「かと思った」とは、「かと思う」の過去形である。
想定していたことと現実が異なった時に使用するが、その言外に込められた意味によって様々な使い方があるので下記で解説する。
かと思った(けど違った)
「〜かと思った(けど違った)」のという発言は、対象物を違うものと誤認したことを述べている。
しかし、主語が発言者本人であったとき、この発言の裏には別の意味が込められるのである。勘違いはすなわち間違いであり、本来恥ずべきことのはずである。にもかかわらずなぜ、自分の勘違いを「〜かと思った」と公言する必要があったのだろうか。ここには「確かに予想を外してしまったかもしれないけれど、〜だと思うのは当然で仕方のないことだから、 みんな許してくれるよね、ね。むしろ〜じゃない現実や、〜と思わない人たちの方がおかしいよね。みんなもそう思うだろう?」という発想・価値観が、意識するとしないとに関わらず前提として隠れているのである。
すなわち、「〜かと思った」という発言は、一見事実を述べているだけのように見せかけて、暗黙のうちに自分の判断を正当化して相手を否定するという裏側を持っている。
「〜かと思った」という発言する人は、予想と違ったものを目にして自身の価値観を否定されたように感じ、さぞ驚き憤ったことと思う。しかし「〜かと思った」と発言することで、相手に同じように価値観を否定されたような感覚を与える可能性があることは認識していても損はしないと思う。必要だというならその可能性を認識した上で発言すればよいのだから。
かと思った(がしなかった)
ここでは「かと思った(がしなかった)」について解説する。
- 『泣くかと思った』 → 『泣くかと思ったけど泣かなかった』
- 『あの時は引退しようかと思った』 → 『引退しようと思ったけどしなかった』
- 『イライラして殺そうかと思った』 → 『イライラして殺そうと思ったけど殺さなかった』
このように『かと思った』には『~しようかと思ったけどしなかった』の意味でも使われる。
かと思った(本当に良かった)
ここでは「かと思った(本当に良かった)」について解説する。
- 『死ぬかと思った』 → 『死ななくて本当に良かった』
- 『病気かと思った』 → 『病気じゃなくて本当によかった』
- 『あなたが引っ越すかと思った』 → 『あなたが引っ越さなくて本当に良かった』
- 『行ったかと思ったよ』 → 『とんでもねぇ、待ってたんだ』
このように『かと思った』には『本当に良かった』の意味でも使われる。
かと思った(これから行動する/した)
ここでは「かと思った(これから行動する)」について解説する。
- 『昨日、旅に出ようかと思った』 → 『昨日、旅に出ようかと思ったので、今日旅に出る』
- 『少しだけゲームをしようかと思った』 → 『少しだけゲームをしようかと思ったのでゲームした』
- 『明日、食べようかと思った』 → 『明日に食べようと決意した』
このように『かと思った』には『~これから行動する/した』などの意味でも使われる。
かと思った(褒め言葉)
ここでは「かと思った(褒め言葉)」について解説する。
- 『まるで芸能人かと思った』 → 『まるで芸能人みたいで美人だね』
- 『この絵は写真かと思った』 → 『この絵は写真みたいですげー』
- 『プロの作った料理かと思った』 → 『プロが料理したみたいで美味しかった』
このように『かと思った』には『褒め言葉』などの意味でも使われる。
夢かと思った
- 『女の子だらけなんてまるで夢かと思った』 → 『女の子だらけで嬉しかった。夢みたいだった』
- 『お菓子がいっぱい食べられるなんて夢かと思ったよ』 → 『お菓子が食べられて幸せだった』
- 『あの場所は天国かと思った』 → 『あの場所は天国のようだった』
このように『かと思った』には『~のようで素晴らしかった~』などの意味でも使われる。
他にもまだまだ存在する「かと思った」
他にもまだまだ、「かと思った」の使い方は存在する。
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