ねらわれた学園とは、1973年に刊行された眉村卓のジュブナイルSF小説である。何度か映画化・ドラマ化されている。
概要
「狙われた学園」ではなく、「ねらわれた学園」が正しい表記なので注意。とある進学校の中学校を舞台に超能力者の生徒会長、圧倒的な力を持つ謎の少年、普通の男子生徒達の繰り広げる物語。
最初の映像化は1977年にNHKで放送された『未来からの挑戦』。こちらは『地獄の才能』と本作の2作を原作としたドラマである。
1981年に本作を原作とした映画が公開され大ヒット。以後、テレビドラマ・実写映画のリメイク・アニメ映画化などがなされている。
あらすじ
突如、阿倍野第六中学の生徒会長に立候補し、鮮やかに当選してみせた高見沢みちる。それまで目立たない存在だった彼女は、魅力的な微笑と不思議な力で学園を支配していく。美しい顔に覆い隠された彼女の正体と真の狙いとは?
主な登場人物
- 関耕児
本作の主人公。阿倍野第6中学校2年3組の生徒で、途中からクラス代表委員に就任。当初は高見沢みちるのやり方を「やり過ぎではないか」という程度にしか認識していなかったが、ある出来事をきっかけにみちるへの反感を確かなものにする。 - 楠本和美
耕児のクラスメイト。1年生の時は高見沢みちると同じクラスで、2年生になってからの彼女の変貌ぶりに警戒心を抱いている。 - 高見沢みちる
和美の1年時のクラスメイト。和美曰く「1年時はおとなしく目立たない生徒」だったが、2年生に進級後突如生徒会役員選挙で「会長」に立候補。最有力の上級生を打ち破って就任した。超能力を持ち、他の生徒会役員をマインドコントロールで支配している。独特の存在感と威圧感を持ち、教員たちも彼女には意見できない。
栄光塾という謎の塾に通っている。 - 西沢響子
耕児のクラスメイト。クラス代表委員選挙で耕児に敗れる、黒板に落書きした生徒をクラス全体で糾弾しようとして耕児に阻止されるなどの出来事から耕児に対して良い感情を持っていない。
みちる同様栄光塾の塾生だが、超能力は使えない。 - 京極
高見沢みちるを支える謎の少年。外見年齢は耕児たちよりも年上。彼もまた超能力者。その正体は未来人で、未来世界での文明崩壊を阻止するため、歴史を改変すべく過去に送り込まれた工作員。みちるは彼に心酔している。
ドラマ化
未来からの挑戦
1977年1月10日よりNHKで毎週月曜日から木曜日まで全20話が放送された。先述の通り『地獄の才能』と本作の2作を原作としている。脚本は田波靖男。
当時のVTRは高価で番組の映像はNHKに残っていなかったがDVD発売前に個人編集版2話分が発見。2014年には視聴者から再放送版が提供され2015年より番組公開ライブラリーにて公開されている。
主なキャスト
1982年版
1982年10月11日よりフジテレビ系列で放送。全11回が放送されたが、本編10話とNG集1回の構成。主演は原田知世。
第1話と2話の超能力のシーンでは飛ばされる様子などを見た子供たちの「あっ、○○みたい」(○○は番組の登場人物名)という台詞の後に、当時フジテレビ系で放送されていた『オレたちひょうきん族』、『Dr.スランプ アラレちゃん』、『うる星やつら』の番宣が挟まれていた。
主なキャスト
1987年版
1987年1月26日にフジテレビ系で放送。こちらは単発ドラマ。主演は新田恵利。
新田恵利がおニャン子クラブに在籍していた頃制作された唯一の主演ドラマ。
1997年版
1997年8月2日よりテレビ東京系列で放送。同年3月に公開された映画『ねらわれた学園 THE MESSIAH FROM THE FUTURE』と主役・スタッフは共通だが設定、ストーリーに大胆な変更が加えられ、全く別の作品になっている。
主なキャスト
実写映画化
1981年版
1981年7月11日公開。製作は(旧)角川春樹事務所、配給は東宝。主演は薬師丸ひろ子。同時上映は『ブルージーンズメモリー BLUE JEANS MEMORY』。
舞台は原作の中学校から高校へ改変され、ヒロインの名前が「三田村由香」であること、京極が星の魔王子に変更されるなど他に変更点が多い。
関耕児役は一般からのオーディションで選ばれ、この時クリス松村も応募していたが書類審査で落とされたという。
撮影は当時高校生だった薬師丸ひろ子や他の同級生役の事を考慮して学校が春休みに入る三月中旬から四月中旬にかけて行われた。
主なキャスト
ねらわれた学園 THE MESSIAH FROM THE FUTURE
1997年3月8日公開。製作は円谷映像とギャガ。主なキャストやスタッフはテレビドラマ1997年版と同じ。
アニメ映画化
2012年11月10日公開。本作初のアニメ化で、原作の要素は拾いつつも全体的なストーリーはアニメオリジナルとなっている。作中で明示はされていないが原作の次世代の物語であり、時代は現代に設定された。
アニメーション制作はサンライズ第8スタジオ、配給は松竹が担当した。
主題歌は渡辺麻友の『サヨナラの橋』、オープニングテーマはsupercellの『銀色飛行船』。
主なキャスト
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関連項目
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