とんぬらさんとは、一迅社の漫画雑誌「Comic REX」にて2008年3月号から2013年6月号まで連載された漫画である。単行本は全9巻。作者はセレビィ量産型。
概要
人間の言葉をしゃべる珍妙な猫のとんぬらさんと、それに振り回される飼い主の一之瀬家の三姉妹やその周りの人々を描いたギャグマンガ。基本的に一話完結である。現在、8巻まで単行本が発売されている。
作者のセレビィ量産型は、過去にマリア様がみてる、ToHeart2、アイドルマスターなどの同人誌やアンソロジーを多数作っている実力派で、女の子の可愛らしい絵柄と、アクの強いストーリーのギャップが特徴的。主人公であるとんぬらさんの圧倒的な存在感と、健全な漫画のはずなのに、妙にエロい描写がこの作品の売りである。
「とんぬらさん」のキャラクターや作風は、同人誌時代には既に完成されており、ゴロンタ→とんぬらさん、二条乃梨子→市乃、草壁さん→雛乃、福沢祐巳→ゆう、菊地真→蟹江先生といった系統を受け継いでいる(あくまで、セレビィ量産型が描いたキャラの範囲であるが)。他にも、様々な漫画や商品などのパロディがふんだんに散りばめられており、元ネタを知っている人はニヤリとしてしまうこと間違い無しである。
ニコニコ静画では、第1巻の第1話と、第2巻の第7話の前半を無料で試し読みが可能。
登場キャラクター
一之瀬家
- とんぬらさん
- 本作の主人公。一之瀬家のペットで、人語をしゃべる謎の猫。
いつも同じポーズで構え、常に不敵な表情を浮かべて実にふてぶてしいが、妙にカリスマがある。拾われるまでは、世界各地を放浪しており、多くの雌猫と浮き名を流したり、凶悪な野良猫たちを従わせたり、群れとはぐれたライオンの子供を育て上げるなど、様々な伝説を残している。
自身を含め、生き別れた7匹の兄弟がおり、年齢順は『とんぬらさん>四つ子(デューク他三匹)>チャーミー>どんすけ』となっている。なお、とんぬらさんをはじめとする動物は、台詞がふきだし無しで表されるため、なんとも言えないシュールさが漂う。ちなみに、担当編集者のイメージボイスは中田譲治だとか。 - 一之瀬雛乃(いちのせ ひなの)
- 一之瀬三姉妹の長女、高校生。168cm。
のんびりとした性格で、黒髪ロングとHカップという巨乳の持ち主。当然ながら周りの男子にモテモテだが、私生活は極めてだらしなく、家ではいつも下着姿でウロウロしているなど、妹・市乃や母・京乃の悩みの種である。ゆとり教育の賜物か、子供っぽくて自由気ままな性格。弱点は性感帯である耳(市乃も同様)。 - 一之瀬市乃(いちのせ いちの)
- 一之瀬三姉妹の次女、中学生。153cm。
名前の通り、市松人形のような外見で、生真面目で面倒見の良いしっかりもの。愛称は「いっちゃん」。本作のツッコミ担当で、毎回騒動を巻き起こすくせに、周りとすぐ馴染むとんぬらさんに翻弄されてばかりいる(とんぬらさんのせいで、Hな目に遭うこともしばしば)。性格だけでなく、外見も姉とは対照的に貧乳なのがコンプレックス。 - 一之瀬五月乃(いちのせ さつきの)
- 一之瀬三姉妹の三女、小学生。134cm。
大きなツインテールがトレードマーク。動物を愛する心優しい性格で、とんぬらさんを拾ってペットにしたのもこの子。内罰的なところがあり、家族に何か問題が起こると自分を責めて泣き出してしまう。こうなると、市乃は全く勝てない。母曰く「家計の関係で、3人目を生む予定は無かった」とのこと、ひどい。 - 一之瀬京乃(いちのせ きょうの)
- 一之瀬三姉妹の母親。165cm。
市乃をそのまま成長させたような姿で、娘以上に堅物(若い頃は、市乃そっくりだった)。目つきが鋭いため威圧感があり、いいかげんなことが大嫌い。当初はとんぬらさんを飼うことに反対していたが、そのお腹を撫でて以来すっかり魅了され、今ではとんぬらさんの情婦である。家計のために仕事と家事をこなすが、料理の腕だけは壊滅的にダメ(料理は市乃が担当)。最近、あまりに性格もスタイルも似ていない長女の雛乃が、本当に自分の娘なのか不安になっている。
