かくりよの門とは、株式会社アピリッツが運営・提供している、「国産純和風MMORPG」を謳うブラウザゲームである。2014年6月18日に正式サービス開始、2014年8月20日にニコニコアプリでのチャネリングサービス開始。同シリーズに、SRPGの式姫草子、箱庭育成SLGの式姫の庭がある。
概要
ゲームの舞台となるのは江戸時代の日本列島。プレイヤーは「逢魔時退魔学園(おうまがときたいまがくえん)」に通う駆け出しの陰陽師となって式神(式姫)と共に妖怪を退治し、妖怪のはびこる地「かくりよ」に通じる門を封印することが目的となる。
幽世(かくりよ)とは永久に変わらない神域。死後の世界でもあり、黄泉もそこにあるとされる。「永久」を意味し、古くは「常夜」とも表記した。日本神話や古神道や神道の重要な二律する世界観の一方であり、対峙して主人公たちの住む世界が「現世(うつしよ)」である。
サウンド担当は伊藤賢治。後に追加されたボスの戦闘曲に谷岡久美、若林タカツグが参加、以後も新たな作曲家の参加が予定されている。
毎週水曜日にメンテナンスが行われ、イベントや追加要素、修正などが加えられる。季節に合わせて、学園に雛壇や七夕の笹が置かれる事も。
また、かくりよの門名物としてメンテナンスの延長がある。指定した時間内に終わる事は少なく、酷い時は夕方に終わるはずのメンテが翌日までズレ込んだ場合も。時間通りにメンテが終わる事もあるが、その後すぐに不具合が見つかって緊急メンテの二段構えのパターンも。今でこそ緊急メンテの前に運営から通告が入るのだが、サービス開始当初は何の通告も無く突然メンテに入り、事後報告で済ませていたという。
しかしメンテ延長による補填はしっかりしており、メンテが長引けば長引くほど有用なアイテムが配られるため、2chにあるスレではメンテの延長を歓迎する傾向にある。
ゲームシステム
戦闘
戦闘システムはランダムエンカウント+アクティブターンバトルを採用。戦闘が始まるとゲージが溜まり始め、プレイヤーはその途中で技や術など行動を入力しておき、ゲージが一杯になったところでキャラクターが行動する。入力がなければ通常攻撃を行う。技や術、アイテムの使用にはクールタイム(リキャスト時間)が設定されており、強力なものほど一度使用してから次に使用できるまでの時間が長い。
特定の戦闘では他のプレイヤー(最大10人)が協力して戦うことが可能。敵と同時に向き合えるのは最大3人であるため、控えメンバーとの交代のタイミングや役割分担が重要となる。
プレイヤー同士の対戦要素はない。
式姫
かくりよの住人を「型紙」を依代として契約を結んだ存在。式姫を封じているボスを倒すことで、対応する型紙を入手できる。
呼び出したい式姫を指定できる「指定召喚」とランダムで呼び出す「銀/金/虹/虹+召喚」がある。
指定召喚は呼び出したい式姫を自分で選ぶことができる。ストーリーを進めると式姫を封じている祠のボスが順次解放される→ボスを倒すと対応する型紙が手に入る→型紙を使用して対応する式姫を召喚する…という流れ。式姫の進化にも型紙が必要になる。また、レア度の高い式姫は召喚できない。
銀/金/虹/虹+召喚は呼び出す式姫がランダムで決定し、後者ほどレアの出現率が高い。これらの型紙をゲーム内で入手できる機会は少ない。レア度の高い式姫は能力やスキルが高いことが多いため、序盤で手に入ると冒険が楽になるが、レベルアップに必要な経験値が多い点に注意。
式姫は通常のレベルアップの他、スキルを継承する「合体」や、能力が上がって見た目も変わる「進化」を通じて強化できる。
式姫のグラフィックは同シリーズからの使い回しが多いものの、全体的にかわいいイラストになっており、FSS成分が多め(主観)。初めて召喚した式姫には自己紹介の会話イベントが挿入され、式姫の性格を伺うことができる。キャンペーン等期間限定で出現する式姫にも専用の会話イベントがある。
憑依
ある程度ストーリーが進むとできるようになる。パーティーに参加していない式姫を、主人公含むメインパーティーのメンバーに憑依させることで、ステータスの強化や一部スキルの継承が行える。1人につき最大2人まで憑依させることができる。また、基本的にレア度の低い式姫ほど憑依で有利になるよう設計されているので、弱くても愛で使っている式姫を持っている人には特に朗報。
職業
ゲーム開始時、主人公の職業を選択する。ゲームが進めば転職も可能なため、あまり悩まなくていい。式姫も下記の職業のいずれかに属しているが転職はできない。
- 武士 … 刀を使う盾役。HPや防御力が高く、スキル構成によっては攻撃役にもなる。
- 槍術師 … 槍と術を使う攻撃役。後列から攻撃可能だが、やや器用貧乏。
- 傾奇者 … 斧を使う攻撃役。物理攻撃が強力だが、素早さが低い。
- 弓術士 … 弓と術を使う攻撃役。後列から攻撃ができ、連撃の確率が高い。
