「せんべろ」とは、「千円でべろべろになるほど飲める店」の略である。
概要
この場合の「飲める」の対象は「酒」つまりアルコール飲料。「べろべろ」は深く酔っ払うときの擬態語。つまり「千円でしっかり酩酊できるくらい酒を飲ませてくれる、安価な居酒屋」などを表す言葉である。
「べろべろになるほど」と言う部分が個々人のアルコールへの強さに依存してしまう曖昧なところではあるが、「千円で誰もが酩酊できる」と言うほどまでかっちり定義してしまうと該当する店が殆ど皆無となってしまうので、実際のところは「千円でおつまみも合わせて何杯か酒が飲める」ならば「せんべろ」の範疇とされていることが多いらしい。
雑誌『オール讀物』に2001年から連載されていた「中島らもとせんべろ探偵が行く」という居酒屋探訪企画ものの読み物がこの言葉を広めたらしい。2003年には『せんべろ探偵が行く』とのタイトルで書籍化された。
また、この企画以前から中島らもは仲間内でこの言葉を使っていたとされ、1987年1月に出版されている書籍『中島らもの明るい悩み相談室』内に
言葉をハショるというのは我々でも通常あることで、「早弁」「ダラ幹」「ダンパ」などはよく口にします。僕のまわりでは「センベロ」というのを使いますが、これは「千円でベロベロになれる店」の略です。
といった記載があるという[1]。
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https://twitter.com/mami_tsukamura/status/1006528167178375169
ちなみにこのカタカナの「センベロ」が上記の「中島らもとせんべろ探偵が行く」において「せんべろ」とひらがな表記に改められているのは、同連載の著者(中島らもとの共著扱い)である編集者小堀純が中島らもの了承のもとに決めたことであるとのこと[2]。
2002年に出版された特選版文庫『中島らもの特選明るい悩み相談室』では、上記のくだりの「センベロ」の部分は「せんべろ」というひらがな表記に改められている[3]。
中島らもは2004年7月26日に亡くなったが、7月26日を「せんべろ忌」などと呼んで彼を偲んで乾杯する人もいるようだ。
元々は「店」を指す言葉だったようだが、有名な言葉として広まるにつれて、「せんべろセット」などと称して数杯の酒とおつまみをセットにした「メニュー」を用意している居酒屋なども出てきた。
さらには自宅で飲酒する際に「居酒屋気分を楽しむ」ための家電として「せんべろメーカー」と名付けた商品が登場するなど、「せんべろ」の指す意味合いは「安価な居酒屋で楽しく飲む」程度にまで拡散しているようだ。
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関連項目
脚注
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