しずるさんシリーズとは、上遠野浩平によるライトノベルシリーズである。初刊は富士見ミステリー文庫および富士見書房より刊行され、その後星海社文庫で再刊&新刊が出た。既刊4巻+外伝1巻。
概要
富士見書房「ドラゴンマガジン」の増刊「ファンタジアバトルロイヤル」で2001年から連載開始。書籍は富士見ミステリー文庫で2003年から刊行。基本的に1冊あたり4話収録の短編集。イラストは椋本夏夜。
富士見ミステリー文庫で3巻まで出たあと、2007年に「ファンタジアバトルロイヤル」が休刊となり中断。2009年春に富士見ミステリー文庫も終了してしまうが、同年夏に外伝『騎士は恋情の血を流す』が刊行されたのを機に「ドラゴンマガジン」に掲載誌を移して短編が掲載された。しかしそれらの未収録分は結局富士見書房からは刊行されなかった。
2013年から版元を星海社に移し、星海社文庫で富士ミス版の1~3巻が復刊。イラストは国道12号に変更され、かなり雰囲気が変わった。2014年に未収録分に書き下ろしを加えた4巻が刊行された。
しかしその後は星海社文庫が終了してしまい、また長らく中断している。
近年は集英社のアンソロジー等で散発的に新作が発表されているので、そのうち集英社から再び復活するかもしれない。
いわゆる「安楽椅子探偵」形式で、しずるさんとよーちゃんという二人の美少女が病院の一室で、血生臭い殺人事件を仲良く解決するお話。
かどちんに「女の子がキャッキャウフフする話」って材料出したら、猟奇殺人ってがエッセンス加わってたでござる。
短編の合間には、特に本筋と関係無い「はりねずみチクタのぼうけん」が語られる。
また、外伝『騎士は恋情の血を流す』は書き下ろし長編となっており「しずるさん~」の題を冠していない。内容もミステリーではなく『ブギーポップ』系の能力バトルもの。作者は本来「巳鑑巳花車シリーズ」として始めるつもりだった事が語られていたが、出版社側の意向でしずるさんシリーズに加えられてる事が伺える。
なお、本シリーズは上遠野浩平の「ブギーポップシリーズ」や、その他のシリーズと同じ世界観の物語となっている。
登場人物
- しずるさん
本名不明。年齢不明。原因不明の病気で、長い間入院している。「夜の闇」を思わせる黒髪ロングヘアーの美少女で、挿絵では巨乳。
性格はクールで沈着冷静だがよーちゃんにだけ優しい。 頭が良すぎる為に自分の事込みで達観してしまっていて、よーちゃん以外にはほぼ興味がないか、無関心。ブギーポップの方で起こってる幾つかの事件に気付いてる様子で、あまつさえ同シリーズのラスボスの行おうとした事すら知っていた節がある。
ある事件をきっかけに出会ったよーちゃんといつも病室でおしゃべりをしているが、話題がいつも猟奇殺人事件の解決法になっていったりする。それに怯えるよーちゃんを見るのも好き。
「すべての犯罪は『ごまかし』に過ぎない」が口癖で、その信念に基づいて猟奇的殺人の裏に潜む「ごまかし」を暴く。
また、しずるさんが入院している病院は、他シリーズでもたびたび舞台になるいわくつきの医療研究施設である。 - よーちゃん
本名不明だが恐らく姓は「東澱」と思われる(後述)。女子高生。 「太陽」のような明るさを持つ少女。挿絵では生足を見せる。
やたら元気という訳ではなく、場の雰囲気を和ませる意味で花のような子。しずるさんの病気の事を気にかけて頻繁にお見舞いに訪れる。しずるさんが元気になればと、彼女が興味を持ちそうな奇妙な事件の情報を持ってくるが、自身はその手の話題は苦手。運動能力は残念な感じで、水泳で後ろに進んでしまう脅威の泳法を披露する。
警察上層部に対して強い影響力をもつ祖父がおり、姓を名乗ればたいていの警察官は協力的になる。そのコネを活かして情報を収集したり、しずるさんの「解決」を警察捜査に反映させたりしている(別シリーズ作品内の描写から、それが財界に陰ながら君臨する一族『東澱』であり、よーちゃんはその傍系であることが仄めかされている)。
関連商品
富士見書房版
星海社版
関連項目
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