てめえとは、一人称または二人称の代名詞である。現在では、二人称の意味で使われることが多い。
概要
「てめえ」は、「手前」(てまえ)をべらんめぇ調に言ったものである。「手前」は「私」と言うところをへりくだって相手に対する立ち位置で表現した語であるので、本来の用法では敬意表現(謙譲)である。
例:「すいやせん兄貴、てめえの力では、どうにもなりやせん。」
ところが、時代を経て、相手側から見て手前、つまり相手自身を指す用法が一般的になった。この場合、敬意どころか相手をかなり見下しており、かつ威圧を与える表現である。
例:「ふざけたこと抜かしてんじゃねえぞ、てめえ。」
敬意の印象は、語感的には、貴殿>あなた>君>あんた>お前>てめえ≧貴様、アホ、ボケ、カス、と思われる。お前らwwとは言っても、てめえらwwとは言わない。
ただ、古くは、確かに敬意がこもった言い回しであった。どうしてこうなった。
行為者に(強制的に)敬語を使わせることは、自分と行為者をひと括りにして、第三者に対する謙譲表現になるということにまず注目したい。ともすれば、行為者に強制的に「てめえ」と言わせる、あるいは行為者とひっくるめて「てめえ」呼ばわりさせる、それを自分が代弁することには、一定の機能があるのではないか、というものである。
例えば、自分の会社内で社長について話すときは、社長を敬い、「もう少ししたら社長がお見えになります(いらっしゃいます)」「社長がおっしゃっております」になるが、この事実を社外の人間に話すときは、「もう少ししたら社長が参ります(伺います)」「社長が申しております」と、社長の立ち位置が下がる。「山田社長が…」も「社長の山田が…」となる。
こういうのが、うだうだ続けば、単なる行為者のみへの罵倒表現にも変わっていくこともあろうかと。「あいつはてめえのことしか考えていない」というような言い回しもしっくりいく。
いやいや、そんな小難しい話じゃなく、単純に罵倒だ、と。
「はいはい、ボクちん、がんばりまちたね~」「じゃあひとつ、ご立派な『小生』様に一肌脱いでもらいましょうか(笑)」というような類と一緒で、相手に一人称(の謙譲表現)をわざと使って、小バカにするような流れだ、と。
そーじゃない。方言がこじれたんだよ、という説。方言は、一人称と二人称がごっちゃになることがあったりするよねー。
ま、実際のところ、よく分からない。いずれにしても、現実社会で二人称の用法で多用することはお勧めしない。だいたい、このような言葉を公然と吐く奴にろくな人間がいない。
無論、インターネット空間で使うこともダメである。言われて快感を得る特殊な性癖の人もいるにはいようが、一般的には二次元に対する呼称程度にとどめるべきである。
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てめえで見たいもん、入れとけw
関連項目
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