『ふしぎ遊戯』とは、「少女コミック」(小学館刊)に1992年~1996年まで連載されていたファンタジー少女漫画、及びそれを原作としたアニメ、小説、ゲームなどのメディアミックス作品である。原作者は渡瀬悠宇。
少女漫画ではあるが、バトル描写等、少年漫画としての側面もあり、意外にも男性読者も多い。
単行本はコミックス(全18巻)、完全版(全9巻)、文庫版(全10巻)の3種類が刊行されている。
続編
2003年の「少女コミック増刊」での連載開始以降、何度かの雑誌移籍を経て、「増刊flowers」にて2013年に完結した。単行本はコミックス(全12巻)、文庫版(全7巻)が刊行されている。
現在「月刊flowers」2015年4月号より新作『ふしぎ遊戯 白虎異聞』が連載中である。
あらすじ
中国の四神にまつわる伝承を主軸としたストーリー。とある図書館に安置されていた禁書「四神天地書」。そこは古代中国を舞台とした不思議な世界だった。主人公である夕城美朱と本郷唯が四神天地書に吸い込まれることから、物語は始まる。
主人公である夕城美朱は高校受験を間近にした中学3年生であった。母子家庭でスパルタな母と優しい兄とともに明るく素直な少女として育った。が、家族関係はやや険悪。さらに追い打ちをかけるように、美朱は母と見知らぬ男性の逢瀬を目撃してしまう。それによって険悪な母との関係はさらに衝突し、大喧嘩に発展してしまった。半ば現実から逃げ出すかのように、美朱は自ら四神天地書の中へと入って行った。
ネタバレ注意!! |
世界観
- 四神天地書
- 本作の物語の舞台となる本。時代背景は古代中国。それぞれひとつの大陸に四神である「朱雀」、「白虎」、「玄武」、「青龍」それぞれを守護神とする4つの国が存在する。異世界から出現した女性が守護神を召喚することができるとされ、召喚に成功した際は召喚した守護神の力を3度まで使うことができることになっている。が、巫女は四神召喚のための生け贄であり、3度の願いを叶えた巫女は死んでしまう。玄武の巫女の父親、奥田 永之助が原典である「四神天地之書」を和訳したもので、本そのものが魔力を持っている。燃やしても破いても消滅しない魔本。
- 紅南国(こうなんこく)
- 朱雀を守護神とする南方の大国。皇帝は朱雀七星士でもある星宿(ほとほり)。シンボルカラーは赤。
- 倶東国(くとうこく)
- 青龍を守護神とする東方の大国。皇帝は野心家で欲が深い。青龍召喚を期に戦争を起こすつもりでいる。シンボルカラーは青。
- 北甲国(ほっかんこく)
- 玄武を守護神とする北方の大国。気候は非常に寒く、常に雪が降っている。数百年前に玄武の巫女を迎え玄武召喚に成功している。シンボルカラーは黒。
- 西廊国(さいろうこく)
- 白虎を守護神とする西方の大国。地形は砂漠であり、乾燥していてとても暑い。白虎の巫女を迎え白虎召喚に成功している。シンボルカラーは白。
- 七星士
- 四神召喚に必要となる7人の選ばれし者。巫女を守る定めを持ち、体の一部にそれぞれの字が刻まれている。特別な力を持っており、力の上昇とともに字の形も変わる。
- 巫女
- 四神を呼び出すために必要な存在。国が危機に陥った時巫女が現れ、神を召喚し国を救うとされている。条件は処女であることと、異世界から来た人間であること。聞こえはいいが、いわゆる生け贄。神の力を3度まで行使できるが、力を使う度に神に食われ、青龍ならば体の一部に鱗が現れ、朱雀ならば背中に亀裂が入る。このように徐々に体が内部から変容していく。そして願いを使い切ると神に取り込まれ、食われてしまう。強い精神力があれば助かるらしいが……?
