にせヒーローとは、主に特撮番組で登場する主人公ヒーローのニセモノである。
概要
大抵の特徴として
・主人公の変身するヒーローとそっくり
・でも完全に同じじゃないから視聴者には簡単に見分けられる
・が、劇中の登場人物の大半はにせものと気付かないまま話は進む
・能力は同じでも主人公に若干劣る
・目的としては、主人公の名声を陥れること
などが挙げられる。
にせヒーローの元祖は既にテレビ特撮ヒーロー番組の草分けであった円谷英二監督の『ウルトラマン』から存在しており、この番組にはザラブ星人が変身する「にせウルトラマン」が登場する。
しかし、目は釣り目で身体の紋章に黒筋が入っているという、後のにせヒーローに通じるデザインを既に確立していた。
ウルトラシリーズのにせヒーローは割と強敵であることが多く、変り種としてはウルトラマンティガの過去の姿であるティガダークなどは「自分こそが最大の敵」という重いテーマも含んでいた。
さらに『仮面ライダー』では「ショッカーライダー」という複数人で構成されたにせ仮面ライダーが登場。
スカーフの色が違う以外は1号2号ライダーとほぼ同じスペックを誇り、パワーも互角だったため、ダブルライダーとの激闘の末にようやく撃破できた強敵でもあった。
しかし、後述するダークカブトのように、仮面ライダーシリーズのにせヒーローは結構小物化する傾向が強く、にせスカイライダーなどは無理やり子供にアイスを食わそうとするなどといった点が語り草にもなっている。
怪獣映画ではその性質上あまりニセモノが登場することは無いが、『ゴジラ対メカゴジラ』では珍しく「にせゴジラ」が登場した。
この作品では、当時既に人類の味方になっていたゴジラに化けたメカゴジラが街を破壊し、ゴジラの仲間であるアンギラスを倒す。鳴き声と熱線の色は異なるが、姿からアンギラスすらも完全に騙していた。
最終的に本物のゴジラと対峙し、正体を現すが、宇宙技術で作られたメカゴジラはゴジラのパワーを完全に上回り、この時点ではゴジラはなす術も無く敗走している。
なお、後年このにせゴジラとの闘いのシーンは熱線の打ち合いなどの場面が平成ゴジラの『ゴジラvsメカゴジラ』でリメイクされたほか、ポケットモンスターのアニメ版でもこれをオマージュしたシーンがある。
同じような特性をもったバトルアニメでも主人公のニセモノやそっくりさんが登場することがある。
『ドラゴンボールZ』のターレスや『忍空』のにせ忍空一味などは、その存在自体で映画一本成立させていた。
また、特撮ヒーローとニチアサキッズタイム仲間のアニメ『プリキュア』シリーズにも、「バッドエンドプリキュア」「ダークプリキュア」などの主人公たちのニセモノが登場したことがある。
また、当初はにせヒーローとして扱われるが、後に作中の重要人物やライバルと化したり、時に宿敵として主人公最大の敵として君臨することもある。
『特捜ロボ ジャンパーソン』の魔王ビルゴルディなどはその典型で、初登場時のタイトルも「新型JP登場?!」と「なんだ、定番のニセモノ回か」と思わせておきながら、中身は帯刀コンツェルンの帯刀龍三郎が変身するジャンパーソン以上の性能を誇るメカ生命体で、最終章では自我を放棄したジャンパーソンと彼との決着が熱く描かれる。
逆に小物化した例としては『仮面ライダーカブト』のダークカブトで、ゲーム版(PS2)で登場したときにはダークヒーロー然とした悪役風に描かれたほか、児童誌でも「時空を飛び回りながらカブトと戦う」とされていたものの、いざ登場してみれば「てぇーい」とカブトに蹴りを食らわせようとする子供じみた性格になっていたほか、最終回ではザコワームと共に爆発する建物に飛び込んで爆死するという呆気ない最期だった。
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