そだてやとは、『ポケットモンスター』シリーズに登場する施設である。
漢字表記で「育て屋」、さんがついて「そだてやさん」「育て屋さん」と呼ばれたりもする。
この記事ではそだてやと、そだてやと密接な関係を持つポケモンのタマゴについて説明する。
概要
パルデア地方以外の各地方に一つ以上存在する施設。
ポケモンを預けることができ、その間に主人公が移動した歩数1歩につき1ずつ経験値が入るようになる。
経験値がたまると通常と同様に自動的にレベルアップしていく。進化はせず、努力値は入らない。
技は下から入れて上から忘れていくので長くなりそうなときは並べ替えておいたほうがよい。
預けるときは無料で、預けたポケモンを引き取る時(預けている間に上昇したLV×100)+100円かかる。
また、預けているポケモンの組み合わせによっては、ポケモンのタマゴができることがある。
こっちのほうでお世話になる場合が多く、後述の遺伝技の関係で経験値が入るのが寧ろ困るという場合も多い。
ポケモンのタマゴ
『金・銀』から登場したシステムで、特定の条件を満たすポケモン♂と♀を預けるとポケモンのタマゴが発見される事があり、しばらくすると孵化してポケモンが生まれるというシステムである。これによって伝説以外のポケモンを自由に増やせるようになったことで交換等がしやすくなった。また、どの子もLv5(第四世代以降はLv1)から育成できるようになった。
同時に、技や個体値の遺伝等の廃人仕様の基礎も同時に出来上がった形になる。
ポケモンのタマゴはマナフィ以外全部同じ姿のタマゴで、未だに生んでいる所が発見されていないことから
金・銀が出た当時の攻略本には「ポケモンはタマゴを生んでいるのではなく拾ってくるのではないか、或いはタマゴは卵というより巣のようなものなのではないか」という仮説が記載されていた。ゲーム的に言えば、タマゴや技の遺伝という概念、また幅広く異種交配でき何でもタマゴから生まれてくるという考え方はドラゴンクエストモンスターズからの逆輸入の可能性も多少考えられる。
あまりにタマゴを作るほうの用途が増えすぎたため、「育て屋=ポケモンがコトに及ぶところ」という話がそっち方面以外からも出る場合があるが、タマゴの正体すらはっきりしないため真相はいまだに闇の中である。(XYのヒヨクシティでは、タマゴではなくポケモンのゆりかごらしいと話す老人がいる)
ポケモンの相性
ポケモン2匹を預けて、そだてやのすぐ近くにいる人に話しかけると、預けている2匹のポケモンの相性を聞くことができる。
そのとき2匹の仲を以下の4段階で教えてくれる。(世代によって若干セリフ回しが異なる)
- 「とっても よい」(2匹のポケモンの種類が同じで親のIDが違う)
- 「まずまず」(2匹のポケモンの種類が同じで親のIDが同じor2匹のポケモンの種類が違い親のIDが違う)
- 「それほど よくない」(2匹のポケモンの種類が違い親のIDが同じ)
- 「それぞれ ちがうポケモンと あそんでいる」(タマゴができる条件を満たしていない)
と、
このとき、「それぞれ ちがう~」以外の台詞だとポケモンのタマゴができるようになるが確率は違う(上から順に高い)。
タマゴグループ
前述しているとおり、特定のポケモン2匹をそだてやに預けるとポケモンのタマゴができる。
タマゴができる組み合わせは、ポケモンのタマゴグループというものが関係している。
タマゴグループは「りくじょう」「ひとがた」「ふていけい」などポケモン毎に個別に1~2種類設定されており
同じグループを含むポケモンの♂と♀を預ければ、ポケモンのタマゴができる。
タマゴグループ一覧表はこちら(外部サイト)を参照。
タマゴから生まれたポケモンについて
タマゴから生まれるポケモンは基本、タマゴができた時に預けていた♀のポケモン、またはその進化前のポケモンとなる。
(例:サイドン♀ならサイホーン、ウツボット♀ならマダツボミ、コダック♀ならコダック)