友永家
- 友永太彦(ともなが たすけ)
- 一之瀬家のお隣に住む友永家の長男、市乃とは同じ年の幼馴染。173cm。
雛乃に片想いしているが、告白できないチキン。お隣さんということもあり、いつも市乃と一緒に登下校するので、クラスメイトから冷やかされている。しかし本人は、市乃に対しては全くデリカシーも遠慮も無く、平然としている。また、巨乳派ということもあり、市乃のHな場面に遭遇しても全く動じない。が、当然市乃にボコられ、よくヤムチャしやがって・・・のポーズをとっている。 - 友永飾(ともなが かざり)
- 太彦の妹で、五月乃の友人。137cm。
凸。活発な性格で、雛乃にデレデレな太彦を「バカ兄貴」と呼んで、呆れている。制服のスカートが五月乃に比べて短い代わりに、いつもスパッツを履いている。クラスメイトの幸二とはあまり仲が良くなく、よくケンカしている。 - 友永湊(ともなが かなえ)
- 太彦と飾の母親。友永動物病院の院長を務める獣医。165cm。
豪放磊落な性格で、近所の人々に慕われているが、動物たちにとっては予防注射で従わせる恐ろしい存在。京乃とは昔馴染みらしく、色々弱みも握っている模様。昔、自分に懐いていた太彦の描いた自分の絵を大切に保存しているが、息子にとっては恥ずかしい黒歴史である。医者なのに、かなりのヘビースモーカー。 - ペロペロ
- 友永家の飼い犬。
その名の通り、誰にでもペロペロなめてくるが、同時にスケベなバター犬でもある。が、湊の前では別犬のように大人しくなる。とんぬらさんの数少ない弱点。
デュラル家
- ルクレツィア・A・デュラル
- 西欧からやって来た、ブロンドヘアーのお嬢様。154cm。
愛称は「ルクス」。日本に遊びに行った時、相棒のデュークが雛乃にとんぬらさんと間違えられて連れ去られたため、一之瀬家と一悶着あった末に親しくなる。間もなく、留学生として転校し、市乃のクラスメイトとなる。幼い頃は友達がおらず孤独だったが、デュークとの出会いをきっかけに、今では無駄にポジティブな性格に変貌した。と言うか、ポジティブを通り越して暑苦しい。市乃と同じく、貧乳であることを気にしている。 - デューク・デュラル
- とんぬらさんの弟で、ルクスのパートナー。
外見はとんぬらさんとそっくりだが、とんぬらさんの毛が白いのに対し、こちらは麗しい黒猫。よく白馬に乗って颯爽と現れる。独りぼっちだったルクスの初めての友達となり、厚い絆で結ばれている。紳士的で頼りがいがあるが、美人のおっぱいに弱く、触ると別猫のようにだらしないアヘ顔になってしまう。 - ガッチーナ&ブリューナ
- ルクスに仕える、デュラル家の双子の執事。共に200cm。
ルクスに害をなそうとする者には容赦なく、デュラルをさらった犯人にされてしまった市乃に、生きているタコで触手攻めにしたため、市乃に深く恨まれている。ルクスだけでなく、デュークのことも深く尊敬している。左右対称に前髪を垂らしている他、区別が付かない。
芝浦家
- 芝浦柴子(しばうら しばこ)
- 市乃のクラスメイト。157cm。
一見ひたすら無愛想な眼鏡っ娘で、周りのことには一切無関心、学校の授業もサボりがち。いつも携帯ゲームをいじっており、目には隈ができている。実は筋金の入りのアニヲタで、家では通称「裏モード」に変身。コスプレして自分の衣装や踊りを撮影・投稿するニコ厨であり、コスプレした自分の姿を見せることに快感を覚える露出癖がある。絵の得意な市乃に目を付け、そちらの世界に引きずり込もうと企む。おそらく、作中一番の問題児。最近は、市乃のパンツを頭にかぶってハアハアしたり、五月乃も狙い始めるなど、さらに変態っぷりに磨きがかかっている。また、ゆるゆりのアニメ版にハマっているらしい(一迅社の宣伝?)。 - 芝浦幸二(しばうら ゆきじ)
