つり革JK(ゼンちゃんツーちゃん)とは、アニメ「ゼンちゃんツーちゃん」に登場する、「横断歩道の上空から吊り下げられたつり革」に掴まる「セーラー服を着た女性キャラクター」の通称である。
何言ってんだこいつ
「星の子ポロン」などで知られる時報映画社によって製作された交通教育アニメ「ゼンちゃんツーちゃん」(1971年発売の16ミリフィルム版)に収録された全6本のエピソードのうち、5本目「よそみをせずに歩きましょう」に登場する。
「ゼンちゃんツーちゃん」とは、主人公である「ゼンちゃん」または「ツーちゃん」が不思議な呪文やアイデアを駆使して、身近な交通トラブルを解決に導く短編アニメ作品である。詳しくは当該記事を参照いただきたい。この5本目のエピソードにおいても基本的な構成は変わらない。なお、本エピソードはツーちゃんのみ登場する。
本エピソードの舞台は横断歩道。ツーちゃんは横断歩道を渡る際によそ見をしてしまう子どもや、早く渡ろうとしてつまづいてしまうおばあちゃんを目撃。更に鬼ごっこをする子ども達も現れ、ツーちゃんは「このままでは交通事故を起こしてしまう」と不安がる。ここでツーちゃんは名案を閃く。
「電車のつり輪に捕まれば、ぐずぐずしたりよそ見をしないで横断歩道を渡れるわ!」
ツーちゃんが「交通局のおじさん」にお願いすると、横断歩道の上空から無数のつり輪がぶら下がってきた。 皆がつり輪に捕まる事で、子どももお年寄りも安全に横断歩道を渡ることが出来るようになった。画面上ではつり輪に掴まる子どもやお年寄りの様子を描いたアニメーションが左から右へとスライドしていくが、この時右端に数秒映ったセーラー服の女性(モブキャラ)が「つり革JK」と呼ばれているキャラクターである。
作品中には特に名前のクレジットも台詞も無い。また、作中で使われた単語は「つり輪」であり「つり革」ではないし、作中で女子高生だと分かる表現も無い。
つり革JKが知られていった経緯
「ゼンちゃんツーちゃん」という作品の存在そのものは、幻のカルトアニメ「星の子ポロン」および制作会社である「時報映画社」の調査を行う過程で判明した。
視聴が大変困難な作品であったが、2016年、所有者のご厚意によりカルトアニメ愛好家であるkoichil氏、ケフィア氏が作品鑑賞の機会を得る。実際の映像の公開は不可能であったが、鑑賞時のメモを公開する許諾を得ていたことから、オープニングの大まかな再現映像や作品詳細などが公開された。
当時のブロマガ(↑)に「ケフィアさん曰く中にいたジト目のおとなしそうなJKが可愛い。」とある通り、ケフィア氏が初回視聴時にこのモブキャラクターを発見し、「一瞬だけ出てくるつり革JKが可愛い」とSNSで紹介を行うとともに、「つり革JK」と勝手に命名した(しかも勝手に女子高生に設定)。なお、初回視聴時にケフィア氏はゼンちゃん達の模写はしていたものの、つり革JKの模写はしていなかったので、当時よく見かけられた「ケフィア氏がうろ覚えで描いたものを参考にした」つり革JKのイメージは実際の姿からはかけ離れたものが多かった。また同席していたkoichil氏はこの時わざわざモブキャラなんぞ注視していなかったことからつり革JKについては覚えておらず、半ば都市伝説状態であった。
しかし翌年状況は一変する。2017年、「第1回時報映画作品研究会」が開かれ、およそ40名あまりが参加。このイベントでは参考上映として本作の上映が行われた。これにより、今まで「どこでつり革JKが登場するか」教え込まれていた視聴者が問題のシーンを固唾を飲んで見守る事となる。そして遂に大勢の参加者の前に顔を現した「つり革JK」を前に、参加者からは思わず「あっ…!」と声が漏れた。本作の参考上映は数回行われ、この時の参加者のメモによって、遂につり革JKの本当の姿を持ち帰る事に成功したのであった。存在が知られてから1年越しの出来事であった。
このイベント以降、インターネット上に公式絵が存在しないにも関わらず、つり革JKが登場するイラストや動画が盛んに投稿されている。いや本当になにこれ。
つり革JKを見るには
公式映像を見に行く
これらの情報は、各地に所蔵されている16ミリフィルム「ゼンちゃんツーちゃん」の映像から得た情報が大元である。フィルムを見に行くのが何より手っ取り早いが、文化財保護の観点から手続きなどの難易度が高く、そう気軽に観れるものではない事をご注意いただきたい。
また、この作品に限らないがフィルムというものは物理的な劣化が起きやすい。
フィルムを上映するという事は、そのフィルムへさらに負荷をかける事となるためそういった点でも昔の映像の閲覧が本来は難しい事がわかる。
録画映像を発掘する
「ゼンちゃんツーちゃん」という作品は、当時発売された16ミリフィルムのほかに、日本テレビ系列ほかで1969年より放送された同名のテレビアニメが存在する。つり革回が放送されたかなど細かい関連性は不明だが、「星の子ポロン」と同様に録画映像を発掘すればいつでも公式つり革JKを拝むことが出来る。しかし、本アニメは1980年代以降の再放送の形跡が見つかっておらず、そもそも録画映像を個人が所有している可能性は限りなく低いと言えるだろう。
再現映像を観る
これまで上映された際にメモした情報から、2018年より「再現版ゼンちゃんツーちゃん」シリーズが制作されている。2020年7月4日、遂につり革JKが登場する5本目が投稿され、実質つり革JK登場シーンを毎日拝むことが可能となった。
関連動画
↑3:52位につり革JK出演
関連静画
↑ルミ子の上
関連商品
関連コミュニティ
よくある質問
- Q.これ「(ゼンちゃんツーちゃん)」って付けないと競合する様な物とかあるんですかね…?
関連リンク
関連項目
- つり革
- JK
- ゼンちゃんツーちゃん
- 時報映画社
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