概要
平成26年度(2014年度)の中期防衛力整備計画に基づき、ミサイル護衛艦「はたかぜ」「しまかぜ」の後継として2隻が建造され、1番艦「まや」が令和2年(2020年)3月に就役、2番艦「はぐろ」が令和3年(2021年)3月に就役している。
まや型の就役により、海上自衛隊のミサイル護衛艦(DDG)は、こんごう型4隻とあたご型2隻と合わせ、8隻ともイージス艦となっている。
性能諸元
全長 | 170.0m |
全幅 | 21.1m |
排水量 | 基準8,200t |
武装 | Mk45 62口径 5インチ単装砲(Mob4)1基 高性能20mm機関砲(ファランクスCIWS)2基 Mk41VLS(垂直発射装置)前部64セル・後部32セル (装填弾)スタンダードミサイル(SM-2⇒SM-6/SM-3) アスロックSUM(VL-ASROC) 90式艦対艦誘導弾発射筒4連装2基(2番艦以降は17式対艦誘導弾を搭載予定) 3連装短魚雷発射管2基など |
レーダー | SPY-1D(V)多機能レーダー SPQ-9B対水上レーダー |
ソーナー | SQS-53Cバウソーナー MFTA曳航式 |
ESM/ECM | 各種電子装備 |
速力 | 最大30kt |
主機 | COGLAG方式 2軸 「LM2500」ガスタービン 2基 推進電動機 2基 |
搭載機 | SH-60JないしSH-60k哨戒ヘリ1機(最大2機) |
あたご型との相違点
- 共同交戦能力(CEC)
- まや型が全艦就役することにより日本はイージスシステム搭載艦を8隻保有することになるが、まや型ではそれら他艦とネットワーク上での連携が可能になる。
これによりたとえばミサイル防衛(MD)の参加中に日本海側のイージス艦がSM-3を撃ち尽くしてしまっても、太平洋側にいるイージス艦とデータリンクを行いSM-3を使っての迎撃も可能になる。 - また平成31年度予算に計上されたE-2Dとの協力により、まや型のレーダー範囲外の目標への攻撃および対処もリアルタイムで可能となるとされ、低空で飛来する巡航ミサイル等への対処能力の上昇にもつながることになる。
- 最新のミサイル防衛システム
- まや型ではイージスシステム最新バージョンであるベースライン9C1相当のが搭載されている。
これによりIAMD(統合防空及びミサイル防衛)が可能になり、SM-3による弾道ミサイル迎撃の最中にSM-2による防空戦も可能になった他、垂直発射式アスロック、ESSMさらにはSM-6、トマホークの運用も可能とされている(SM-6、トマホーク等の運用が可能かは不明) - COGLAGの採用とその他
- 機関方式はあさひ型と同じCOGLAGを採用。
この関係かあたご型に比べ全長が5メートル、排水量が約500トンほど増えたが航続距離は伸びたとされている。
この他、あたご型では後日装備予定の艦載ヘリコプターの着艦拘束装置も就役時より装備してことになっておりヘリコプターの運用能力の強化も図られている。
同型艦
艦名 | 艦番号 | 所属 | 進水 | 建造 | 艦名の由来 | |
就役 | ||||||
1番艦 (27DDG) |
まや | DDG-179 | 第1護衛隊群第1護衛隊 | 2018年7月30日 | ジャパン マリンユナイテッド 横浜事業所 磯子工場 |
兵庫県にある「摩耶山」より |
2020年3月19日 | ||||||
2番艦 (28DDG) |
はぐろ | DDG-180 | 第4護衛隊群第8護衛隊 | 2019年7月17日 | 同上 | 山形県にある「羽黒山」より |
2021年3月19日 |
余談
日本で2019年現在就役しているイージス艦はこんごう型3番艦「ちょうかい」を除き、すべて三菱重工業長崎造船所で建造されており、久しぶりの関東生まれのイージス艦である。
なお、「ちょうかい」を建造した石川島播磨重工業東京第1工場はすでに閉鎖され、現在は豊洲市場の一部になっている。
まやの進水式の際にちょっとしたハプニングがあった。
通常は支綱切断と共にシャンパンボトルが割られ、吹き流しと共にくす玉が割られ、祝砲も上がり『行進曲 軍艦』で進水式のメインを終えるのだが、一番目立つであろう艦首のくす玉が割れず吹奏楽隊の曲が終わっても割れないというハプニングがあった。
行き先が不安になるような出来事ではあるが、数十年後の退役する際まで何事もなくに退役時の一つの笑い話になって欲しいものである。(流石に縁起が悪いためか公式動画では編集が行われている)
関連作品
動画
進水式ノーカット版(問題のシーンは37分頃から)
静画
関連コミュニティ
関連項目
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