はてなキーワードとは、かつて株式会社はてなにより提供されていたキーワード共有サービスである。キャッチフレーズは「言葉とブログをつなげるキーワード」。
はてなブログをはじめとするはてなの複数のサービス上のキーワードが、はてなキーワードによってリンクされ情報を共有できる仕組みになっている。
単語の説明文を編集できる共有辞書としての側面も持っていた。はてなでの定義は「ブログ記事から自動リンクされるWiki形式の共同編集辞書」。
はてなダイアリーの終了にともなってサービスの改編が発表され、2018年10月15日をもって編集機能を停止、2019年10月14日に全機能を停止。2019年11月5日付で「はてなブログ タグ」に移行した。
概要
2003年1月16日に「はてなダイアリーキーワード」というはてなダイアリーの一機能としてリリースされ、2008年9月1日よりリニューアルし「はてなキーワード」となった。
はてな関連サービスを7日間以上利用した「はてな市民」のユーザーであれば誰でもキーワードの作成・編集が可能で、ニコニコ大百科と同様にWikipediaへのリンクもあった。
はてなブログやはてなダイアリーにおいて、はてなキーワードに登録されている単語に言及すると「自動リンク」される仕組み。また、キーワードの説明文中においても自動リンクは有効であった。
キーワードの説明文という性質から百科でない辞書という趣きで、ニコニコ大百科などの「百科辞典」系のサイトと比較すると分量が控えめな傾向がある。一方で、検索エンジンから調べたい語句に”とは”をつけて検索すると、かなりの確率で上位に表示されていた。
主な機能
- キーワード
- さまざまな単語(キーワード)について、その簡易的な定義や説明が記述できる。
- 登録されているキーワードは「はてなブログ」などで自動リンクされるので、閲覧者はその場で語義を調べることができる、というメリットがあった。
- 作成はヘッダーのリンクから、編集は各記事冒頭のボタンから行う。これら編集機能は「はてな市民」のみ行えた。
- 含むブログ
- はてなブログやはてなダイアリーで投稿された、そのキーワードを含む記事を閲覧できる。
- かつては「はてな」関連サイト以外の記事も収集対象であった。
- トレンド
- 正式名は「はてなキーワードトレンド」。2010年8月26日に実装された。
- 記事での言及数やそのキーワードページの閲覧数や滞在時間などを包括的に統計化し、グラフで閲覧することができた。
- 同様の機能を実装しているインターネット百科事典には「pixiv百科事典」などがある。
- 関連キーワード
- そのキーワードに関連するキーワードを連ねて表示する。
- 「関連度の高いキーワード」「参照しているキーワード」の項目があり、前者では他キーワードの記事中で、後者ではそのキーワードの説明文中において言及されている単語などを参照して関連度の高さを自動で算出、有意な記事からレコメンドされるようになっている。
- 算出された関連度は記事名横のメーターで視覚的に測ることができた。
- お気に入り
- キーワードをお気に入り登録できる機能。2008年10月28日に実装された。
- 登録したキーワードに言及するブログ記事などが投稿されるとはてな内で通知されるという仕組みだった。
- 関連商品
- キーワードに関連する、ヤフオクに出品されている商品を表示する。
はてなブログ タグへの移行
はてなキーワードはその長い歴史から相当数の記事を保有していたが、類似するWebサービスが増えるにつれ、ブログ記事と一体である点以外の部分では他辞典サイトとの差別化に苦慮した。
次第に編集者の数は減少、ある地点では古い情報や誤った情報が放置され、またある地点では編集合戦が発生するなどの問題が常態化していた。
そうした背景からはてなでは共同編集辞書としてのサービスの運用終了を決定した。2018年、はてなダイアリーの終了にともなってサービスの改編が発表され、2019年に「はてなブログ タグ」としてその内容が公表された。
先述の理由もあり編集機能やお気に入り、関連キーワードなど大半の機能がオミットされたが、キーワードやその本文はキーワード時代に作成されたものを引き継いだ。
編集機能がなくなったことにより古い情報の放置は悪化している。これについて、2019年のリリース当時の記事では「タグの本文を編集できるようにすることを予定」しているとされていたが、約3年が経過する2022年時点でも編集機能は実装されておらず、依然情報は古いままである。
関連コミュニティ
関連項目
関連サイト
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