪をアップにまとめて鎧をアレンジしたような鉄製ビキニのコスを身にまとう。年1回の節分にはラムと機関銃(ただし弾は豆など)でガチバトルを展開する。
- レイ CV:玄田哲章
- ラムのかつての婚約者。一見面堂を上回るイケメンだが、その正体はトラ模様の牛、としか形容できない生き物。極めて食いしん坊で、メシのことしか頭にない。その後はランに餌付けされ、一応はなついている様子。
- メガネ CV:千葉繁
- あたるのクラスメイト。原作ではちょっとしか出てこないモブだが、アニメにおいてキャラが拡大解釈されまくり、ついには押井守氏のオリジナル作品扱いで事実上のスピンオフが作られてしまったほど。初期はラムのファンクラブのリーダーであったが、やがてラムへのただならぬ想いを年齢不相応な哲学的・思想的ウンチクを絡めて語るようになる。
- 藤波竜之介 CV:田中真弓
- ある海岸で浜茶屋(いわゆる海の家)を経営するオヤジの一人息子…なのだが、実は男として育てられた女の子である。さらしで隠したバストは結構な巨乳、しかも未だ成長の途中。浜茶屋を継がせようとするオヤジに抵抗し、女らしい服装や仕草を手に入れようと奮闘している。
劇場版アニメ
- うる星やつら オンリー・ユー
- うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
- うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ
- うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー
- うる星やつら 完結篇
- うる星やつら いつだってマイ・ダーリン
関連お絵カキコ
コラボレーション
関連動画
主題歌MAD
ゲームプレイ動画
関連コミュニティ
関連リンク
関連項目
- 漫画 / 高橋留美子
- アニメ / 押井守
- らんま1/2
- 犬夜叉
- めぞん一刻
- ラムのラブソング
- 鬼
- 鬼娘
- 週刊少年サンデー
- 漫画作品一覧
- いまわの際にいってやる。
- 本音と建前が逆
- アニメ作品一覧
- 1981年のアニメ作品一覧
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