- 神座宝
- 七星士のいずれかが死去して守護神が召喚できなくなった、召喚に必要な巻物が破壊されたなどの理由で召喚ができなくなった場合、神の力を宿した神座宝を2つ使うことで召喚を行うことができる。神座宝はそれぞれの四神の巫女が四神召喚の際に身に着けていたものが神座宝となる。それぞれの神座宝は以下の通り。
登場人物
巫女
- 夕城美朱
- 明るく前向きで元気な中学3年生。5月12日生まれのおうし座。血液型はB型。授業中に居眠りするなど典型的なドジっ子。そして大食漢で腹ペコキャラである。朱雀の巫女となり、紅南国の守護神「朱雀」を召喚すべく朱雀七星士を探す旅に出る。四神天地書に吸い込まれてすぐ、額に「鬼」の字を持つ男性、鬼宿(たまほめ)と出会い恋仲となった。外見は赤銅の髪に制服姿。髪型はシニヨンになったりセミロングになったりする。朱雀への願いは、青龍に食われた唯の救済、太一君から授かった張宿の巻物を用いた青龍の封印。最後の願いのみがアニメと漫画で違い、「鬼宿と添い遂げたい」という願いがアニメでは「崩壊した現実世界を元のあるべき姿に戻す」に変わっている。
- 本郷唯
- 知的でクールビューティな美朱の親友。青龍の巫女。美朱と入れ替わりになる形で本の世界に吸い込まれた。その際に悪人に捕まり、危うく強姦されそうになる。本人は強姦されたと勘違いしており、心に深い傷を負っている(実際は心宿に助けられているため、そのような事実はない)。心の傷が原因で美朱を恨まずにいられなかった。美朱同様鬼宿に惚れており、それが両者の仲を険悪化させたが、本心では美朱のことが好きで仕方がなく、殺すことができない。心宿にもその旨を強く命令している。
美朱よりも先に青龍を召喚しており、1つ目の願いに朱雀の封印、2つ目に美朱と自分を現実世界に帰還させ、二度と本の中に戻れなくする。という願いをした。美朱と和解した後に最後の願いを朱雀召喚に使い、自身の命と引き換えに美朱に全てを託した。
昔は金髪のロングストレートという罪つくりな容姿であった。10月26日生まれの15歳。
朱雀七星士
- 鬼宿(たまほめ)
- 美朱が初めて出会った朱雀七星士。額に鬼の字を宿す。そのため、幼い頃から「おばけちゃん」と呼ばれ、いじめられていた。このような過去から、「おばけちゃん」と呼ばれると激しく怒る。主にその八つ当たりは翼宿に向けられる。守銭奴だが、気は優しく家族思い。武術が得意で、用心棒として働いていることが多い。武術は白虎七星士の奎宿から習った。病弱な父とまだ幼い兄弟を持つが、心宿の策略により惨殺されてしまう。
太一君から与えられたものは、自身の気を放つ技。
6月28日生まれのO型。17歳。第2部では宿南魏として転生する。 - 星宿(ほとほり)
- 左の首筋に星の字を宿す紅南国の皇帝。性格は誠実で総明であるが、かなりのナルシスト。剣術が得意。女性と見まごう美貌を持つため、よく女性と間違えられる。物語中では美朱に惚れ、求婚する。そのため鬼宿と柳宿と美朱と星宿の四角関係になるが……。
太一君から与えられたものは、神剣。
4月2日生まれのA型。何と18歳という若さ。 - 柳宿(ぬりこ)
- 左胸に柳の字を持つ。美しく気品があり線が細い。透き通るような白い肌に泣きぼくろを持つ。色気もあり、美朱よりも女らしい。だが男だ。
双子のように容貌の似ていた妹がいたが、馬に轢かれ亡くなってしまう。その出来事をきっかけに女装をし、以来、妹を想い生きてきた。星宿を慕っており、美朱に嫉妬し険悪な関係になるも後に和解。美朱の相談相手にして気兼ねなく接することができる七星士。女としては星宿に惚れていたが、男としては美朱に惚れていたらしい。能力は巨大な岩をも軽々と持ち上げる怪力。死亡時期が早く、割と早く物語から退場してしまう。
太一君から与えられたものは、腕輪。籠手のようなものに変化し、自身の力を増幅させる。
3月10日生まれのB型。 - 井宿(ちちり)
- 右膝に井の字を宿す僧侶。語尾に「なのだ」とつけるのが癖。いつも笑顔の仮面を身につけており、その下には大きな傷が残っている。実はこの傷は、過去の大洪水が原因。洪水の際に流されそうになる親友の手を離してしまい助けられず、そのことを悔やんでいる。実はそれ以前に思い人との三角関係で揉めていた。七星士の中で一番の年長。常に落ち着いていて、フォロー役になることが多い。変身や瞬間移動など多様な術を使う。
太一君から与えられたものは、首飾り。自身の術の力を高める。
5月21日生まれの24歳。 - 翼宿(たすき)
