『えとたま』(干支魂)とは、白組・エンカレッジフィルムズ制作のオリジナルテレビアニメである。
監督は追崎史敏。
2015年4月から6月までTOKYO MX、BS11ほかにて放送された。本放送終了後も複数回再放送されている。
関連商品の発売スケジュールなど、いろんな意味で生き急いでいるアニメである。
概要
白組とタブリエ・コミュニケーションズが送る、十二支をテーマにしたオリジナルアニメ。
アニメーションは白組とエンカレッジフィルムズの共同制作である。
日常は2D、アクションは3Dを用いて描かれており、2D部分をエンカレッジフィルムズ、3D部分を白組が制作する。
あらすじ
動物を模した姿を持ち、清らかな心を持って人間と神とをつなぐ天の架け橋「干支娘(えと娘)」。
その多くのえと娘の中から60年に一度の選抜祭「ETM12」によって選抜され、古来より日本を守護してきた12匹の「干支神」はえと娘たちの憧れであった。
そして現代、今年も干支神選抜祭「ETM12」が東京・秋葉原で開かれる。
猫のえと娘であるにゃ~たんも、干支神になるべく秋葉原に来ていた。彼女は干支神に最も近い存在とされながら、ネズミ属による執拗な妨害を受け、ETM12で敗れ続けてきた。
そんな中、にゃ~たんは秋葉原に住む高校生・天戸タケルと出会う。
世界観
干支娘(えと娘)
神の使者として、人間と神とを結ぶ。動物を模した少女の姿をしている。
普段は「アダルトモード(大人娘)」という、通常の少女の姿だが、「萌力(ソルラル・後述)」によって、幼女のような「プリティモード(萌力娘)」に変身できる。また、このほかにも「ナチュラルモード(神使娘)」という動物の姿にも変身できる。
干支神
古来より日本を護ってきた、十二支を模した少女。12匹それぞれが日本の各地に分担して守護する。
60年に一度の干支神選抜祭「ETM12」で選抜される。
干支娘同様、「萌力」を使い「プリティモード」に変身できる。
また、それぞれ固有の武器「萌力祭具(ソルラルギア)」を持つ。
萌力
「ソルラル」と読む。干支神にとって必要な力。萌力がないと「プリティモード」に変身できない。
干支神の萌力は信仰心という形で自然に集まってくるが、干支神でないえと娘は萌力を自力で集める必要がある。
天戸タケルは極上の「萌力」を持っているらしい。
えと娘と干支神はそれぞれ固有の「ソルラルシール」というものを持っており、バトルで勝つか譲ってもらうかして干支神12匹全員の「ソルラルシール」を集めると、ETM12での勝利となり晴れて干支神となることができる。「ソルラルシール」を奪われると「プリティモード」には変身できなくなり、ETM12への参加資格を失うため、挑戦者は1敗もすることはできない。
ETM12
60年に一度開かれる、干支神を選抜するための神事。
えと娘がここで12匹の干支神すべてに勝利すれば、干支神となることができる。しかし、既存の干支神が強大であるゆえに、最近2000年間は新たに干支神となったえと娘はいない。
挑戦者は自らの「ソルラルシール」を奪われることなく、12匹全員から「ソルラルシール」を奪う必要がある。
登場人物
主要人物
- にゃ~たん - CV:村川梨衣
- ネコ属代表のえと娘。干支神となることを目標にETM12へと参加する。天真爛漫でまっすぐな性格。
- 天戸 タケル - CV:下野紘
- 秋葉原で一人暮らしをする高校生。極上の「萌力」を持っていたことで、にゃ~たんに押しかけられ居候される。
干支神
- チュウたん - CV:大原さやか
- ネズミ属代表の干支神。干支ランクは1位、守護地は南関東地方(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)。
実直で真摯な性格。ネコ属を憎悪している。 - モ~たん - CV:松井恵理子
- ウシ属代表の干支神。干支ランクは2位、守護地は東海地方(静岡県・愛知県・三重県)。
文字通りの草食で、巨乳。にゃ~たんを偏愛しており、どうしようもないほどの変態。 - シマたん - CV:巽悠衣子
