さちかぜ(列車)単語

サチカゼ

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さちかぜとは、国鉄で運行されていた列車名である。

概要

1957年 7月に、人気絶頂だった当時唯一の東京～九州間の寝台特急だったあさかぜの増発分として東京～博多間に設定されたのがさちかぜの始まりである。当初は臨時列車として運行されていたが、実際は毎日運行されていた。10月には戦前の特急富士以来となる特急の長崎本線乗り入れを果たし、同時に定期列車に昇格している。

あさかぜの増発分として設定されていた事から東京～博多間では下りはあさかぜの30分後、上りはあさかぜの30分前に続行して運行されていた。また、一部の編成は広島駅と長崎駅で切り離していた。当時の数少ない特急であった為さちかぜの停車駅はかなり絞られていたのだが、変わった停車駅として上りのみだが長崎本線肥前大浦駅に停車していた事がある。これは上りさちかぜは長崎駅12:50発・肥前大浦駅14:15発・下りさちかぜは長崎駅15:40着というダイヤを組んでいた為、肥前大浦駅で上りさちかぜが下りさちかぜの行き違い待ちをしていたからである。

しかしあさかぜとさちかぜの名称が紛らわしく誤乗が耐えなかった事から、1958年の東京～鹿児島間の寝台特急はやぶさが設定された際に特急さちかぜも特急平和に名称変更されている。尚、特急平和も1959年の20系客車投入の際に特急さくらに名称変更されている。

へいわ・つばめ・はと・かもめ・あさかぜに続く戦後6番目に命名された特急列車であるというのに僅か1年半で消滅したさちかぜは、なんと北海道急行として復活する事となる。

札幌～旭川間の移動には本数の少ない特急列車より本数も多く料金の安い急行かむい等が主流であった。その速達便として設定されたのが急行さちかぜである。電車急行の711系を使用し札幌～旭川間をノンストップで結んでおり両駅間の所要時間は1時間39分程であった。その他の急行は最速で1時間51分であり、その頃の特急は両駅を最速で1時間42分で結んでいたので特急よりスピードの速い急行として有名であった。それどころか表定速度の85.5km/hは国鉄史上最速であり、当時の在来線特急最速の東北本線特急はつかり・ひばりの表定速度89.4km/hに準ずるレベルであった。

しかし急行であったさちかぜも特急に格上げされる事となったが、特急に使用する485系のヘッドマークに特急さちかぜの名称はあったものの、結局は特急いしかりとなったのでさちかぜの名称は廃止されてしまった。

廃止直前の運行形態

寝台特急さちかぜ

種別：(夜行)特急
運行区間：東京～長崎間
編成：旧型客車12両編成（広島駅と博多駅で2両ずつ切り離し）
1958年 10月1日に平和に改称

停車駅

駅名	東京駅	横浜駅	静岡駅	名古屋駅	京都駅	大阪駅	神戸駅	姫路駅	岡山駅	福山駅	広島駅	岩国駅	小郡駅	下関駅	門司駅	博多駅	佐賀駅	肥前大浦駅	諫早駅	長崎駅
下りさちかぜ	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●		●	●
上りさちかぜ	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●