- 右腕に翼の字を宿す山賊の頭。喧嘩っ早い熱血漢で女性が苦手。謎の関西弁を使う。空気を読まない無神経なところがあるが、美朱のことを大事に想っている。鬼宿が洗脳された際は美朱の「鬼宿を傷つけないで」という叫びを死守し、複雑骨折に全身打撲など重傷を負いつつも鬼宿を傷つけず美朱を守った。山賊の頭に代々伝授される鉄扇を武器として使う。形はハリセンだが、炎を操ることができる。その他にも符術のようなものを使って幻を作り出したりと、割と器用である。井宿同様、朱雀七星士の数少ない生き残り。鬼宿とは親友(悪友?)のような関係。
太一君から与えられたものは、ハリセン鉄扇強化。強化後は金色に変化している。
4月18日生まれのB型。17歳。 - 軫宿(みつかけ)
- 左の掌に軫の字を宿す医者。見た目は大柄で寡黙な性格。糸目の井宿にちょっと似た猫を連れている。最愛の恋人、沙華を亡くしている。治癒の能力を持っており、傷を癒すことができる。鬼宿の父親の病もこれで治した。治癒能力は体力を極端に消耗するため1日1回が限度。
太一君から与えられたものは、聖水。服まで再生するほどの力を持つ。
5月7日生まれの22歳。O型。 - 張宿(ちりこ)
- 左足の甲に張の字を宿す少年。13歳の子供であるが、優秀な成績で科挙に合格した。優秀で頭脳明晰、高い知識と知力を持つ……のは字が出現している間の話。普段は臆病でおっとりとした普通の少年。また力の制御も未熟で、字がいつ出るか消えるかもわからない。字が出た時の自分と、臆病な自分。そのギャップにコンプレックスを抱いており、七星士集めのときに姿を現さなかったのもそのせい。見た目は女の子に見えるが、立派な男の娘子。
太一君から与えられたものは、巻物。この巻物を使って青龍を封印した。
3月19日生まれのA型。 - 太一君
- 世界を治める天帝。老婆の姿で美朱と朱雀七星士を導く。本来は全ての国に対して平等に神獣召喚の手助けを行い導くのだが、青龍サイドに太一君は一度も現れていない。実は青龍七星士の心宿が陰の神を崇めていたせいで、陽の存在である太一君が見えなかったようだ。
青龍七星士
- 心宿
- テレビシリーズ朱雀・青龍編における黒幕。金髪碧眼で邪教とされる信仰を持つ異民族の出身…その上で幼い頃に青龍七星士の力に目覚めたがゆえに迫害を受けたり、力が暴走して母親を殺してしまったり、倶東国皇帝の慰み者といった散々な過去を持つ。そりゃ、世界を恨むわ。そんな世界に恨んでいた彼は、本の世界に来ていた唯を利用し、自己のために青龍召喚を目論む。自分以外の者は一切信じていなかったのだが…。作者のお気に入りゆえに短編パロディでは好青年のいじられキャラにされてしまう。
- 亢宿
- 角宿の双子の兄。争いは好まない穏やかな少年だが、笛を媒介にして気を発して落ち着かせたり発狂させたりすることができるという作中トップクラスのチートな能力を持っている。張宿を騙って美朱一行に近付いたが、朱雀招喚失敗後に朱雀七星士に追い詰められ、川へ転落。その後、老夫婦の亡くなった息子懐可の代わりとして生きることとなり、後に弟との同じ顔同士のラブシーン後に記憶を奪われ、生き延びる。
- 角宿
- 亢宿の双子の弟。暗器である流星錘を得物に戦うブラコン。ちなみに鬼宿の家族を屠ったのもコイツ(だいたい心宿のせい)。唯にかすかな想いを寄せていたが・・・。どちらにしろ戦死するがテレビと原作では亡くなる場所が異なる。
- 房宿
- 雷を操るエロい七星士。娼館で働いていた過去があり、心宿に気を送る房中術もお坊ちゃんお嬢ちゃんにはちょっと刺激が強い内容となっている。最終的には心宿の盾となる。
- 氐宿
- こちらも当時の放送倫理委員会が動きかねないことをしでかした七星士。貝を使って幻覚に他者を閉じ込める能力を持ち、実際に憧れのクラスメイトとして恋人に成りすまして美朱といい感じになりかける。しかし、本当はゲイで心宿が好き。独特のメイクは劇団一座で育った故の美意識からのもの。因みにメイクを落とすと、作中トップクラスの美形。本編ではブラコン角宿の怒りを買って退場。
- 尾宿
- 巨体由来の怪力と鋭い爪と牙で戦う戦士。狼の血が流れる人間で、七星士として拾われるまでは獣のような姿から見世物にされていた。実は人の部分が死んでも狼の部分で生き延びることが可能。もしかして:ゴリラ
- 箕宿
- 何年も昔から、他人の体に憑依し魂だけで生き続けて来た邪法使い。最初に美朱達と出会った時には大寺院の法王の姿をしていたが、最終的にはある人物とともに落命。
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