例外としてメタモンの場合、タマゴグループが「みはっけん」及び「メタモン」(第二世代除く)以外のポケモン(性別は♂でも♀でも不明でもOK)と一緒に預ければ、一緒に預けたポケモン、またはその進化前のポケモンとなる。
タマゴから生まれたたポケモンは、野生のポケモンと違い以下の特徴がある。
- 最初からある程度懐いている。
- 生まれたポケモンの個体値が、預けていた♂と♀のポケモンそれぞれの個体値と最大で3つまで同じになる。
そのため、競走馬よろしく何世代か孵化させていくと高個体値をだんだん寄せ集めていく事ができる。 - 預けていた♂と♀のポケモンが覚えていて、タマゴから生まれるポケモンもLVアップで覚えられる技を覚えている。
- 預けていた♂のポケモンが覚えていて、タマゴから生まれるポケモンが技マシンで覚えられる技を覚えている。(第6世代では覚えなくなった)
- 預けていた♂のポケモンが覚えていて、タマゴから生まれるポケモンがタマゴ技(後述で説明)として覚えられる技を覚えている。
- 預けていた♀のポケモンと同じ特性になりやすい。
- 預けていた♀のポケモンがマスター、プレシャス以外のボールに入っていた場合、生まれたポケモンのボールは♀と同じ種類になる。(第6世代より)
- GTSで交換した外国のポケモンをそだてやに預けてできたタマゴから孵ったポケモンが、色違いになりやすい(俗に国際孵化と呼ばれる)。
タマゴから孵るのに必要な歩数(孵化歩数)は、ポケモンによって様々。
約2500~4000歩で生まれるポケモンもいれば、約5000歩、果てには9000歩かかるポケモンもいる。
タマゴ技
前述の通り、預けていた♂のポケモンが覚えていればタマゴから生まれるポケモンが技として覚えている技のこと。
遺伝技とも呼ばれる。例に出せばガーディは「インファイト」等がタマゴ技として設定されている。
第6世代から♀のポケモンからでも遺伝でき、今まで同時遺伝不可能だった技の組み合わせも可能になった。
タマゴ技は原則としてそのポケモンがLvアップ及び技マシンで覚えない技なので、前述のタマゴグループを活用して他のポケモンから持ってくる必要がある。先ほどのガーディを使って説明すると、こういう流れになる。
- ガーディのタマゴグループを確認する。
- 確認したら、同じタマゴグループで「インファイト」を覚えるポケモンを探す。
- 「インファイト」を覚えた2で探したポケモンの♂と、ガーディ♀又はウィンデイ♀をそだてやに預ける。
- できたタマゴを孵化させる。
こうして、タマゴ技の「インファイト」を覚えたガーディが生まれることになる。
尚、♂がその時点で技を覚えているかのみが問題なので、わざマシンなどどのような経緯で覚えても遺伝する。
例えば、一回「インファイト」を覚えたガーディ♂が生まれれば、それを親すれば子に遺伝する。
例外として、LVアップで覚える技をタマゴ技として覚えられるポケモンもいる。
そうした技はそのポケモンにとって、かなりのLVでないと習得できないのが多かったりする。
例えばガーディなら、LV45で覚える「かみくだく」、LV51で覚える「ねっぷう」、LV56で覚える「フレアドライブ」がタマゴ技として設定されている。
そだてや利用のお供
以上の事から、対戦用のポケモンを育成する際、このそだてやがなくてはならない施設となっている。
この項目では、そだてやを利用する際に役立つ道具等を紹介する。
- パワーウエイト、パワーリスト、パワーベルト、パワーレンズ、パワーバンド、パワーアンクル(道具)
持たせたポケモンをそだてやに預け、生まれたポケモンの個体値が、必ず持たせたポケモンと同じになる。
対応する個体値は、ウエイトがHP、リストが攻撃、ベルトが防御、レンズが特攻、バンドが特防、アンクルが素早さとなっている。
因みに、預けているポケモン2匹に持たせた場合、♂の個体値しか同じにならない。 - かわらずのいし(道具)
持たせたポケモンをそだてやに預け、生まれたポケモンの性格が、50%の確率で持たせたポケモンと同じになる。
第五世代の『ブラック2・ホワイト2』以降は遺伝する確率が100%になった。 - あかいいと(道具)
