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この記事では二枚貝に付いて解説しています。 |
帆立(ほたて、ホタテ)とは、ウグイスガイ目イタヤガイ科に分類される二枚貝。帆立貝とも呼ばれる。
概要
ホタテは寒海性の貝で、寒い海で育つ。日本では能登半島以北の海岸、千葉以北の沿岸で採れる。また千島列島、カムチャッカ半島、朝鮮半島にも生息している。水深2、30mの海底で過ごし、砂中の植物プランクトンを食べる。移動の際、帆を立てているかのように見える事から帆立(ほたて)という名前が付けられた。産地は北海道(オホーツク海)が大半を占め、次いで青森が鎮座。大きく開いて宮城、岩手と続く。旬は9月から5月までとされる。産卵期の春に向けて体が引き締まるので美味しいのだという。
バター焼きが旨い。干物も美味。通常の貝より全体の大きさと比べ貝柱の比率が大きい。また貝柱は非常に美味で人気があり、貝柱は焼いても生でも美味しい。お寿司や刺身の具材としても活躍している。誰にも好まれる美味しい味を持つ事から「貝の王様」と呼ばれる場合も。ホタテそのものが生命だけあって栄養も豊富。タウリン、ビタミンB群、葉酸、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄分等を含有している。特にタウリンの含有量は魚介類トップクラス。高血圧予防、眼精疲労回復及び視力低下阻止、肝機能正常化、美肌効果、コレステロールの抑制、脳の活性化といった様々な効果が期待できる。近年の研究では、ホタテに含まれる糖たんぱく質ががん細胞の増殖を防ぐ可能性があると示唆されている。
店先に並んでいる事があるベビーホタテとは、文字通りホタテの赤ちゃん。養殖する際、大きく育たないと判断されて間引かれたものがベビーホタテと呼ばれる。このようにホタテは食用に養殖されている貝の一種。ホタテ漁師は稚貝の時にドリルで貝殻に穴を開け、そこへロープを通す作業を行う。これを耳つりと呼ぶ。逃げないようロープに固定されたホタテは数珠繋ぎされ、海中にて生育される。2、3年後に引き上げられ、出荷加工される。
1854年に黒船が来航した際、ペリー提督が函館からホタテを本国に持ち帰った。
生態
生まれてから1年間は全てオスである。2年目でオスとメスの半々に分かれ、生殖可能となる。産卵期は桜前線と大体同じで、3月~6月頃。環境によって変動し、一般的に寒い場所ほど産卵期が遅い。平常時は貝殻を少し開けているが、ヒトデ等の外敵に襲われた時は貝殻を上下にパタパタさせ、泳いで逃げる。寿命は10~12年ほど。1年で3cm、2年で8cm、3年で10cm、4年で11cmに成長し、貝類の中では比較的大きいと言える。これまでに見つかっている最大のホタテは20cm、重量1kg。16年間も生きていたという。
ホタテは外套膜に数十個の目を持っており、しかも1個で100度の視野を持つのですぐに危険を察知する事が出来る。ただ色の把握は出来ず、あくまで光の明暗が分かる程度である。万が一ヒトデに組み付かれた場合、貝殻の隙間から海水を噴射して逃げる。逃げられなかった時は貝殻を強引にこじ開けられ、中身を吸われて貝生を終える羽目になる。
ホタテと美女
また、ビーナスで有名な絵画があるがあの絵画でビーナスが誕生している貝はホタテである。(右図参照)
西洋では女神アフロディテの持ち物とされ、一説によれば美女はホタテ貝から生まれたとしている。フランスではアフロディテに関わりがある愛すべき存在とされている。
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