- トラ属代表の干支神。干支ランクは3位、守護地は近畿地方(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県)。
中国拳法使いで、力と技におけるにゃ~たんの師匠。 - ウサたん - CV:相坂優歌
- ウサギ属代表の干支神。干支ランクは4位、守護地は北陸地方(新潟県・富山県・石川県・福井県)。
お嬢様キャラ。また天才プロデューサーでもあり、自前の事業を立ち上げてもいる。 - ドラたん - CV:内田真礼
- リュウ属代表の干支神。干支ランクは5位、守護地は東山地方(山梨県・長野県・岐阜県)。
伝説の幻獣干支神で、希代の萌力使い。精神におけるにゃ~たんの師匠。 - シャアたん - CV:生天目仁美
- ヘビ属代表の干支神。干支ランクは6位、守護地は中国地方(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県)。
実力者ではあるものの全力は出さない主義。本音が見えない不可思議なお姉さんキャラ。 - ウマたん - CV:小澤亜李
- ウマ属代表の干支神。干支ランクは7位、守護地は九州地方(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県)。
物事をネガティブに捉える面倒な性格。夢多き乙女であるが、いろいろと残念である。 - メイたん - CV:渕上舞
- ヒツジ属代表の干支神。干支ランクは8位、守護地は北海道地方(北海道)。
「大いなる母性と慈愛」を持つ、癒し系干支神。 - キーたん - CV:戸田めぐみ
- サル属代表の干支神。干支ランクは9位、守護地は北関東地方(茨城県・栃木県・群馬県)。
ウマたんとは逆に、物事をポジティブに捉える。好奇心旺盛ないたずらっ子。 - ピヨたん - CV:佐々木未来
- トリ属代表の干支神。干支ランクは10位、守護地は東北地方(青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)。
とても忘れっぽく、三歩歩くと一番気になっていたことを忘れてしまう。 - イヌたん - CV:本多真梨子
- イヌ属代表の干支神。干支ランクは11位、守護地は四国地方(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)。
裏表なく純粋な性格。キーたんとよく一緒にいる。 - ウリたん - CV:花守ゆみり
- イノシシ属代表の干支神。干支ランクは12位、守護地は沖縄地方(沖縄県)。
干支神のマスコット的存在で、干支神全員の「妹」。
公式が病気
この作品は公式がかなり病気なのも特徴。以下に挙げるように、放送前から多くの逸話が存在する。
5ヶ月前からのラジオ&ニコ生
本作品の放送は2015年4月からであるが、なんと派生のラジオ番組「えとたまらじお ~ソルラルくれにゃ!~」とニコ生が放送5ヶ月前の2014年11月から始まっている。この時点で公式は既に生き急いでいたのである。
その後番組名が「干支~ク!」となったニコ生の番組であるが、内容もかなりぶっ飛んだものとなっている。詳しくは動画を見ていただくか、「日本一うるさいニコ生」の記事が詳しい。
同じポニーキャニオンであるのをいいことに、声優つながりというだけで『エスカ&ロジーのアトリエ』『ローリング☆ガールズ』の宣伝を行ったこともある。
送 り バ ン ト 巽
100円CD
2015年3月に行われた「AnimeJapan 2015」に本作品も出展した。
物販では先述したラジオのダイジェスト音声(45分)を収録したCDをなんと100円で頒布した。ダイジェストとはいえもうちょっと高くてもよかったんじゃないですかね……?
無論、早々に完売した模様。
Blu-rayの発売スケジュール
最近、深夜に放送される多くのアニメ作品でBlu-rayとDVDが発売されているが、その発売スケジュールといえば、全12話の場合「1話と2話を収録した第1巻」が当該クールの終わりがけに発売されるというのがスタンダードである。本作品のように春季放送のアニメなら6月中旬ごろとなるはずである。
