とりかえばや物語とは、平安後期にできたドタバタコメディー物語である。
現代語訳:とりかえたいなあ物語
原作注意! |
過激なところ、省かれたり。 |
あらすじ
権大納言は、屋敷の西の対と東の対に妻を住ませていた。
(つまり二人の妻がいたということ。権大納言は役職の名前。)
そして、東の対の妻は男の子を西の対の妻は女の子をそれぞれひとりずつ出産した。
どっちも見た目はよかったのだが、
男の子(男君)→かわいい、恥ずかしがりや、お絵かきや人形遊び(女の子の遊び)をする
女の子(女君)→かっこいい、アクティブ、蹴鞠や弓(男の子の遊び)をする
つまり、男の娘とボーイッシュ少女という、ラノベとかweb小説でありそうな個性的なキャラ設定だったということです!
さて、次に進んでいきます。
やはり、見た目がよろしいかったのでたちまち噂になり、男の子は姫君と女の子は若君と呼ばれるようになった。
(いろいろ呼び方を変えるのはめんどくさいので、このあとは男の子と女の子にします。)
やがて、見た目がよろしすぎるせいか帝(天皇)は女の子に宮中に出入りする資格を与えるから早く出仕(都でお仕事)させるように、とお父さん(権大納言)にいった。(都での仕事は男性がすることです。)
お父さん:どーしよ。おろおろ、おろおろ。
しかし、困ったお父さんは名案を思い付いた。
お父さん:そーだ、女の子には男性の儀式を、男の子には女性の儀式をしよう!
まさに、迷案である。
(平安時代、
男の子→元服(成人したことを示し、服を改める。11から16歳にする。)
女の子→裳着(成人し、結婚できるようになったことを示す。12,13歳ごろにする。)
という儀式をしました。それをお父さんは入れ替えてしまったのです。)
さらに、右大臣が男の子にプロポーズをしてくる。
お父さん:おろおろ、どーしよっ!
さすがに、このまま結婚させるわけにはいきません。なので、
お父さん:うちの娘をどーぞ!!
・・・大丈夫なのかお父さん。
ところで、ボーイッシュな女の子は男友達と友人関係があった。その友達はプレイボーイで、女と思われている男の子にラブレターを渡してほしいと女の子に頼んでいたことがあった。しかしもちろん相手にしなかった。(こっちはしっかりしてるようだ。)
しかし、男友達にばれてしまったのだ。自分(女の子)は女であることを。その結果強引に関係を持たされる。(友人関係じゃないよ!)
(この一連の話の前後は結構飛ばしてしまいました。しかし、その前後では性別発覚以外にも大変なことがいくつもあり、また、年齢とともに起こる成長のため、ごまかし通せなくなってしまいました。)
こうして、ひそかに元の性別に戻り、出世していくのでした。
二次創作
この作品は、たくさん二次創作があるようです。(というよりそもそも当時は二次創作が普通でした。源氏物語の項目を参照。)鎌倉時代の物語評論「無名草子」は「古とりかへばや」(原作)より「今とりかへばや」(ほかの人が作り直したバージョン)のほうが良いとしています。そのほか、氷室冴子の小説(山内直美・漫画化)「ざ・ちぇんじ!」、さいとうちほの漫画「とりかえ・ばや」などがあります。
「君の名は。」にも影響を与えました。(日本には「君の名は」という名前のメロドラマも存在します。日本人はどんなに入れ替わりが好きなのか。)
とりあえず平安からサブカルの原型が見られることは間違いがないでしょう。多くの人にアニメ化が望まれている、、、かもしれない。
関連動画
関連リンク
関連項目
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