『らき☆すた 〜陵桜学園 桜藤祭〜』とは、「らき☆すた」を題材にしたプレイステーション2用アドベンチャーゲームである。2008年1月24日発売。
2010年6月10日、プレイステーションポータブルへの移植が発表された。
概要
ジャンルは恋愛シミュレーションゲーム(RAvish Romance ADV)とされており、レイティングはCERO: B(12歳以上推奨)である。DXパック(限定版)には予約特典(通常特典ではない)としてWindows用2D格闘ゲーム『らき☆ばと 〜Lucky Battle Chronicle〜』が付属する。
製作・著作は角川書店。開発は株式会社ブリッジであり、アニメ制作の京都アニメーションは関わっていない。これは元々、ニンテンドーDS用ゲーム『らき☆すた 萌えドリル』シリーズの延長として、アニメとは別のルートで製作されていたためである。
ただし、初代声優陣ではなくアニメ声優陣が採用されたため、主題歌でランティスは関わっている。OPは『ハマってサボっておーまいがっ!』、EDは『なんてったって☆伝説』であり、現在のところゲームの音楽で神前暁が手がけた唯一の曲である。
経緯としては、初代『らき☆すた 萌えドリル』の劇中において宮河ひなた・ひかげ姉妹が同人製作し、泉こなたがダメ出しをしたゲームが、NDSゲーム『真・らき☆すた 萌えドリル 〜旅立ち〜』の限定版にて、実際にPS2ゲーム『らき☆すら Lucky☆Star 〜RAvish Romance〜』として体験版(下記参照)が作られ、それが製品化したものである。
本来らき☆すたには、恋愛要素は殆ど存在せず、女子高生達の日常をゆるーくマッタリ描いた作品であるが、このゲームでは恋愛アドベンチャー部分において峰岸あやのを除く全9人のキスシーンが存在するなど恋愛要素は濃く、シリアスなシナリオも多数存在し、更に様々な怪現象に巻き込まれるという非日常的なシナリオとなっている。
シナリオに合わせてか、登場人物の性格改変が幾つかある。一例として、凶暴さが強調されて何故かメリケンサックを所有している柊かがみと冷酷な岩崎みなみが挙げられる。ただし、かがみや黒井ななこが攻撃的な性格なのはフロンティアワークス版ドラマCD・『萌えドリル』シリーズからの延長であるためで、アニメと異なるのは致し方ないところである。
上記のような従来のらき☆すたとはかけ離れた内容から、発売前は物議を醸し、発売後も賛否両論である。但し、かと言って出来が悪い訳ではなく、シナリオも凝られており、今までアニメにも未登場で原作でも出番が少なかった八坂こうを物語の中核に関係する重要人物として配役するなど、評価するべき部分も多いのも事実。キャラゲーとしてはかなりの良作といえよう。
発売日は当初夏ごろの予定といわれていたが、アニメの終わりごろに変わり、2007年11月29日と正式発表された後も、2007年12月20日、2008年1月24日と再延期された。
ゲームオリジナル登場人物
- 主人公
- プレイヤーの分身。3年生の2学期だというのに神奈川県から埼玉県にある陵桜学園の3年B組に転校してきた。転校早々、桜藤祭の準備に力を注ぐ羽目になる。何かとトラブルに巻き込まれ、頼りないがやる時はやる典型的な主人公。
- 永森やまと (声:廣田詩夢)
- 主人公と同じ日、同じクラスに転校してきたダブルポニーテールの女の子。当初は学園祭の準備に非協力的で無愛想だが、後に訳在りである事が判明して物語の中核に関わってくる。不可解な現象について何か知っているようだが…?残念ながら「らきらきメモリアル」の恋愛攻略対象ではない。
- 宇宙人
- 冒頭のラッキースターユニバースに登場する宇宙人。テレビ番組と思いきや…?
