(たいと、だいと、おとど)とは、現在確認されている中では最も画数の多い漢字である。ぶっちゃけ幽霊文字に近い。
概要
「たいと」:字形(1) |
「だいと」「おとど」:字形(2) |
総画数84画という大変画数の多い漢字であり、部首は・・・なんだろう。雨冠っぽいってウィキペさんは言ってた。
日本人の苗字として使われるらしく、数種の姓氏辞典に掲載されており、(1)の字形で「たいと」と読ませている。大野史朗・藤田豊編「難読姓氏辞典」でのみ、(2)の字形で「だいと、おとど」と読ませると掲載されている。
䨺(雲を森、轟のように3つ並べた字 「たい」と読み、雲の様子を表す)と、龘(龍を3つ並べた字 「とう」と読み、龍の動くさまを表す)を併せた合字と見られるが、詳しいことは何も分からない(䨺「たい」と龘「とう」を併せた文字の為「たいと」と読むことは分かる)。
前述通り「難読姓氏辞典」のみ「だいと、おとど」と掲載されているが、「だいと」の読みはともかく「おとど」の読みがどこから出てきたのか全く未詳である(貴人の敬称である大臣(おとど)と関係があるか)。
大須賀鶴彦著「実用姓氏辞典」が初出と見られるが、それ以前の出典は全く不明であり、まさしく幻の苗字、漢字となっている。某生命保険会社にこの苗字の人物が現れ名刺を置いていったという都市伝説もあるが、噂の域を出ない。
国語学者の笹原宏之は、は苗字ではなく、䨺龘(たいとう)という名前だったのではという説を唱えた(明治の政治家、小野梓の幼名が𪚥一(てついち)であった。(𪚥一の𪚥は、龍を叕のように四つ組み合わせたもの))。それが1字だと誤解されたというものだが、どちらにしろ詳しいことは全く不明である。
Unicodeへの追加
そんなだが、2020年3月10日にUnicode 13.0から(2)の字形でUnicodeに正式に追加された。コードポイントはU+3106C。誰得さすがUnicodeである。
フォントが対応していればお使いのPCやスマホで表示できる(オープンソースフォント「源ノ角ゴシック」などが対応している[1])。
余談だが、Unicode 13.0では宮沢賢治が『岩手軽便鉄道の一月』[2]という作品で用いた造字で鏡が4つ並んだ76画の「𰽔(U+30F54)」や、中国の麺類・ビャンビャン麺の表記に使われる58画の「𰻝(U+30EDD、簡体字)」・「𰻝(U+30EDE、繁体字)」も追加されている。
関連商品
(たいと)を紹介する書籍の数々。初出の大須賀鶴彦著「実用姓氏辞典」はニコニコ市場になかった。
少数ながら、この難解な名字を題材に持つ作品も存在している。
関連リンク
関連項目
脚注
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