そろばん(ソロバン・算盤・十露盤)とは、デジタル計算機の一つである。そろばんを使った計算を珠算という。
曖昧さ回避
概要
古代のバビロニアや中国でその痕跡が発見されているように、計算を行うための機器として古くから用いられてきた。日本にそろばんが伝わったのは室町時代の頃、中国から「算盤(スワンバン)」の名で伝わり、その後スワンバンがそろばんに変化したといわれている。
現在使われているそろばんの形状は、木で出来た枠に珠と芯が組み合わされたものである。その芯が数字の桁を表しており、よく使われるのは23桁(本)である。珠は一つの芯に五個通され、横に伸びる梁をはさんで上部(天)に1つ、下部(地)に4つに分けられている。梁側に動かした珠の数が数字を示し、上の珠は一つで5、下の珠で0~4、また上下の珠の位置で0~9の値を表している。
かつての言語には(表記上の)「0」がないことが普通であり、声に出したり表記する場合に桁を表現する特別な数詞(万とか億とか)や各桁に対応した数字(I,V,X,C,Mなど)を用いる言語がほとんどであったが、そろばんでは0を表現することができたので各桁に特別な記号が割り振られていない。これは現在のアラビア数字での表記法と同じであるが、非常に長い間人間はそろばんで表現されている「0」に気付いていなかったということである。
天1地4のこの形は1935年からのものであり、そこに到るまでは天2地5、天1地5という変遷を辿っている。これは昔の単位が(12個で1ダースのように)中途半端な数で繰り上がることがあったためである。一桁の表せる数を10以上にすることで繰り上がりを保留し、上位の単位になったときに繰り上がりをすることができた。余計な珠を使わなければ普通の計算もできる。
しかし、時代が進むにつれ単位の計算が10進法に統一されていき、他の単位で計算をする必要が少なくなっていった。現在の配置は不要になった珠を減らし十進法での計算に最適化されたものである。
そろばんは電卓やパソコンの普及により計算機としての座を追いやられてしまったが、近年では指先を使う計算が計算力を高めるとして、教具としての評価が高まっている。日本の産地は2箇所、島根県と兵庫県小野市であり、前者は雲州そろばん、後者は播州そろばんと呼ばれている。
「パチパチ」と弾く音から、8月8日はそろばんの日とされている。
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関連項目
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