ご都合主義(ごつごうしゅぎ)とは、立場や主張に一貫性が無くその場その場で都合よく態度を変えることなどを意味する。単純に自分の都合のいいようにしか行動しない人も指す時もある。
概要
一般的にご都合主義と言えば基本的には、一貫性のない人や物事を非難する意味で使われる言葉である。
またそこから創作作品にもわりと非難・批判・呆れ等の意味を込めてご都合主義という言葉がよく使われる。
ご都合主義(創作作品)
漫画やアニメや映画といった創作作品上でご都合主義と言われるのは、作者・製作者の都合のいいような展開を事前の伏線などを張らずにいきなり発生させ物語を進めることを指す。
ご都合主義の例としては
などが挙げられ、主に劇中の主観となる登場人物に都合の良い展開を指して言われることが多い。
こうしたご都合主義展開が乱発されると、「危険に陥った主人公が毎回、偶然や奇跡、それまで語られなかった新パワーや突然現れた仲間、矛盾した物理法則などによって危機を脱して勝利するのはいいが、以前の話と辻褄が合わなくなっている」と言うような話になってしまう。
また、それら正の側面とは逆に鬱展開や猟奇描写の乱用やそのためのあからさまな設定・展開、とにかく主役が不利な流れに追い込まれたりするなど負の側面においてもまたご都合主義と呼ぶ手法は存在し、負のご都合主義と言われたりすることもあるが、元々人を選ぶ種類の手法が多いこともあってか比較的ご都合主義とは扱われにくい。
以上のような手法を多様すると作品全体の整合性がなくなってしまい、作者の構成能力が低いとして批判の対象になりやすい。
しかし、このようなことが絶対に悪いかと言うとそうとも言えない。
例えば、キン肉マンやドラゴンボールのようなバトル中心の作品なら作品の整合性より個々の場面の熱い戦いや劇的な展開が優先され、恋愛系の作品なら心理描写やシチュエーションの作成やキャラの幸福が最重要であり、純粋なギャグマンガならそもそも整合性など糞食らえであり合理性を素粒子レベルまで破壊するという笑いの手法もあるため、それらの本懐を達するために必要な手法として使用され、人気を博する作品も多い。
あまりにも合理性や設定に拘りすぎると面白く無くなることもあると言うことは芥川龍之介も指摘している。
例外
以下もご都合主義であるといえるが、事後でなく事前に用意されることが多く、作品や物語の成立に不可欠な要素であるため、外野から突っ込まれることはあるが、ファン層からはむしろ肯定的に「お約束」として扱われることが多い。
定着したお約束を逆手にとって、裏をかいた意外な話を作ったり、お約束を設定的に補完して説得力を持たせるケースもある。(ヒーローが変身中に攻撃を受けないのは、実際には超高速で変身しているからなのだ、等)
- シリーズの探偵物で行く先々に殺人事件や誘拐事件が起こる
- ヒーロー物で変身の間に敵が攻撃せずに待っている
- スポーツ物で過剰に会話や思索が入る
- 外国人や宇宙人の設定なのに邦語で話す
- 大の大人が異常にハイテンションで玩具を扱う
- ロボット物における人型の巨大ロボットの存在
このお約束とは別に、物語の事後処理についてのご都合主義もある。
こちらは作品を問わず普遍的に見られるが、もう物語的な意味での決着は既についていることや、作者と視聴者にあるハッピーエンドのほうがいいという思いから叩かれることは少ない。
関連項目
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