お色気担当(お色気要員、お色気キャラ、お色気枠、セクシー要員、セクシー担当)とは、ひとつの作品のキャラクターの中で色気を振りまくキャラの枠のことである。
概要
男性向けの映像作品において、女性のセクシャルアピールは長年欠かせない要素である。人間の持つ三大欲求の一つである性欲を刺激する事は簡単にヒット作を作る手段であり、映像で流される女性の素肌などは作品の魅力のひとつとなっていた。
大衆が触れることのできた最初の映像文化である映画でも「お色気担当」という概念は古くから存在しており、国立国会図書館デジタルコレクションで「お色気担当」で検索してみると1955年の雑誌「週刊サンケイ」の映画批評の記事がヒットする。やはり1時間以上座って映像を見続けるのであれば、そこには女性の姿があったほうがストレスなく見れるのかもしれない。
そのため、たとえアクション映画やスパイ映画などの本来ならば男性でもきつい体力仕事が求められるタフな環境を舞台としていようとも、男たちの中に最低限紅一点の女性を配置し、そのキャラをお色気担当にすることが多かった。また、ホラー映画など恐怖に訴える作品でも、ホラー要素との落差を出すためにあえてエッチな描写を入れることも多く、「お色気担当は最初に殺される」という定番まで生まれている。
とはいえ、女性だからと言ってすぐにセクシャルなシーンを挿入していては、キャラ造形やストーリーは容易に破たんする。特にメインヒロイン級のキャラクターになると、下手な色気やサービスシーンは本来の属性をかき消してしまい、逆にキャラクターとしての魅力を殺しかねない。そこでメインヒロインとは別にお色気シーンを担当するキャラクターが創造されたりもする。
このようなメインヒロインとは別枠のお色気担当キャラクターの代表と言えば『ルパン三世』の峰不二子だろうか。もちろん不二子がメインヒロインを張る作品も多いが、不二子とは別のメインヒロインが登場する作品であろうとも彼女は作品に登場し続け、魅力をふりまいている。
映画
前述したように、映画でのお色気担当のキャラクターはそれこそ伝統的に存在し続けている。
古典的な映画でのお色気担当と言えば女優のマリリン・モンローだろうか。彼女の伝説は数多くあるが、映画『七年目の浮気』でのスカートがめくれあがって太ももがあらわになるシーンは特に有名である。
しかし、2023年現在では、ミートゥー運動などによる女性へのセクハラ問題と絡めて、作中での役割がお色気担当のみでの起用などが問題視されるような風潮が生まれつつある。
ドラマ
映像の主流が劇場からテレビに移っても、変わらずお色気担当の枠は取られていた。
特に有名なのは時代劇『水戸黄門』での由美かおる演じるくのいち「かげろうお銀」だろう。彼女の入浴シーンは番組の名物の一つとなり、1986年から2000年にかけてゴールデンタイムのお茶の間に艶めかしいお色気を届けてくれていた。
バラエティ
1990年代までの日本のバラエティ番組は割と性を含む色々な事に寛容で、悪く言えばモラルがガバガバだった。現在では放送したら苦情が殺到するであろう番組も多数作られていたのである。
それらの中でお色気担当が活躍した番組と言えばアイドルが水着姿で多数登場する「アイドル水泳大会」などだろうか。多数のアイドルが水着姿で様々な競技で競う、と言うのが番組の趣旨だが、番組によってはアクシデントを装って水着が外れてしまうシーンを放送する物もあった。いわゆる「ポロリもあるよ」というフレーズはここから生まれている。当たり前だが、あくまで演出であり、ポロリをするアイドルは最初からそれを込みで仕事を受けているお色気担当の女性である。
漫画・アニメ
少年漫画および少年向けアニメにおいては物語の中心となるのは少年であり、その他の登場人物の多くも同性である時代が長く続いていた。女性が登場してもその数は少なかった。しかし、少年たちの淡い性の目覚めやエッチな事への憧れと言う物語のスパイスのために、それら数少ない女性はお色気担当をやらされることも多かった。
代表的なものは1980年から連載開始の『まいっちんぐマチコ先生』でのマチコ先生である。彼女は新任教師と言う立場でありながらグラマラスであり、中学生からセクハラを受け続けるお色気担当だった。
なんなら『ドラえもん』のしずかちゃんであってもスカートめくりやお風呂のぞきの対象となっており、『ドラゴンボール』のブルマも亀仙人相手にパンツを見せようとして局部を露出してしまうなどのハプニングを起こしている。見方によってはこれらもまたお色気担当と言えるかもしれない。