- まじない師 … 攻撃系の術を使う。弱点属性を突けば強力だが、HPや物理防御力が低い。
- 巫女 … 回復系の術を使う。全体回復や蘇生が便利だが、HPや物理防御力が低い。
方位神の加護
ストーリーを進めたり、あるアイテムと交換することで加護ポイントが手に入り、それを消費して様々な技能を取得できる。FF10のスフィア盤のようなものと書けばおわかりいただけるだろうか。
釣りや探索などのアイテム収集や、素材を基に装備品や料理を生産できる「技能」、自分や式姫のステータスを上昇させる「我」「式姫」、パーティーメンバー全員で自由に付け替えできるスキルを取得できる「特性」がある。制限があるためすべての加護を取得することはできないが、比較的楽な条件で振り直しができるので、今の自分に適した加護を取得しよう。
行動力
ゲーム内で活動するために必要なポイント。いわゆるプレイ時間を制限するスタミナである。遠征地に移動したり、特定の戦闘をこなすと消費する。リアル時間で40分(ログアウト中やサーバーメンテナンス中も含む)経過すると1回復し、最大24まで溜められる。0になると学園内での買い物や編成、チャットくらいしかできなくなるが、遠征先での行動時間を考慮するとそこまでキツキツではない。
設定的に行動力は、方位師と陰陽師の体力という事になっている。
自宅
自宅内ではアイテム整理や式姫の召喚、編成などを行うことができる。また、部屋の中に家具類や植物などの置き物を設置でき、見た目を楽しむことができるほか、一定時間経過することでアイテムを生産できる置き物も置ける。
自宅は他のプレイヤーに公開することができ、逆に他プレイヤーの自宅を覗くこともできる。その際、室内を散歩している式姫をなでることで、1日1回限定で行動力が1ポイント回復する。モフモフ。
常夜の境
2015年3月25日のアップデートで導入された新システム。時間に余裕が無い社会人のためのレべリング要素である。
常夜の境(とこよのさかい)とは、うつしよとかくりよの境にある不安定な空間の事。かくりよの大門が開く前からうつしよとかくりよの境目だったという。現在は伊勢国(三重県)の沖合にその出入り口がある。
とても不安定な空間であるため、入場には10個分の行動力を封入した「常夜印章」が必要となる(支援担当の人に話しかければ行動力10個と引き換えに交換してくれる)。
余談だが、逢魔時退魔学園の名前はこの常夜の境から取られているらしい。
常夜の境は、すごろくのようなマス目となっており1マスずつ進む。赤マスが敵と戦闘、緑マスがアイテム入手、水色マスがゴールである。ゴールの手前にはボス敵が控える。常夜の境では経験値が一切入らず(ゴール時に提示された分の経験値が入る)、鞄使用不可、回復も戦闘中にしか行えない制約がある。その代わり制限時間は無い。そして遭遇する敵は外で遭遇する同種の敵よりも能力値が高めで、舐めて掛かると痛い目に遭う。
日々プレイする時間が無い人は、無駄に貯まる行動力を常夜印章に変えておき、休日の時に常夜の境でレべリングを行うやり方がベターだろう。
課金要素
アイテム課金。クレジットカード、WebMoney、BitCashに対応。無課金でもゲーム内の育成でそれなりに強くなれる上にストーリーが進めば進化もできるため、課金必須と言うほどではないが、笛はあった方がいいかもしれない。特に購入者が多い(と思われる)のは以下の2つ。
- 金の型紙 … 上級種以上の式姫をランダムで召喚できる。いわゆるガチャ。レアな式姫を召喚できれば序盤は楽になるが、結局は運なのでハマりすぎには注意。
- よびよせの笛 … 使用すると即座にエンカウントできる。何度使用してもなくならない。レベル上げや討伐数を稼ぐクエストで活躍する。
また、キャンペーン期間中は能力・グラフィックが特別なものに差し替わる式姫が登場することがあるので、公式サイトはよく見ておこう。入手方法は、通常の召喚で手に入れるものと、一定額課金すると必ずもらえるものとがある。
その他
- 会話シーンはいつでもリプレイできる。システムの解説をうっかりスキップしてしまった人や、印象に残ったイベントを見直すにはありがたい機能。式姫召喚時の会話も再生できる。
- ゲーム内のチャットで「かやちゃ」と発言すると、多くのプレイヤーから「ドッ」というコメントが帰ってくる。元ネタは式姫の公式4コマ漫画。ぬるぽ→ガッに相当する様式美で、サービス開始直後によく見られた光景である。
- Q. 「金の型紙から○○という式姫が出たのですが、強いですか?」
A. 「かわいい。」
ストーリー
冒険の目的は、概要の通り「かくりよに通じる門を閉じること」である。序盤は陰陽師の活動について説明を受けつつ、主人公は仲間やライバル、先生たちとキャッキャウフフ切磋琢磨しながら次々と発見される門を閉じていくが…?
