概要
「女」という文字を分解すれば、ひらがなの「く」、カタカナの「ノ」、漢字の「一」、即ちくノ一になる。
忍者はこうして、ある漢字を分解して暗号や技の名前にすることが多かったという。
元は女を使って相手を油断させる忍術「くノ一の術」のことであったが、やがて女忍を下女として潜入させたり、相手を篭絡させることも範疇に含まれるようになり、後世の伝記により最終的に女忍そのものを指すようになった。
このため、「くノ一=女忍」という言葉は忍者小説の元祖「山田風太郎」による造語だという説もある。
こうした女忍者はその魅力と、当時の「男尊女卑」に倣った弱者を演出して諜報を行ったり、武官に接近して篭絡し、時には身体をなげうって直接情報を仕入れたりしたという。このため記録に残る女忍はほぼ美人である。
しかし体力は男に比べて劣り、また胸の分体のバランスが取れなかったり、身重になると忍術を使うのも困難になることから、男忍に比べてその帰還率はあまり多くなかったと伝えられる。
女忍は忍術のみならず、房中術にも長けていた。これは閨で使う術、いわゆる性技のことである。流派によってその技術は違い、時にはこれで難事を切り抜けたり、高官に仕える任を成功させたという。
そういった女忍者が性欲に溺れたり、逆に相手に篭絡されてしまわないように、女忍には間男のように男忍者がつき、有事あらば直ちにそうした「抜け忍」を始末していた。このため、女忍が上忍になる例はあまりなかった。汚いなさすが忍者汚い。
くノ一(女忍)を最も活用したのは武田信玄であると伝えられる。信玄は甲賀流の上忍一家「望月家」の未亡人・千代女を頭領とする歩き巫女ののワ「ののう」の隠れ里を作らせ、ここで「ののう」を育てて各地で遊行させ、時には売春をしてまで各地を遍歴し、諜報の任を負っていたという。
仮想世界では
上記房中術、つまり任を全うするために性技まで仕込んだという伝説のため、また忍者が軽装であるという説が誇張された結果、こうした軽装の女忍者が捕まってアレコレさせられたり、くノ一が性的魅力を武器にして色々ヤる小説や作品は、二次元三次元商業同人を問わず枚挙にいとまがない。というかタグが自重していない。
ソフトなものでは(ちょっと違うが)「ニニンがシノブ伝」、分かりやすい例では「対魔忍アサギ」など。餓狼伝説シリーズのおっぱいアイドル「不知火舞」も女忍(くノ一)である。
その点ではじーちゃん達のアイドル番組、かげろう忍法帖も有名だろう。かげろう忍法帖では5人のセクシーなくノ一が堪能できる、くノ一好きにはたまらない作品である。もちろん、毎回由美かおるが入浴する。
「忍たま乱太郎」では、まだ忍術としての基礎しか習っていないような小娘の忍者が多く出る。彼女たちはたいてい乱太郎やその他の「軟弱な」男忍をいじめ抜く、気の強い女忍という立場として出演している。
「忍者ハットリくん」にも、ツバメちゃんと言うくノ一が登場しているが、何故か出番が少なかった為か、知名度が低い。
比較的正統なくノ一として、花の慶次における「棒涸らしの蛍」も分かりやすい例となる。慶次は蛍(加賀忍)の仕掛けた忍術を見破りまくっているが、本来はああやって男をやり込めて、隙を見て始末したりしていたという。
「戦国無双」では、上述望月千代女をモチーフにした女忍者「くのいち」が武田家、真田家武将として登場している他、豊臣秀吉正室のねねが忍術の心得があり、くノ一となっているオリジナル設定がある。
関連動画
関連静画
関連項目
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