しかし「関連商品」の項にある、えとたまBlu-ray第1巻の発売日を見てほしい。なんと4月15日である。
そして次は「放送局・配信元」の項にある放送開始日を見てほしい。これは最速で4月9日である。
これが何を意味するか。もう分かっていただけたと思うが、本作品では「第2話を収録したBlu-rayの発売が、第2話の最速放送よりも早い」という珍事が起こってしまった。
まさに異例である。えとたま公式は生き急いでいるのである。
アニメ本編に音泉キング登場
インターネットラジオステーション<音泉>は2014年から10周年記念として声優の下野紘を起用し、「音泉キング」というキャラクターを活動させている。(詳細)
その音泉キングがなんと本作品の本編に登場している。それも毎話のように。音泉キングを知らない人にとっては「誰だこいつ」状態である。
原作にタブリエ・コミュニケーションズ(音泉の運営会社)が噛んでいるとはいえ、おふざけが過ぎるのではないだろうか(褒め言葉)。
公式自ら中毒動画を投稿
ニコニコ動画においては「中毒になる動画シリーズ」と称し、アニメのOP映像やED映像をうまくループさせて違和感なく長時間見せる動画がよく投稿されている。
しかしながらそれは作品の映像をそのまま使用しているものがほとんどで、当然ながら著作権侵害にあたるため削除されることも多い。
しかしえとたま公式は中毒になる動画シリーズの人気を見て、自ら中毒動画を投稿してしまった。
↑ちなみにサムネのにゃ~たんのゲス顔は公式Twitterのアイコンに使われた。
そして数日後
中毒動画とか公式に通報した https://www.nicovideo.jp/watch/1430130675 … … #えとたま
自分から通報していくのか(困惑)
さらにその後もキャラソンの試聴動画などを次々投稿している。全く商売のうまい公式である。
なぜニコニコ動画での最新話1週間無料配信をやらなかったのだ……
これがえとたま公式である。
キャストがニコ生上映会に参加
ニコニコ生放送には、通常コメントや運営コメントとは別に「BSP(バックステージパス)コメント」というシステムがある。詳細はバックステージパスの記事を参照。
えとたまの上映会ではなんと出演キャストとえとたま公式がBSPコメントにて参加している。
ただでさえ放送の数ヶ月前から訓練された濃い視聴者やAA兄貴がいるというのに、キャストによるコメントも加わってアリーナ最前列の画面はさらにカオス、もとい華やかになっている(ただし第3話だけ誰も来ず、公式がぼっち状態に)。
(第4話のエンディングにて)
ぼっち(相坂)「はいみんな聴いて」
ぼっち(相坂)「相坂くん増えたから聴いて」
ぼっち(相坂)「真剣に聴いて」
ぼっち(相坂)「はいみんな静かに聴いて」
ぼっち(相坂)「はなべぇあいさかくん!」(突然のコール)
ぼっち(相坂)「はいみんなまたしずかにして」
ぼっち(相坂)「ほらみんなしずかn」(途中送信)
ぼっち(相坂)「ほら神きょくほらああああ」
これもまた数々の公式動画と並んで非常に珍しい試みであり、視聴者からも概ね好評であるようだ。
![]() |
※BSPコメントがどうしてもうっとうしいという方へ※ 以下の方法で非表示にできます。ただし結構面倒です。こういうノリの作品であるということも、どうかご理解ください。 |
踊ってみた
今度はにゃ~たん役の村川梨衣がOPテーマの『リトライ☆ランデヴー』を「踊ってみた」動画を送り込んだ。
時々コメントで「これはりえしょんじゃなくて村川さん」などと言われているが、動画のタイトルにもあるように間違いなくりえしょんである。
また、OPの公式中毒動画では曲の間奏以降を「おあずけ」としていたが、この動画で結局間奏以降も公開してしまった。そんな広報体制で大丈夫か。
生き急いだ結果
2015年5月29日、えとたま公式はBlu-ray・DVD第5巻と第6巻の発売延期を発表した。
第5巻は2週間、第6巻は3週間の延期である。
生き急いだ結果がこれだよ!!