第六世代より、持たせると預けた2匹のポケモンから5つの個体値を遺伝するようになる強力な効果が追加された。パワー系のアイテム涙目 - じてんしゃ(大切な道具)
普通に走るより孵化歩数を大幅に稼げる。 - ケンタロスラッシュ(ライドポケモン)
サン・ムーンで登場。自転車の代わりに歩数を大幅に稼げる。 - まるいおまもり(大切な道具)
ブラック2、ホワイト2から登場。持っているだけでいつも以上にタマゴが見つかりやすくなる。非常に重宝するが入手条件が「その地方のポケモン図鑑(BW2はイッシュ図鑑、XYはセントラル・コースト・マウンテンのカロス図鑑三種、ORASはホウエン図鑑)の完成」と非常に厳しい。(XYとORASでは見つけた数を参照するため捕まえる必要はなく、幻のポケモンなど一部例外も存在する。)サン・ムーンでは一度殿堂入りしてゲームフリークのとある人と対戦して勝つともらえるという割と簡単に手に入る条件になった。 - マグマのよろい、ほのおのからだ、じょうききかん(特性)
手持ちに連れていると、1歩歩くことでタマゴの孵化歩数が2貯まる。
マグマのよろいはマグマッグやバグーダ等、ほのおのからだはブーバーやウルガモス等、じょうききかんはセキタンザンが所持している。
特にウルガモスやファイアローは空を飛ぶを覚えるため移動用としても使いやすく、バトルでもそこそこ強いため初心者から廃人まで多くのユーザーが愛用している。 - ジャッジ(人物)
ポケモンの個体値を判定してくれる人。 タマゴから生まれたポケモンはまずこの人のジャッジを受けるのが厳選の流れである。初登場時は最高の力を持っている(いわゆる個体値V)能力値を何回もジャッジしてもらわないと分からなかったが、一度で複数の個体値Vをジャッジできるようになったり、最も低い能力値(個体値逆V)もジャッジできるようになったりとだんだんジャッジの精度が上がっている。サン・ムーンでは特定の条件を満たすことでパソコン上からジャッジができる機能が追加された。なお、タマゴはジャッジできない。
そだてやの歴史
第一世代
ハナダシティとヤマブキシティの間にある5番道路で経営。
当時は預けられるポケモンは1匹のみだったため、タマゴはまだ存在してなかった。
第二世代
コガネシティとウバメの森の間にある34番道路で経営。
ポケモンを2匹預けれるようになり、タマゴも登場。
ピチューやブビィ等、タマゴでしか入手できないポケモンも登場した。
第三世代
『ルビー・サファイア』『エメラルド』ではキンセツシティとシダケタウンの間にある117番道路で、
『ファイアレッド・リーフグリーン』では第一世代と同様の5番道路と殿堂入り後に行ける4の島で経営。ただし5番道路のそだてやは1匹しか育てられないため、タマゴを作ることができるのは4の島のそだてやのみである。
預けるポケモンに「○○のおこう」を持たせ、できたタマゴを孵化させることが入手条件の一つとなっているソーナノやルリリが登場した。
この頃から(厳密にはエメラルドから)そだてやの近くに長い一本道ができるようになった(いわゆる廃人ロード)。
第四世代
『ダイヤモンド・パール』『プラチナ』ではズイタウンで、『ハートゴールド・ソウルシルバー』では第二世代と同じ34番道路経営。
前述の親に持たせると孵化に役立つ道具が大幅に増えた。ポケッチではそだてやに預けたポケモンの様子が見られるアプリがあり、タマゴができたかどうかをチェックすることができる。
また、ハートゴールド・ソウルシルバーではタマゴができるとそだてやじいさんからポケギアに連絡が来るようになったほか、
ひそかにそだてやの玄関が自動ドアになったりと、廃人たちのおかげなのか羽振りのよさが伺える。
余談だが『大乱闘スマッシュブラザーズX』にはシンオウ地方の廃人ロードである「209番道路」のBGMが収録されており、スマブラのプレイ中にも厳選中の思い出が甦る人もいたとか。
第五世代
サンヨウシティとシッポウシティの間にある3番道路の保育園で保育園の隣で経営。
