やぶさか(吝か)を、説明するのは「やぶさかではない」が、「やぶさかでない」けど、やっぱり「やぶさかではない」。
概要
「やぶさかでない」「やぶさかであるとは信じ難い」といった、あとで打ち消すような否定形を前提として使われる。
こういった直接的な主張をせず否定する修辞技法「緩叙法」と呼ぶが、「やぶさか」は緩叙法なのが何故かお約束。
つまり、「やぶさか」を単体で使われることは滅多にないほど、緩叙法と運命をともにしていると言っても良い。
文法では否定してるが、意味は肯定文であり、どっちに転がったか結果が複雑な日本語である。
その複雑さゆえに本来の意味を逆転した日本語の誤用しやすいものとして挙げられる。(後述参照)
なお、アンサイクロペディアでは、「ツンデレ属性を持つ謎の日本語」であると揶揄された説明がなされている。
ニコ動的には、至高のツンデレと呼ばれていそうな年配の男性が使用するにやぶさかではなかろう。
また、ほかに緩叙法を使用する前提な似たような言葉には「まんざらでもない」があり、
そちらのほうが「緩叙法のお手本」かのごとく知名度が高いし、誤用も滅多になさそうであるが、この差は一体?
意味
- (「~にやぶさかでない」の形での使用) ~する努力を惜しまない。~を喜んでする。
例: 「協力を求められればやぶさかでない」
文化庁が発表した平成25年度「国語に関する世論調査」では「協力を求められればやぶさかでない」を
本来の意味とされる「喜んでする」で使う人が33.8%/本来の意味ではない「仕方なくする」で使う人が43.7%
と、逆転しており、この単語の複雑さゆえの混乱を物語っている。
年代別の割合では、前者の割合は16~19歳から年代が上になるにつれて増え40代では約4割と最も高いが、
なぜか50代以降になると今度は前者の割合は低いといった、年代的な理由より混乱の末の誤用と考察ができる。
- 思い切りの悪いさま。
例: 「民衆も天才を認めることに ― であるとは信じ難い」〈芥川・侏儒の言葉〉
- もったいぶる。物惜しみをする。ケチなさま。
例: 「たとひ驕且(きゃうしゃ)にして―ならば、其の余は観るに足らざらくのみ」〈文明本論語抄・四〉
- 1986年発売のとんねるずの7枚目のシングル。
「やぶさかでない」(関連動画参照)
- 動画投稿者。
「やぶさかProject」(関連動画参照)
関連動画
関連項目
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