- 柴子の弟、五月乃のクラスメイト。138cm。
柴子とは対照的にまともな良い子だが、姉にいいようにこき使われる上に周りから悪評高いので、激しく嫌っている。ひょんなことから助けてくれた市乃に想いを寄せるが、居候のチャーミーのせいで台無しになることもしばしば。芝浦家は全員眼鏡を掛けており、幸二は童顔もあって男の娘にも見える。 - チャーミー
- とんぬらさんとデュークの妹。
毒々しいピンク色の毛並みと、顔に不釣り合いな花を頭に付けている。重度のブラコンで、とんぬらさんによく制裁を加える市乃を激しく敵視しており、ことある事に市乃を攻撃する。アメリカでは売れっ子のスターらしく、マネージャーや専門のメイクアーティストまでいる。そのためか、態度のでかさはとんぬらさんをも凌駕し、ぶりっ子のすべも身につけている(でもウザい)。今は、芝浦家に居候の身。幸二曰く「性悪ネコ」。作者のイメージボイスは釘宮理恵らしい。
筑波家
- 筑波なびき(つくば なびき)
- 市乃の友人。165cm。
スポーツは得意だが、勉強が苦手という定番の体育会系で、頭で考えるより体が先に動くタイプ。よく、市乃と太彦にからかっているが、悪気は無いので憎めない。柴子とは家族ぐるみの付き合いなので、その本性をよく知っている。男勝りで背も高いが、Fカップの巨乳なので、男子のクラスメイトからモテる。 - 筑波颯(つくば はやて)
- なびきの弟、五月乃のクラスメイト。142cm。
幸二の親友で、一緒のサッカークラブに通っている。性格も趣味も姉とほぼ同じ。筑波家は、全員顔のどこかに絆創膏を貼っている(なびきは頬、颯は鼻先)。
半井家
- 半井ゆう(なからい ゆう)
- 市乃の友人。140cm。
身長から分かる通り小柄で、性格もとても子供っぽい。短めのツインテールをリボンで縛っている。しっぽフェチで、とんぬらさんの尻尾を触りたがっているが、なかなか触らせてもらえない。劇中では、柴子やチャーミーから色々酷い目に遭うことが多い。なりゆきでどんすけを飼うこととなったが、自分好みの猫じゃないのに、やたら懐かれるなどやっぱり不幸な子である。 - 半井ゆうこ(なからい ゆうこ)
- ゆうの母親。162cm。
娘とは対照的にグラマラスなスタイルの持ち主。温厚な性格だが、やや世間ズレているところがある。どんすけを拾って、すぐ飼い猫にしてしまった。 - どんすけ
- とんぬらさんの7兄弟の末っ子。
並外れた巨大な体をしており、どこかの漫画家のように目鼻口が顔の中心にやたら寄っている。「~だ」「~だよ」と、田舎言葉をしゃべるのが特徴。尻尾も極端に短いので、ゆうからは避けられている。少々おつむが弱く、面倒くさがり屋で風呂や毛繕いが嫌いなので、毛はゴワゴワとしておりちょっと匂う。そのためか、姉のチャーミーからは極度に嫌われている。その一方、瓦礫の下敷きになっても無傷なほど頑丈で、かつては地雷を掘る仕事をしていたらしい。当初は少しデカい程度の予定だったが、インパクトに欠けるためか、超巨大な体格になったという経緯を持つ。
もう1つの一之瀬家
- 雪乃(ゆきの)
- 一之瀬三姉妹の従妹で、月乃と花乃の姉。168cm。
露天風呂付きの老舗旅館「湯月亭」の若女将。清楚な美人だが極度の虚弱体質で、毎度のように盛大に吐血する(しかもグロい)。むしろ、意図的に吐血できる節すら見受けられる。雛乃とはメル友で古くからの付き合い。いたずら好きなのだが、そのたびに死にかけるので冗談では済まされない。
なお、もう1つの一之瀬家と題しているが、実際の苗字は不明。また、名前の元ネタは「彼氏彼女の事情」の宮沢三姉妹であると思われる。 - 月乃(つきの)