今まではタマゴができた時、外にいるそだてやじいさんが一歩前に進んだり、向いている方向が変わったりしたりして確認できたが、今回はタマゴができた場合、じいさんが大声で呼んでくれる。ただしじいさんと同じ直線上にいなければならず、遠隔では確認できないので第四世代のように遠出は出来ない。
この頃からゲーム中でも厳選行為がネタにされるようになってくる。
第六世代
『X・Y』ではコボクタウンと地つなぎの洞穴の間にある7番道路で経営。今回のそだてやは老夫婦ではなく、若い夫婦で経営されている。
本作からタマゴ技が♂♀問わず遺伝したり、♂or性別不明の隠れ特性持ちポケモンとメタモンの組み合わせでも隠れ特性が遺伝するのに加え、前述のあかいいとの効果もあって厳選作業が従来の作品と比べ大幅にスムーズになった。ただし第五世代と違い、タマゴができても外の旦那さんはこちらを振り向くだけで教えてはくれず、第四世代以前の仕様に戻った。
ちなみに7番道路の近くには手軽にお金を稼げるバトルシャトーと、バトルで役立つきのみを栽培できる畑が存在し、コボクタウンにはニックネームを変えられる姓名判断師が、そだてや手前の草むらにはりくじょうグループのタマゴ技を覚えさせるのに欠かせないドーブルが出現する。
『オメガルビー・アルファサファイア』ではリメイク前と同じく117番道路にそだてやが存在するが、キンセツシティが大改造された影響で廃人ロードが潰れてしまい、リメイク前より効率が落ちてしまっている。
その代わりなのか、バトルリゾートにもう一軒「ポケモンそだてや あねっくす」が新たに存在する。このそだてやはなんと幼い少年少女の姉弟で経営されている。ロリコンとショタコンのお前ら大歓喜。
バトルリゾートの廃人ロードは島を一周するような形になっており、十字ボタンの上を押し続けるだけで止まることなく歩数が稼げる。さらにバトルリゾートのポケモンセンターには個体値を判定してくれるジャッジの人もおり、バトルリゾート内で厳選行為が完結してしまうという廃人にとっては夢の楽園が実現している。
第七世代
アーカラ島のオハナ牧場付近にポケモン預かり屋として登場。従来のように経験値を与えて育てることをしないため、レベルアップして勝手に技を覚えるといったことがなくなった。料金は一律500円。(従来のそだてやの機能はポケリゾートで実施可能)
預かり屋付近には例によって廃人ロードとして活用してくださいと言わんばかりの直線が用意されているが、それよりも預かり屋の正面にあるくぼみの中に入り込み、ケンタロスラッシュでグルグル回った方が効率が良いため、もっぱら預かり屋正面でケンタロスに乗りながらグルグル回る人たちが多数目撃されている。
また今作から手持ちが6匹の際に新たに手持ちが増えた時にどのポケモンをパソコンに預けるか選択することができるが、その関係で手持ちがいっぱいの状態でもタマゴを受け取ることができるようになった。
第八世代
『ソード・シールド』では5番道路、そしてワイルドエリアの二か所に「ポケモン預かり屋」として登場。5番道路にある預かり屋は恒例の真横にまっすぐ伸びた直進道路があり、ワイルドエリアでは視点移動を活用したその場グルグルなどの孵化歩数稼ぎに適している。
タマゴを受け取る時のセリフが今までより少し短くなり、より効率的にタマゴを受け取ることができるようになった。
『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』では、「預かり屋」になって経験値が入らなくなった以外は、『ダイヤモンド・パール』とだいたい同じ。
第九世代
『スカーレット・バイオレット』には育て屋も預かり屋も無い。タマゴは「ピクニック」中に従来のタマゴが見つかる条件に合致する手持ちポケモンがいる場合に、時間経過で見つかる。
タマゴが見つかる条件を3匹以上で満たす場合、複数の組み合わせで見つかる場合もあるが、かわらずのいしなどの道具を持たせたポケモンは組み合わせにおいて優先される。
関連項目
- 2
- 0pt