だいらんどとは、「がぁさん」によるファンタジー漫画作品である。
概要
少年画報社の青年向け漫画雑誌『YOUNGKING OURS(ヤングキングアワーズ)』に連載された作品。1998年8月号から1999年9月号にかけて全14話が掲載され、完結した。
全1巻のコミックスも大都社の「ハードコミックス」レーベルから1999年にリリースされている(大都社は少年画報社の系列会社)。作者「がぁさん」のコミックスとしては9冊目であるとのこと。「がぁさん」はコミックスのあとがきにて、作家が普通なかなか巡り合わない「本当にやりたいネタ」をやれる機会を与えてもらった作品であると語っている。
しかし「やりたいネタ」が「売れるネタ」と重なるものかと言えばそうでもなかったようで、この紙媒体のコミックスは初版1万部がはけないままにそのまま絶版となってしまった。
しかし「知る人ぞ知る名作」といった扱いとなったようで、古本の価格が高騰気味となっていた。そのことに気付いた「がぁさん」は、絶版漫画を無料公開するウェブサイト「Jコミ」(その後「マンガ図書館Z」にサイト名変更)にて2012年に公開を開始した。
あまり知名度は無いはずの作品だったが、口コミで広まることで時折急に閲覧数が伸びることが何度も続き、2019年12月時点で閲覧回数70万回を突破したという。
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本作の主な舞台である世界「だいらんど」は、「オズの魔法使い」「青い鳥」「不思議の国のアリス」など、「がぁさん」が幼い頃に触れた様々な童話がベースとなっているという。しかし「がぁさん」が子供の頃から特に好きだったのは「トンカチと花将軍」「ぽっぺん先生の日曜日」などの、作家「舟崎克彦」によるシュールでリアルでファンタスティックな童話の数々であったとのこと。本作もそういった雰囲気がベースにあるようだ。
ストーリー
主人公「正雄」はヤクザだが、36歳にもなって競馬のノミ行為や事務所の電話番などをさせられているなどヤクザとしてもうだつの上がらないチンピラ。
そんな正雄を見とがめたヤクザの上役は正雄に拳銃を渡し、鉄砲玉(敵対ヤクザの幹部を殺しにいくヒットマン)となって刑務所からの出所後に幹部となるか、破門されてヤクザをやめるかを選ばせる。
拳銃を受け取り鉄砲玉を実行しようとした正雄だが……敵対ヤクザたちの幹部の目の前まで駆け寄ったところで見事にすっころび、大失敗してしまう。
夜の裏通りで追手に追い詰められて絶体絶命となった次の瞬間……正雄は花畑の中に立っていた。
しかも花には顔が付いており、正雄に話しかけてくる。さらに現れた謎のピエロ人形は、そこが「だいらんど」という名前の場所であると説明し、正雄を歓迎すると言うのだった。
異常な展開に混乱しつつも、メルヘンチックな「だいらんど」に我慢がならない正雄は、笑顔と善意であふれてむせかえりそうなこの場所から抜け出して元の世界に還るべく、「だいらんど」内のさまざまな国を巡っていくのだった。
そうか…… これもオズの魔法使いか!!
オズの魔法使いの正体は……
メルヘンが嫌いみたいなこと言ってるくせに童話に詳しいなこのヤクザ……。
ちなみに、そのことに関する背景も作中で示唆されている。
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関連項目
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- ページ番号: 5592225
- リビジョン番号: 2804781
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