- チュン (声:今野宏美)
- ネットゲームを利用してチート、リアルマネートレード、さらにはネズミ講という違法行為までも繰り返す外国人の女子中学生。ちなみに劇中では中国人と明言されておらず、わずかに今野宏美のインタビューなどで述べられているのみである。
- オタク縦&横 (声:二人共に立木文彦)
- (※ゲーム内では「男性A」と「男性B」と表記)
おまけシナリオに登場。『萌えドリル』シリーズにも登場した劇中作「キラ☆スタ」のファンである。「キラ☆スタ」にはタガミ・ツバサという双子の姉妹が住む神社が登場しており、そのモデルになったとされる鷹宮神社に聖地巡礼に訪れる。意外にマナーは良い。縦の方は苗字が「土田」という事が台詞の中で判明しており、作中に登場するトレーディングカードショップの看板にも「つちだ」と書かれている事から、実家がカードショップであるか、本人が経営している可能性がある。簡単に言えば、お前らのこと。 - 猫耳メイド(仮)
- 初回登校時やゲーム終了後に一枚絵として登場し、吹出しで何らかのメッセージを残す謎のキャラ。口癖は「わかったか!ご主人ども!」
体験版 『らき☆すら Lucky☆Star 〜RAvish Romance〜』
本作発売の約半年前に作られた体験版が存在する。
詳細は『らき☆すら Lucky☆Star〜RAvish Romance〜』の記事を参照。
『らき☆ばと 〜Lucky Battle Chronicle〜』
発売日が予定より延長した際に予約特典として付加された「ごめんねCD-ROM」。
詳細は『らき☆ばと 〜Lucky Battle Chronicle〜』の記事を参照。
ファミ通騒動について
ファミ通で本作についての誤情報が掲載され、これについてはちょっとした伝説ができてしまった。情報として大きく間違っていたわけではないのだが、誤解を生む書き方になってしまっていたため、2ちゃんねるなどで大騒動になってしまった。株式会社ブリッジの公式サイトではパティをはじめとする本作のキャラが激怒してファミ通の情報を否定するというネタにされ、最終的にファミ通側からは謝罪文が提出された。
内容は以下のとおりである。
- ループ回数に応じて選択肢が増える。初回「らきすたメモリアル」は一本道で、2周目以降はひよりやパティが対象の「こみっくフェスティバル」などのルートが登場する。
→ おおむね正しい。初回は確かに第1章「らきらきメモリアル」だけである。 - 「らきすたメモリアル」での攻略可能はメイン4人のみ。
→ 間違い。「らきらきメモリアル」での初回の攻略対象はこなた・つかさ・みゆきの3人で、ゲームを進めるごとにルートが解放され最終的に10人が攻略可能となる。特にかがみのルート開放は遅いので2重3重に間違っている。 - 恋愛要素は少ない。 最初の「らきすたメモリアル」が一番恋愛要素有り。
→ これは人により判断が異なる。全体から見れば確かに少ないかもしれないが、「らきらきメモリアル」での恋愛要素は比較的濃いと思われる。ただ告白後の展開の濃さを望んでいたファンにとっては薄いと思う人もいた。 - らき☆すたファンは恋愛を求めていない。
→ らき☆すたキャラとの恋愛を求めていたファンも多かったため、炎上しかけた。 - 最終シナリオはほぼシリアス、ラストは友情エンド。
→ 全体から見ればおおむね正しい。
その他
- BGMのほとんどは『真・らき☆すた 萌えドリル 〜旅立ち〜』のアレンジバージョンが使われている。また、書籍『らき☆すた おきらくBOX かがみ編』に付属の萌えドリルのサントラは、1曲を除き本作と同一アレンジである。
- 当初は広橋涼らの初代声優陣を採用する予定だったらしく、シナリオの所々に中の人ネタと思われる名残がある。
- 設定も一部異なっており、黒井先生がゆい姉さんが既婚者である事を知っていたり(ただしこれは原作のカバー裏や8巻以降、キャラソンなどでもそうである)、こなた達が徒歩で通学していたりする。
- 全体的に『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』の影響が現れている。ちなみに偶然なのか、同時期に発売されたPSP版の『涼宮ハルヒの約束』にも同様の影響が現れている。
- おまけ要素として、集めた金でカードゲームを購入してCGを集める要素がある。ある方法を使うと簡単にカードをコンプリートできる。
- シナリオの途中で、8ビット時代を彷彿させる3Dダンジョンパートがある。
- 八坂こうは原作登場当初のコンプティーク誌上では「ゲームにあわせて登場した新キャラクター」という扱いだったが、これが本作を指すのかどうかは不明。『真・らき☆すた 萌えドリル 〜旅立ち〜』『らき☆すら Lucky☆Star 〜RAvish Romance〜』には未登場。
- 八坂こう、天原ふゆきに声優がつくのは本作が初である。
- ゲストキャラとしてアニメ店長兄沢命斗と殿鬼ガイが登場している。殿鬼ガイは『真・萌えドリル』以来の登場だが、『らき☆すた』において声優がつくのは本作が初である。
- 八坂こう、永森やまとには「らきらきメモリアル」の攻略ルートが存在しないが、この点についてブリッジの製作者インタビューでは新キャラなので不要と思ったが、入れるべきだったかもしれないと答えている。
- ある条件を満たした後、名前入力画面で登場人物の名前(一部変則有り)を代わりに入力すると、キャラ毎のおまけシナリオをプレイする事ができる。
- ほぼ全ての登場キャラ(チュン、オタク縦&横、アニメ店長関係者除く)にスク水姿(男性は海パン姿)のグラフィックが用意されている。これは美水かがみが描いた基本グラフィックがスク水を着た状態となっており、その上から着せ替え人形の要領でコスチュームのグラフィックを描いたためである。『萌えドリル』シリーズでも同様の手法がとられている。
また、全シナリオをクリアすると全員が水着姿で登場するおまけシナリオがある。 - オープニングは『スターウォーズ』のパロディ(台詞は『宇宙戦艦ヤマト』のパロディ)であり、その時に流れるBGMに初音ミクが使われている説がある。(このBGMは音楽鑑賞モードで聞くことができない)
- 理由は不明だが、深い事情によってギャラリーモードで閲覧できないグラフィックが数十枚ほど存在する。
- 主題歌の他、『電波☆体操』という挿入歌があり、劇中では『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のパロディシーンで聞くことができる。歌はチヒロ.ちゃん(12歳)とされているが、詳細は明かされていない。尚、CD化もされていない。
関連動画
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OPとプレイ動画
▼本作のプレイ動画の中で最も有名なもの。各キャラクタールートのラストでの視聴者の阿鼻叫喚や、その後の「ざまぁ」弾幕は一見の価値がある。
関連商品
関連項目
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