近年になってヒロインが複数登場する作品が増えると、その書き分け・属性分けを目的として割と性に開放的で積極的な女性キャラクターも生み出されるようになった。これについては後述する。
ドロンジョ様枠
1975年から放送が始まったアニメ『タイムボカン』シリーズの敵役「三悪」はお色気担当の性格がきつい美女、パワー系の巨漢、頭脳派の機械担当やデータキャラで構成される。
『ヤッターマン』での役名であるドロンジョとして知られているこの美女は、元々露出が高い服を着ているのに加えて、ヒーローとの戦いに敗れて乗り込んでいたロボットが爆発するとその衣装がさらにボロボロになってしまう。ギャグ描写の一環ではあるのだが、だからと言って肌面積が増えていることには変わりなく、アニメを楽しむ少年たちへのサービスシーンとなっていた。
この流れをくんでか、三人組、四人組の敵幹部のうち1枠はお色気担当の美女に割かれることが多い。
特撮
スーパー戦隊シリーズなどで、敵女幹部の姿がやたら肌面積が多くボンテージ姿で劣情を誘うというパターンが複数存在している。これもまた、お色気担当と言えるかもしれない。
その祖をどこに求めるかは難しい。スーパー戦隊の生みの親である石ノ森章太郎は漫画家でもあり、漫画の影響が強かったとも考えられる。また、スーパー戦隊の前身である『東映版スパイダーマン』の女幹部アマゾネスからして割と肌露出は多かった。
スーパー戦隊に限るなら1983年の第7作『科学戦隊ダイナマン』の女幹部王女キメラが当たるかもしれない。彼女は劇中で水浴びシーンを披露し、服を盗まれてバスタオルを巻いて帰るというサービスシーンまで披露している。
複数の女性キャラがヒロインとして登場する作品について
2000年代以降、ヒロインが複数登場する漫画・アニメ・ゲームなどが増えると、キャラクターの書き分け・属性分けを目的としてヒロイン枠、妹枠、幼馴染枠、先生枠、お笑い枠などのようにヒロインを分類するようになった。その分類の一つとしてお色気枠、お色気担当という属性が使われるようになった。
明らかなエロ漫画やエロゲ―である場合は全員がお色気要員であるので一般漫画やR-18ではないゲームについて言われることが多い。
お色気担当のキャラクターが持つ要素としてよくあるのは
- 巨乳(ただし普乳~無乳でもなんか色気があったり貧乳美人だったりして色気を振りまく場合も)
- 露出多め
- 年齢が基本的に16歳以上。主人公よりも年上の事も多い。上限は人外だの魔女だのだと1000歳とかでも若い美女だったりするのでなんとも言えない。
- キュート・かわいい系よりもクール・美人系
- 金髪
- 主人公のラッキースケベに寛容
などの要素である。もちろんお色気担当であろうともこの要素を必ず持つわけではない。
その性質上、Pixivやニコニコ静画のR-18率が高くなりがちであり、Pixiv百科事典では大真面目にR-18率についてまとめた記事があるほど。
ちなみに男性にも使われることがある。例として『ゴールデンカムイ』の谷垣源次郎を上げておく。東北地方のマタギをルーツに持つ彼は作中でも「このマタギ……すけべ過ぎる!!」と言及されるほどにお色気担当のドスケベマタギである。
実在のアイドルグループなどでのお色気担当
AKB48などの多人数アイドルグループでもこの言葉が使われることがある。
この言葉が使われる際には「セクシーさが一番の売り」というニュアンスを含み、それを裏返せば「セクシーさ以外に取り柄がない」という裏の意味も持つ。そのため、通常は女性に向かってこの言葉を向けるのは失礼であるし、向けた際にはセクハラで訴えられても仕方ないのであるが、近年では自ら「お色気担当になりたい」と宣言するアイドルも存在している。
- 乃木坂46 成人式でハタチの抱負「お色気担当になりたい」 - JAPAN billboard 2013/01/15
- AKB48チーム8「エイトの日」服部有菜 「チーム8のお色気担当に!」宣言 - OKMUSIC 2019年08月10日
人物、キャラクター以外のお色気枠
「お色気枠」と言った場合、人間以外に使われることもある。一つのパッケージの中で様々なジャンルの作品が放送・連載されている場合、「バトル枠」「ギャグ枠」「スポーツ枠」などの分類がされる。その中で女性のセクシーなシーンをメインに据える作品は「お色気枠」という分け方がされる。
代表的なのが週刊少年ジャンプに連載していた『To LOVEる -とらぶる-』である。
関連動画
関連静画
ホントにエロいのは載せられません。
関連項目
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