ら抜き言葉単語

• 概要
• ら抜き言葉となるまでの歴史
• なぜ「ら抜き」が行われたか
• れ足す言葉
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通常

男「助けてください！女の子が出られないんです！」
俺「え、それは大変だ早く助けに行かないと！！」

ら抜き言葉

男「助けてください！女の子がデレないんです！」
俺「」

ら抜き言葉とは、「見(ら)れる」「食べ(ら)れる」などのように動詞の可能形の「ら」を省略した言葉、特にその中でも上一段動詞、下一段動詞の可能形に関していう。

概要

定義としては動詞の可能形から「ら」を抜いたものであるが、全国的に見るとむしろ、「ら」を入れる方は少数派、もっと言うと江戸地方特有の表現といってよい。

ら抜き言葉となるまでの歴史

ら抜き言葉となるまでの動詞の活用の変化について概説する。平安時代に、日本語の動詞は主に四段活用（子音語幹動詞）と二段活用動詞（母音語幹動詞）が大半を占めていた。これらは、以下のように活用した（生くは元々は四段とか、上代仮名を考慮してないとか、語幹と語尾一緒とか、普通片仮名で書かないかとか、音便はどうしたとか、そういういろいろは置いておく）。

さて、可能形のもととなったのは、これらの動詞の未然形に助動詞「る・らる（-(r)ar-u, -(r)ar-e,）」が付いた形である。この助動詞は下二段動詞と相似たる活用を行った。以下に示そう。

さて、日本語において、歴史時代以前から終止形が連体形に合流していく流れがある。平安時代末期ごろから鎌倉時代に係り結びの衰退を相伴って終止形が連体形が合流していく。「つく」（現代語「付く」「付ける」）といった四段と二段動詞で終止形が同じものが多かったこともこれを助けたと思われる。二段動詞の連体形は終止形と異なるため、区別が付く。この結果、可能形は以下のような活用になった。

更に、二段動詞は中世期にかけて、語幹の末尾が/-u/と/-i, -e/の二系列あったものが、/-u/を排して一段動詞へと変化する。助動詞「る・らる」も同じように一段化した。

• -ar-u-, -ar-e- > -ar-e- > -are-
• -rar-u, -rar-e- > -rar-e-> -rare-

このうち、四段動詞の可能形に関しては、室町時代から/ar/が脱落して、可能動詞と呼ばれる派生動詞を作り始めた。これは後代には文法化して、現代の標準語では規範として認められている。

• -are- > -e-

一方、二段動詞の可能形も遅れながら、方言や口語で/ar/を脱落させていった。

• -rare- > -re

なお、この変化は四段動詞の可能形と対比しない場合、＜ら＞/ra/が脱落したようにも解釈できる。これがら抜き言葉と呼ばれるものである。

こちらは主に西国、西日本で広まったが、明治時代の標準語制定までに江戸方言、東京方言（特に山の手方言）にまで十分に膾炙しなかった様である。それでも、大正時代には文書で登場し、戦後に文語文教育が熱心に行われなくなる中、首都圏の口語において急激に広まっていった。

現代においては非標準的な用法とされるが、口語はもとより口語文においても散見される。明治時代においても、ら抜き言葉を許容或いは標準とする方言は人口の相当数に上っていることが推測されており、一概に標準的でないとして排除することは方言蔑視にわたる問題となり得る。

因みに、広まり方も動詞によって差異があり、語幹部が一音節の一段動詞では受容されている一方、二音節以上では必ずしも許容されていない。

なぜ「ら抜き」が行われたか

先に述べた通り、本来の可能形は動詞に助動詞「る」或いは「らる」が付いた形が基になっている。本来この助動詞が担っていた意味は「自身の意思に因らない行為」であった。ここから自身の意思によらない他者の行動によってされる行動として「受身」の意味が派生してくる。また、「自発」も自身の明確な意思ではなく、勝手にそうなってしまうという表現から発達した。「尊敬」の意味も、上位者の行為、行動は発話者の意思では動かしがたいという点から現れたと思われる。「可能」こそは自身の意思によるものと思われるだろう。然し、行動を可能ならしめる要素は自身の意思以外に、能力、内部環境、外部環境がある。「100mを10秒で走る」ことを例を挙げると以下のとおりである。

• 意思：自分が走ろうと思っている
• 能力：自分には100m10秒で走る能力がある
• 内部環境：病気やけががなく、走ることができる
• 外部環境：雨や風がなく、地面の状態も問題がない

このうち、自身が「100mを10秒で走る」ことを期待しているなかで能力や環境が主語に可能せしめた状態が助動詞「る・らる」の示す範囲である。結果として、「る・らる」の示す範囲は中古日本語において、以下のようになった。

• 受身 … 他のものに何かをされる。（例：運営に動画を消される。）
• 可能 … することができる。（例：ニコニコ動画を見られる。）
• 尊敬 … 話し手が誰かを敬う。（例：先生が光臨される。）
• 自発 … 自然にそうなってしまう。（例：β時代が思い出される。）

古代において、これらの意味が原義を介して密に隣接していた時期は意味判別をする必要がなかったはずである。ところが、助動詞「る・らる」の担う意味が拡大していくにつれ、これらの意味を区別する必要性が増大し、ついに四段動詞の可能に関しては派生動詞を作ることとなった。加えて、この変化は二段動詞（現代の一段動詞）にも波及し、非標準用法ながらら抜き言葉が普及することとなっていった。

なお、一般にはら抜き言葉は可能の意味で使われているのだが、実は一部の方言では受身や自発の意味でつかわれてるとか

音声的な観点から

活用表を見てもらえば分かるが、助動詞「る・らる」がついた形はやたらとラ行が続く。人間にとっては同音が続くと話し手は発音がしにくく、聞き手は聞き取りづらいという問題が生じる。これを回避するため、何れか一方の発音を変えるようにする力が働く（これを異化（dissimilation））という。

可能形動詞の派生やら抜き言葉の発展は、連続するラ行の一方（あるいは「-ar-」）を脱落させることで発音上の困難を失くそうとした動きであったと言える。

れ足す言葉

一部の方言（遠州弁、土佐弁）において、「見られる」「寝られる」などの一段動詞の可能形の類推から、四段動詞の可能形「行ける」「書ける」などに対し、「行けれる」「書けれる」などの形がある。これらのことを「れ足す言葉」ということがある。

関連項目

• 日本語
• 日本語の誤用
• 省略
• 手抜き
• ついてこれる奴だけついてこいッ！
• パンツの見れる3D
• パンツ見れる上に抹殺してもらえる
• パンツを見れる上に踏んでもらえる
• 家族で見れるMtU
• ツンだ、デレない

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