登場人物
- 主人公
-
幼いころ、自分を助けてくれた式姫にもう一度会うために陰陽師となった少女。学園住み込みの生徒として知られているが、正確には主人公の家がある場所に学園ができたため、実は自宅も兼ねている。そのため自室はやたらと広い。
座学はロクに聞いていないが実技はそれなりにこなす、ややマイペース気味な性格。自己管理も杜撰なようで、敷いた布団を片付けずに放置していた事も。しかし芯は強く、強敵と対峙した時もまったく怯まず堂々と振る舞う頼もしさを見せる。釣りが好きで、竿や餌をいつも持ち歩いている。
丈夫な体と気丈な精神を持ち、落盤が相次ぐ炭鉱でさえも着物で走破する。また力持ちのようで、俵を担いで持ってくるという男勝りな一面もある。
並外れた体力と逞しさは、幼少期に受けた三善先生のスパルタ教育の賜物。亀の甲羅を背負っての登山や、穴の空いた船で渡河など軍隊じみた事をやっていたらしい。デフォルトネームはない(チュートリアルやPVに使われる名前はある)が、公式四コマにも文と一緒に登場。こちらでは「とこよ」と呼ばれている(恐らく由来は「常世」)。デザインは大きなリボンを付けたもの(トップ画面やログイン画面にいる緑髪の娘)。
元から自宅のある場所に学園が設立されたため、学園内に自宅がある。自宅の広さは最早豪邸で、式姫を何十体も散歩させられるほど広い空間がある。更に式姫の召喚に使う部屋も存在し(こちらも広い)、相当な富豪なのではないかと推測される。しかし初期状態では家具が1つたりとも置いていないので、どうやって生活していたのかは不明である(一応、寝る時は布団は敷いているらしい)。
- 百花 文(ももか ふみ)
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陰陽師を補佐する方位師(ほういし)で、主人公の相棒。座学の成績が優秀だが、頻繁に吐血するほど体が弱く、あまり出歩くことができない。体が弱いとかそういうレベルじゃない気が…。伝心の術を用いて離れたところから主人公と会話ができるほか、転送の術で遠隔地や自宅への移動をサポートする。ゲーム内において、いつでも自宅まで帰還できるのはこの術があるためである。また、方位師は倒れた陰陽師を安全地帯に退避させる役目を持っており、ゲーム中に主人公が倒されると有無を言わさず自宅へ退避させる。
外出することと、ヌメヌメして鳴くもの(主に蛙)が苦手。討伐したあやかしの情報には彼女のコメントが付き、弱点などを教えてくれるが、蛙系のあやかしに対するコメントは辛辣である。ゴフッ!
遠征地での活動時間に制限があるのは、方位師の文が体力の限界を迎えてしまうためである(瘴気が濃くて主人公が長く留まれない場合もあるが)。基本的に主人公とは仲良しであるが、しれっと主人公に皮肉や悪口を言っちゃう一幕がある(負けじと主人公も言い返している)。一方で守護者との戦闘前に主人公の身を案じるなど、やはり主人公想いである。
体質的に外出しにくいことと、主人公の自宅が広く召喚などの儀式を行える設備も整っているため、実は主人公と同棲している。私生活ではずぼらな主人公に振りまわされている模様。そして同棲しているのに自宅の何処を探しても姿が見当たらない。
江戸時代という設定にも関わらずツイッターをしており、たまに公式アカウントで喋る事がある。現実の世界と季節や時間を共有しているらしく、季節に合った言葉を語る。
腹黒い一面も持っており、(主人公に利するためとはいえ)少しダークな文ちゃんが見られる。また意味不明な言葉を話す式姫との会話に、無理なく付いていく事が出来る。そのせいか、意味不明な会話に付いていけない主人公が置いていかれる場面が多々ある。内容もしっかり理解しているため、話についていけない主人公に会話の内容を教える多才な一面も。
余談だがゲーム内通貨は文(もん)であり、名前と通貨の字が同じである事から混同してしまう人もいるとか。
「私は自宅待機の方位師で本当に良かったと思っています」
- 土御門 澄姫(つちみかど すみき)
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陰陽師の名門である土御門の娘としての義務感と、あやかしに襲われる人を救いたいという正義感から陰陽師となった。負けず嫌いで主人公にライバル意識を持ち、しょっちゅう突っかかってくるが程よくスルーされている。
校長から「澄姫と主人公の実力はたいして変わらない」と言われた時は悔しさから泣き出すことも。かわいい。主人公と文が同棲していることを知った時は涙目で宣戦布告をした。かわいすぎる。
その一方で主人公に助言をしたり、式姫を召喚するアイテムをプレゼントしたりしている。要はツンデレ。
「あたしね、あなたには負けたくなかったの」
- 三善 八重(みよし やえ)
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学園の先生。時に優しく時に厳しく、生徒たちを指導する。主人公とは旧知の中で、入学前から主人公のことを鍛え上げていた。亀の甲羅を背負っての走り込みとか。昔は「八重さん」と呼ばれていたが、主人公が入学してからは「三善先生」と呼ばれている。
元々は主人公と同じ陰陽師で、かなり活躍していたようだが・・・。 - 吉備 泉(きびの いずみ)
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学園の校長。陰陽師の始祖である吉備に連なる、学園の創始者。たった一人で多くのあやかしを討伐した。年齢は50歳以上のはずだがとてもそうは見えないロリババァ。主人公の過去を知っているようだが…?
