概要
1962年に発売した調味料「ハイミー」の売上が低迷したことから、味の素は鰹節の風味を添加する技術を確立した武田薬品工業に相談し、ハイミーに鰹節の風味を添加する実験を行なったが、思ったような成果ができず商品化されなかった。味の素は「ハイミーに鰹節を添加するのではなく鰹節そのものを使えばいい」という考えを持ち、1970年に発売したのがこの「ほんだし」である。ほんだしは瞬く間に大ヒットし、液体タイプや関西向けのイリコ(カタクチイワシ)タイプ、カツオの骨を添加したカルシウムタイプのものが次々と発売されるなど、企業としての味の素の主力製品となっている。
一方で発売当初、化学調味料のイメージの悪さ(「化学」という名前が工業的という解釈)と調味料としての味の素に石油製品を由来していたものが使われていた(現在は使われていない)ことからほんだしも批判の対象とされ、「ほんだしはカツオを煮た廃汁を使っている」「パッケージにカツオの絵を描いて胡麻化している」という根も葉もないことが書かれた本が出版され、それを読んだ主婦層が不買運動を起こす事態になった。また、YouTubeでは酵母や乳糖の由来がわからないと述べた動画が出回っており、これを見た視聴者はエコーチェンバー現象によってほんだしは買うべきでないと主張するどころか、味の素と日本政府との癒着で健康を害されているという陰謀論まで起きている。
これに対して味の素は「酵母はビールやパン由来のもの、乳糖は乳製品由来のものを使用している」と明記し、さらに鰹から鰹節を製造する工程と鰹節を粉砕して酵母や乳糖・塩分・イノシン酸などを混ぜて顆粒化するという製造工程を積極的に公開して打開に努めた(ちなみにほんだしを批判した本は絶版となっている)。
関連動画
関連リンク
- ほんだし(味の素公式)
- YouTobeでの製造工程紹介動画
(上述の関連動画よりさらに詳細に説明されている)
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