100万回踊ったねこ
2016年2月19日、上で述べた村川梨衣の「踊ってみた」動画が100万再生を達成。
アニメの放送が終了した後も、りえしょんと共に『えとたま』は視聴者から愛され続ける。
主題歌
オープニングテーマ
エンディングテーマ
- 『blue moment』
- 作詞:赤尾でこ
作曲・編曲:Starving Trancer
歌:ソルラルBOB - (CV:村川梨衣、大原さやか、松井恵理子、巽悠衣子、相坂優歌、内田真礼、生天目仁美、
- 小澤亜李、渕上舞、戸田めぐみ、佐々木未来、本多真梨子、花守ゆみり)
放送局・配信元
放送局
|
配信元
その他、ビデオマーケット、アクトビラ、J:COMオンデマンド、TSUTAYA TV、DMM.COM、ムービーフルプラス、MOVIEFULL、OnGenムービー、ベストヒット動画、ベストヒットアニメ動画、PlayStation Storeにて配信。 |
各話リスト
ニコニコチャンネルでの配信は有料である。
ニコニコ生放送での視聴は無料であるが、チャンネル配信の2日後なので注意。
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 動画 |
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第1話 | 猫娘揚々 | 赤尾でこ | 追崎史敏 | 鈴木薫 | 渋谷秀 | |
第2話 | 愛縁奇牛 | 奥野浩行 宮野聡一郎 |
寒川歩 | |||
第3話 | 亥突猛心 | 古田丈司 | 政木伸一 | 熊膳貴志 | ||
第4話 | 兎目兎耳 | 追崎史敏 | 間島崇寛 | 西尾智恵 | ||
第5話 | 滋羊強壮 | 金崎貴臣 | 浅見松雄 | 日下岳史、椎葉幹朗 、白井順 松尾真彦、徳倉栄一 |
||
第6話 | 虎計三笑 | 追崎史敏 | 安藤良 | 渋谷秀 | ||
第7話 | 縁縁長蛇 | 鈴木薫 | 寒川歩 | |||
第8話 | 一騎当猫 | 金崎貴臣 | 高橋幸雄 | 佐藤陽子、SEO JEONG-HA | ||
第9話 | 花鳥歩月 | 川口敬一郎 | いわたかずや | あまみりょうこ、日下岳士 佐藤このみ、秋山由樹子 |
||
第10話 | 永久変態 | 吉田丈司 | 山地光人 | 石川恵理、谷川政輝、白井順 | ||
第11話 | 猫鼠異道 | 追崎史敏 | 村田光 | 小池智史、渋谷秀、寒川歩 朱原デーナ、梅澤純一、追崎史敏 |
||
第12話 | 干支繚乱 | 追崎史敏 | 小池智史、秋山由樹子 白井順、追崎史敏 |
関連生放送
アニメ本編上映会
一挙放送
特別番組
キャスト出演の生放送がアニメ放送の4ヶ月前の2014年12月から2015年7月まで行われていた。月2回程度放送されていた。その後10月に復活し、月1回のペースで2015年12月まで放送された。2016年10月にはアニメの再放送にあわせ10か月ぶりの復活。その後2017年10月、12月にも放送されている。
「日本一うるさいニコ生」を謳っている。また、えとたま~猫客万来~の配信直前にも2021年4月24日に復活配信される。
チャンネル
スタッフ
- 製作総指揮:白組
- 原作:白組&タブリエ・コミュニケーションズ
- 原案:吠士隆
- 設定:是空とおる
- 監督・CG監督:追崎史敏・平川孝充
- シリーズ構成・脚本:赤尾でこ
- キャラクター原案(アダルト):渡辺明夫
- キャラクター原案(プリティ):QP:flapper
- キャラクターデザイン(アダルト)・総作画監督:小池智史
- キャラクターデザイン(プリティ):高橋麻実
- アニメーション制作:白組&エンカレッジフィルムズ
短編アニメ「えとたま~猫客万来~」
2018年2月18日のイベントにて新シリーズ制作が発表されたがその後暫く音沙汰はなく、2020年10月23日に1話の短編アニメとして制作されることが発表された。
2021年5月25日よりオーディオドラマ3話+30分の新作アニメ1話の全4話が各動画サイトにて配信される。
配信情報
配信元 | 配信開始日 | 配信開始時間 | 備考 |
---|---|---|---|
ABEMA | 2021年5月25日 | 火曜日 26:00~ | ライブ配信終了後 1週間オンデマンド無料配信 |
ニコニコチャンネル | 2021年8月31日 | 火曜日 24:00~ | 有料配信 |
関連作品・メディアミックス
コミック版
『月刊コミック電撃大王』2014年1月号より2016年6月号までコミック版が連載された。漫画は氷野広真。単行本は全3巻。
ノベライズ版
ぽにきゃんBOOKSより、『えとたま ~外伝のべる~』が発売中。2015年5月3日発売。
Webラジオ『えとたまらじお~ソルラルくれにゃ!~』
声優陣によるWebラジオ『えとたまらじお~ソルラルくれにゃ!~』が、インターネットラジオステーション<音泉>にて配信されている。2014年11月12日にプレ配信、2014年11月24日から本配信されている。2015年3月30日配信の第10回までは隔週月曜日配信だったが、第10回以降は毎週月曜日配信となる。6月29日配信の第23回からは再び隔週配信となっている。
隔週配信となった後も長らく配信を続けてきたが、2016年3月28日配信(3月7日予定から延期)の第41回をもって最終回となった。
また2021年1月から、えとたま~猫客万来~を記念して復活。パーソナリティは村川梨衣、松井恵理子で月1回不定期配信。
関連動画
PV
その他の試聴動画・踊ってみた
関連項目
外部リンク
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