- ゼッピン
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蛙の外見をした美食家で、古くから学園で暮らしている。釣った魚や、それを基に作った料理を提出することでアイテムと交換できるクエストを担当する。目の前に赤い敷物を敷いたスペースがあるため、プレイヤー同士の集合場所によく利用されている。また、主人公が転職する際にもお世話になる。
クエストの難易度に報酬が釣り合わない事から空気化している節がある。
「生魚の味と言うのもいいものでな」
ここから先は、ストーリーがある程度進んだところで登場する人物です。ネタバレ防止のため、以下反転。
- 少女の記憶(しょうじょのきおく)
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その昔、あやかしの討伐中に行方不明となった陰陽師で、八重の同期。この事件をきっかけに、泉によって方位師の役職が制定された。名前がないのでプレイヤーからはとりあえず「記憶ちゃん」などと呼ばれているが、なかなか重要なイベントなので、ここは名前と立ち絵が欲しかったところ。真っ直ぐで折れない性格らしいが、過去にいろいろあったためか会話からはかなりクールでドライな印象を受ける。
ここで登場するボスが使用する技の名前が彼女の当時の心情をそのまま表現しており、プレイヤーの精神をえぐる。
クリア後は、あやかし討伐と引き換えにアイテムを入手できるクエストを請け負うようになるが、その時のツンデレじみた一言に少し救われる。
──東の方角を見ている──
- 悪路王(あくろおう)
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古代の伝承に残る鬼で、かくりよの門の真相を知る人物。時の権力者の正当化のために創作され、朝廷に討伐されたとされる「アテルイ」を悪路王とする説がある。その血は新たな鬼を産み、体の一部であれば新たな自分を生み出せる。
元々は概念でしかなかったが、ある陰陽師が使役しようして姿を与えられた。長髪のイケメンで古風な喋り方をする。泉とは旧知の仲で、よく「懐かしい」と口にする。
過去に泉らに取り憑いていたことがあったが、後に主人公の目に取り憑くようになる。これにより、主人公が見たり感じたりしたことを知ることができるようになり、以後行動を共にする。主人公ちゃんのプライバシーが丸裸じゃないですかーうらやましいやだー。
あやかし
かくりよの門を通って、うつしよ(現世)に現れる存在。その地の伝承や言い伝えから姿をかたどるが、時には野生生物に憑りついたり、かくりよの門から溢れた瘴気に曝された生物があやかしと化す場合がある。妖怪の姿をしている事が多いが、厳密には妖怪と違う存在である。
現世と幽世の境である、かくりよの門は守護者と呼ばれるあやかしが守っており、門を閉じるにはこの守護者を倒さなければならない。守護者は周辺のあやかしよりも強大で、ボス敵の扱いとなっている。
また中盤の遠征地からは強敵と呼ばれる中ボスがランダムで出現する。当然雑魚敵より強いが、複数人で挑めるので経験値稼ぎに向いている。また、強敵との戦いは回避できるので無理だと思ったら戦わないのも手である。
かくりよの門から現れたあやかしは稲穂を踏み倒したり、物を盗むなどをしてイタズラを繰り返す。このため客足が遠のいた観光地もある。しかし直接人に危害を加える事は無く、ただ迷惑な存在として人々に認識されているようだか…。
ストーリーを進める事により、あやかしの秘密が少しずつ明らかになっていく。
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