おむすびころりんクレーターとは、小惑星リュウグウの表面にある人工クレーターである。
概要
小惑星探査機「はやぶさ2」が2019年4月にリュウグウ表面に金属の塊をぶつけ、人工クレーターを作った。これに同年8月、「おむすびころりんクレーター」という名前がつけられた。
なお、周辺の岩にも「イイジマ岩」「オカモト岩」「おにぎり岩」という名前がつけられた。イイジマ岩ははやぶさ2の分離カメラのDCAM3の開発に携わった飯島祐一、オカモト岩はサンプラーや衝突装置の開発に携わった岡本千里から名づけられた。おにぎり岩は形がおにぎりに似ていたことから名づけられた。
他の地名
以前にもリュウグウ表面の地形に、昔話をモチーフにした名前が名づけられている。
2019年1月、はやぶさ2の調査に先立ってリュウグウの地形に名前が必要だったため、昔話になぞらえて以下の名前が名づけられた。
なお、以下は日本語訳で、本来の国際天文学連盟に登録された正式名称は「Momotaro Crater」とアルファベット表記である。公式発表資料では「モモタロウクレーター」など、カタカナで表記されている。
- 桃太郎クレーター
- きびだんごクレーター
- 浦島クレーター
- 金太郎クレーター
- ブラボークレーター
- コロボッククレーター
- サンドリヨンクレーター
- 絵島岩塊
- 乙姫岩塊
- 常世地溝
- 蓬莱地溝
- カタフォ地溝
- 竜神尾根
- ブラボー…巨人のローマの戦士。オランダやベルギーの民話に伝説が残る
- コロボック…スラブ民話『コロボック』、ならびにそれに登場する主役のパンの名前
- サンドリヨン…シンデレラのフランス語名
- 絵島…浦島太郎が亀を助けた海岸の名前（絵島が磯）
- 常世（とこよ）…竜宮城の別名「常世の国」
- 蓬莱…常世と同じく竜宮城の別名
- カタフォ…アメリカルイジアナ州周辺にいた先住民のケイジャン人の民話の登場人物。詳細不明だが、道に迷わないように印をつけたとされている
なお、「おむすびころりんクレーター」は上記の地形名称とは異なり、国際天文学連盟に認められた名前ではなく、あくまで愛称である。人工的な地形には公式の名称をつけることができないとされているためである。そのためか、公式発表資料では「おむすびころりんクレーター」とひらがなとカタカナが混ざった形で書かれている。
ユーキャンの新語・流行語大賞2019ノミネート
新語・流行語大賞2019にノミネートされた。しかし、「初耳だった」という声も多く、発表日の11月6日のTwitter検索では「おむすびころりんクレーター 初耳」というサジェストが出てきてしまっていた。
一方、話題度が高いと思われるはやぶさ2の方はノミネートされなかった。
これについて、選考委員のやくみつるは以下のようにコメントしている。
選考委員のやくみつるさんは『Live NEWS It！（フジテレビ系）』取材に対して「これ私がねじ込んだんです。はやぶさ2の話題はもてはやれたんですけど、その後の言葉が定着してないと。ここに（おむすびころりんクレーターを）入れることによってそういう言葉もあったんだねと認知してもらう効果もあるわけですよね」と答えた。
―新語・流行語大賞のノミネート語の聞き慣れない「おむすびころりんクレーター」 やくみつる「私がねじ込んだ」（ゴゴ通信）
より引用
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関連項目
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