ふぁみこんむかし話とは、任天堂がディスクシステムなどで発売したアドベンチャーゲームのシリーズ作品。
開発は任天堂情報開発部とパックスソフトニカである。
概要
掛け軸型のウィンドウに縦書きのテキスト表示を施した和風要素が特徴のアドベンチャーゲームである。
基本的なコマンドである「はなす」「みる」「いどう」の他に、操作キャラクターを変更する「ひとかえる」というものがある。これは異なる観点から物語を同時に進行させてゲームを解いていくと言った、要はザッピングシステムである。
第1作である『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』は任天堂初のアドベンチャーゲームとして発売された。この作品は前編と後編とに分けられ、且つ後編は前編のソフトをクリアしないとプレイすることができないという仕様であった。
任天堂は「新・鬼ヶ島」の発売以降、ディスクシステムのアドベンチャーゲームにおいて前編・後編の販売形式を確立する。この前編・後編の販売形式は、同シリーズの『遊遊記』や『タイムツイスト』、同社の『ファミコン探偵倶楽部』シリーズのほか、他社作品の『探偵 神宮寺三郎 危険な二人』(データイースト)でも採用された。
本作の開発経緯としてはディスクシステムでアドベンチャーゲームに注力する狙いもあり、宮本茂が主導となったのが本作、坂本賀勇が主導となり開発されたのが『ファミコン探偵倶楽部』であった。
時代が下り、スーパーファミコン末期になって発売された『平成 新・鬼ヶ島』でも前編・後編の形式が採用された。ただし、『新・鬼ヶ島』はどちらか片方からでも始められる仕様である。
本作を皮切りに、任天堂は『ファミコン探偵倶楽部』『メタルスレイダーグローリー』(ファミコン版はHAL研究所)『ファミコン文庫 はじまりの森』(以上FC・SFC)、時代が下って『プロジェクトハッカー』『アナザーコード』『ウィッシュルーム』『キャプテン★レインボー』(以上DS・Wii)など、その数は決して多くはないものの、様々なアドベンチャーゲームを世に出している。
「ふぁみこんむかし話」シリーズが任天堂のアドベンチャーゲームの嚆矢となったことは、本シリーズを任天堂におけるアドベンチャーゲームの象徴的存在たらしめている理由のひとつであるといえるかもしれない。
また「ふぁみこんむかし話」シリーズのキャラクターは後発作品にゲスト出演することが多く、『遊遊記』に前作『新・鬼ヶ島』のキャラクターがゲスト出演したのをはじめとして、「星のカービィシリーズ」(2・3)、「大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ」(DX・X)、「キャプテン★レインボー」などに出演している。
作品
#細かい内容についてはそれぞれ単独記事を建てて書いて下さい。
#この記事はシリーズと思しき作品を列挙してまとめるための記事です。
- ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島
機種:ディスクシステム(1987年)/ゲームボーイアドバンス(2004年)/VC配信ソフト(2007年・2013年)
シリーズ初代にして象徴である。それもそのはずと言わんばかりに移植作品や続編が多く最も優遇されている。
なお、後述の「遊遊記」や「タイムツイスト」に並行して、ファミコン用ロムカセット版として任天堂から依頼されるも、結果的に、スーパーファミコン用に開発を移したためお蔵入りとなったらしい。
内容は記事が既にあるくらい「超有名作」なため、ここでは語らず。 - ふぁみこんむかし話 遊遊記
機種:ディスクシステム(1989年)
不遇の2作目。前作と同等なゲームシステムだが、掛け軸ウィンドウなどの改良がなされ高速化された。
また、ゲームオーバーからの容易の復帰ができる「いったいさん」コマンド採用や謎解きを減らし難易度が下がった。
前作と、うってかわって、他機種に移植されることはない不遇な扱いを受け、知ってる人のみぞ知る存在に。
「星のカービィ2」と「星のカービィ3」にチョイ役で出なかったら気づかれなかっただろうというマイナーさを語りたいか?
内容はヒロインの恋愛物語をおりまぜながら、悟空たちの成長を描いた冒険である。
音楽は岡素世が担当しており、前作とひと味ちがったBGMの評価も高い。 - タイムツイスト 歴史のかたすみで…
機種:ディスクシステム(1991年)
テレビCMが放映された遊遊記よりも、テレビCMもなくひっそりと発売したため更に不遇となった作品。
更に内容が内容なだけに、内容が無難な遊遊記よりはかなり移植は厳しいとされている幻の作品。
「ふぁみこんむかし話」とは冠してはいないが、開発陣は同一。
当作品からゲームシステムが大幅に一新され、テキストは横書きとなっており、キャラクターを左右に移動させる形式となり、後述のスーパーファミコン作品でのゲームシステムの基礎となる。
同作は、「遊遊記」の評判が良かったため、「次回作の制作を」という出発点に開発された経緯から、ファンからは利便性として「ふぁみこんむかし話」シリーズに含むとする意見もあるが、作風がだいぶ異なっている。
内容は、肉体を悪魔に奪われた少年が肉体を取り戻すためにタイムトラベルを繰り返して、あらゆる時代と場所へ行くというもので、クイズやパズル要素があるが、ゲームオーバーはなく不正解はループ仕様。
宮本茂氏の「ユニークで志の高い作品を」と提案(ちゃぶ台返し)によって、この結果になったらしい。 - BS 新・鬼ヶ島
機種:スーパーファミコン サテラビュー(1996年)
前述の「新・鬼ヶ島」の続編である。
ラジオ放送によるラジオドラマやBGMと、データ放送によるゲームを融合させたサウンドリンクゲームとして配信。
コマンドを選択型のゲームシステムはそのままに、制限時間内に謎を解き物語を終わらせることを目的としたもの。 - 平成 新・鬼ヶ島
機種:ニンテンドウパワー書き換え(1997年)/スーパーファミコンロムカセット(1998年)/VC配信ソフト(2010年・2014年)
「BS新・鬼ヶ島」をスーパーファミコンロム向けに移植したものである。
この作品に関しては前作と違い、前編・後編のどちらからでもプレイ可能。 - ファミコン文庫 はじまりの森
機種:ニンテンドウパワー書き換え(1999年)/VC配信ソフト(2007年・2013年)
開発会社が同一で、ゲームシステムも「平成 新・鬼ヶ島」に類似。
上記の作品で登場したキャラの出演や作風もあって、ふぁみこんむかし話シリーズに含まれるとする意見が多い。
「ファミコン文庫」第1作として作られたのだが、結局第2作以降は出なかった。無念。
関連項目
関連リンク
- 1
- 0pt