これ描いて死ねとは、『ゲッサン』にて、2021年12月号から連載中のとよ田みのるによる漫画である。
概要
作品を生み出す苦労や喜びなど、漫画家のあるあるを最大限温かく表現し、自分の好きっていうのを突き詰めていくのは素敵なことだと後押ししてくれる、創作活動に励んでいる人であれば必ず刺さる青春劇。
漫画は“読む”だけじゃなく“描く”ことも出来ると知った女子高生が、かけがえのない仲間や大好きな漫画を描いていた先生とともに、漫画を創作することで成長していく。
前作『金剛寺さんは面倒臭い』は、好き放題描いたため、もう少しわかりやすい題材を探していたところ、『ゲッサン』の編集長から出身地を舞台にしたらどうかと発案されたことがきっかけでイメージがどんどん膨らんでいった。同時期に『スピリッツ』にて、『ロストワールド』という本作の前日譚が掲載された。『ロストワールド』は当初読み切りだったものの、現在は『これ描いて死ね』内のエピソードとして掲載されている。
少女同士の友情を意識するために男性のキャラクターは基本モブ。
『これ描いて死ね』というタイトルには、「死んでも悔いのないような作品にするために全力で描けよ」という意味が込められている。
2023年(令和5年)3月に、「マンガ大賞2023」で大賞を受賞したことで話題を呼んだ。
略称は「これ死ね」。
あらすじ
東京から120キロメートル南方の離島、伊豆王島に住む漫画好きの女子高生・安海相は、先生の手島零から「漫画なんてなんにもならない」「時間の浪費、無駄」「端的に言えば全て嘘」と説教を喰らった後、自分にとってのバイブルである『ロボ太とポコ太』を描いた☆野0がコミティアに出展することを知り、国際展示場まで向かう。
そこで☆野0の正体が漫画をボロクソに言っていた手島その人だと知るなど様々な衝撃を受け、漫画創作に興味津々となった安海は、友人の赤福幸と美術部員の藤森心を仲間に引き入れ、地方公務員の副業という弱みに付け込まれた手島を顧問に漫画研究会を設立。
「漫画が大好き」という気持ちを武器に、様々な出会いを通し自分の“まんが道”を歩み始める。
主な登場人物
漫画研究会
安海相
漫画が大好きな高校一年生。好きなものを素直に好きと言える実直な性格。あだ名は「ヤスミン」。漫研においては自由な感性で原作を描く。好きな漫画家は☆野0。
手島零
かつて「☆野0」のペンネームでプロの漫画家として活動していた堅物な国語教師。前日譚である『ロストワールド』の主人公。漫研の顧問を務めるが、その際、プロ漫画家の厳しさを知るゆえ「漫画はあくまで趣味の範囲に収めること」という条件を出す。
赤福幸
相の同級生。俺っ娘。家にクーラーがないため快適な部室を求め漫研の面子に。安海に漫研創設を促した張本人。実家は土産物屋。安海漫研においては傲慢な読者の目線で率直な感想を伝え作品のブラッシュアップを促す。好きな漫画家は藤田和日郎。
藤森心
相の同級生。内気な性格。美術部員でもあることから絵がうまい。実家は老舗旅館を営んでいるが母親とは上手くいっていない。漫研においては安海の原作を理性的な判断で再構築しつつ絵を入れる。好きな漫画家は諸星大二郎。
石龍光
「ストーンドラゴン」のペンネームで活動する大人気の同人漫画家。レズッ気のあるボクッ娘。妙な時期に東京本土から転校してきた。相たちと同学年だが留年している[1]ため年齢は一つ上。不健康そうな眼付が見る人に冷たそうな印象を与えるがその実好奇心と感受性が強いため、心を開いた人物には人懐っこく接する。ただし、人との距離感をうまく図れず傷つけてしまうことも。
その他
ポコ太
漫画『ロボ太とポコ太』の作中に登場するタヌキ型のロボット。友達がいなかった子供のころの相のもとにイマジナリーフレンドとして現れ、以後、折に触れては助言を与える。
寺村七
怪しげな貸本屋の店主。倉庫代わりにしていた部屋を漫研に貸してくれる。手島とは旧知の仲。
へびちか
人気漫画家をしている光の母親。感覚派の天才で、シリーズ累計数百万部発行の大人気作品『スイートへびいちご』は手島が漫画家を志すきっかけとなった作品でもある。
用語
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関連項目
脚注
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