- 雪乃の妹で、花乃の姉。154cm。
「湯月亭」の板前見習い。喧嘩っ早い性格で、花乃を泣かせる奴は絶対に許さないシスコン。情にもろくツンデレである所など、市乃とよく似た性格をしている。板前見習いなので作った料理は微妙で、特技の裁縫も言っちゃあ悪いが下手。 - 花乃(かの)
- 雪乃と月乃の妹。126cm。
無口で、月乃が作ったぼたもちのぬいぐるみを肌身離さず持ち歩いている。元々人付き合いが苦手だったが、可愛がっていたぼたもちが死んでしまったことがトラウマになり、周囲に心を閉ざしまい、押し入れに引き籠もりがち。ぼたもちによく似たとんぬらさんに懐き、一悶着騒動を起こすことに。 - 宙乃(そらの)
- 雪乃・月乃・花乃の母親で、京乃の姉。
「湯月亭」の女将。外見は妹の京乃とそっくりで、見分け方は右目の泣きぼくろ。これが無いと、姪にあたる雛乃たちでも見分けが付かない。性格もよく似ており、よく娘三人に制裁を加える。 - ぼたもち
- 「湯月亭」に住み着いた野良猫で、旅館の人々にも好かれていた。しかし、盗み食いしたまんじゅうを喉に詰まらせて死んでしまい、特に可愛がっていた花乃の心に大きな傷を残してしまう。月乃曰く「とんぬらさんによく似ている」らしいが・・・
- ほしうめ
- ぼたもちの相棒だった黒い雌猫。鈴を付けており、事実上旅館の飼い猫である。雛乃たちと一緒に旅館へやって来たとんぬらさんといい仲になるが、なぜか擬人化されたネコ耳のセクシー美女に描かれることが多い(あくまでもイメージ映像である)。ちなみにとんぬらさんは、人型だが顔だけ猫というシュールな描かれ方をしている。
その他
- 百瀬百合(ももせ ゆり)
- 雛乃の友人。170cm。
長身に加え、ボーイッシュな外見をしているため、よく男子と間違えられる。そのため、雛乃と一緒にいた所を見た太彦は、彼氏ができたと勘違いし、ショックで廃人になってしまったことも。雛乃からは「モモちゃん」と呼ばれている。名前とは裏腹に本人は百合っ気がなく、女子にモテるのが困惑気味。雛乃と一緒に雪乃の旅館に泊まって女湯に入った時は、月乃から男子に間違われて警察に通報されたこともある。 - ナオちゃん
- 五月乃の友達。134cm。
本名不明。眼鏡っ娘で、小学生にしてはスタイルが良く、市乃よりも胸が大きい。外見や名前から、モデルは「ヨスガノソラ」の依媛奈緒と思われる。 - よっこちゃん
- 五月乃の友達。136cm。
本名不明。何考えているか分からない子で、とんぬらさんに愛人がいるか尋ねたり、五月乃が鳥の雛を育ているとフライドチキンが食べたくなったと言い出すなど、全く空気を読まない。瞳が真っ白で、何も描かれていないのが特徴。 - 蟹江先生(かにえせんせい)
- 市乃の担任教師。169cm。
保健体育を教えており、美人でスポーツも得意なので、男女問わず生徒の憧れの的。しかし、子供の頃に野良猫の群れに襲われたことが原因で大の猫嫌いになってしまい、とんぬらさんと初めて出会った時時は、トラウマが蘇って普段の凛々しさが吹き飛ぶくらいパニックになって、子供のように泣きじゃくってしまった。その後、昔のように襲ってきた野良猫をとんぬらさんに助けてもらい、妙な感情が芽生えてしまうが、やはり猫は苦手というジレンマに苦しんでいる。一之瀬家へ家庭訪問に訪れて時には、とんぬらさんをめぐって京乃と三角関係になってしまった。 - 三枝先生(さえぐさせんせい)
- 五月乃の担任教師。
ウェーブがかかった長髪の美人で、おっとりした性格。こちらも、やはりとんぬらさんに惚れている。
関連項目
外部リンク
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- 0pt