(同名のイラストレーターについてはお茶漬け(絵師)を参照。)
概要
ごはんの上に様々な具材を載せ、熱々のお茶をかけてかきこむお手軽料理。
ただし、お茶漬けとはいうものの、出汁やお湯を用いることも多い。お茶を使っていなくても、ひっくるめて「お茶漬け」と呼ばれることが殆ど。なお、具無しでただご飯にお湯を掛けただけのものは湯漬けと呼ばれ、煎茶が広く流通するようになるまではこちらが主流だった。
京都弁では「ぶぶ漬け」。京都でぶぶ漬けを勧められたらそれは「早く帰れ」という意味なので、速やかな退散が望ましい……とよく言われるが、これはジョークの類らしく実際はそのような風習は無いようだ。
具材としては梅干、野沢菜などの漬物類がメジャー。海苔、塩鮭、たらこ、昆布、山椒など、おにぎりの具になるようなものも大体合う……というか、おにぎりを崩してお茶漬けにすることもある。薬味にゴマやわさびを用いても美味しい。
一方、鯛などの刺身を乗せて食べる贅沢な味わい方もあり(贅沢禁止令が出されていた時に「お茶漬けだから粗食だ」と誤魔化すために生まれたとされる)、他にも鰻や天ぷらなどバリエーションは豊富である。
冷たいご飯しかない時、手早く食事を済ませたい時、食欲がない時、とにかくお金がない時など、様々な場面で役に立つ万能料理。殆どの人が「とりあえずお茶漬けで」と一度は頼ったことがあるはずである。
夏場には逆に冷たいお茶で冷やし茶漬けとして楽しむこともできる。こちらも煎茶が出回るまでは「水漬け」だった。
さっぱりとした味わいで、食欲のないときでも口にしやすい。
おかずだけ食べ終わってご飯が残ってしまった時の処理にも用いられる。会席などの和風コース料理では最後にご飯・味噌汁・香の物のセットが出てくることが多く、この中のご飯・香の物と食後のお茶で茶漬けを作って締めにすることも。
ただし、お茶がかかっただけの普通のご飯なので、別に消化がいいわけではない。むしろ、口当たりの良さに任せてよく噛まずにかきこみがちになるため、どちらかというと消化器に負担のかかる食べ物である(熱々の場合はなおさらである)。風邪をひいた時や胃が弱っているときには、おとなしく粥にすることをお勧めする。
お茶漬けの素
一般家庭でお茶漬けをする場合に便利なのが、なんといっても「お茶漬けの素」であろう。
お茶をベースにした調味粉に、のり・ごま等の薬味、乾燥剤を兼ねた小粒のあられが加えられたもので、ふりかけのようにご飯にかけてお湯を注ぐだけで美味しいお茶漬けになる。梅・鮭・野沢菜などフリーズドライの具材が入ったバリエーションもある。
1952年に永谷園が考案し、現在ではスーパーやコンビニに必ずといっていいほど置いてある。
一心不乱にお茶漬けをかきこむ男が、鳴り続ける黒電話に「ただいまお茶づけ中」と張り紙をして叩き切るという、永谷園の飯テロCMは、20代以降の人にとっては有名であろう。
ちなみにこうしたお茶漬けの素は、近年ではお茶漬け以外での応用がされるようになり、色々なレシピが各所で公開されている。
関連動画
ちなみに永谷園によれば、このCMに出演しているのは素人(広告代理店の社員か何かと思われる)。
大手代理店がCMのビデオコンペで持ち寄った作品に、有名タレントを想定したダミーとして出演していたのだが、あまりにも食べっぷりがいいので、永谷園の当時の社長がそのまま彼を使おうと決めたらしい。
放映されなくなって久しいが、理由は不明。もちろんいつまでも同じCMを使うわけにいかないからだろうが、「音が汚い」と嫌う人も少なくないことから、同様の苦情が殺到したためとも噂される。
関連静画
関連項目
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