ろんぐらいだぁす!とは、『月刊ComicREX』で連載されていた自転車漫画である。
掲載を2018年5月号から休載していたが連載を『月刊ブシロード』に移籍し、併せてタイトルを『ろんぐらいだぁすとーりーず!』に改題し2019年4月号より連載中。単行本は2022年2月現在、既刊2巻。
また、単行本も移籍に伴い新装版『ろんぐらいだぁす!』が2020年1月より第0~9巻&小説がKADOKAWAより12ヶ月連続で刊行された。
公式Twitterの紹介文に自転車ゆるふわコミックと書いてあるが、ゆるふわなのは絵柄だけで本編はスパルタン成分多目というゆるふわ詐欺の筆頭である。
ぶっちゃけると公式ページや裏表紙にすら「ゆるふわ系?」と疑問符入れられているレベル。普通の女の子は徹夜ライドなんてしません。
もしかして:(おなか壊して胃がゆる)ゆる(ハンガーノックで体ふわ)ふわ…の略なんじゃ。
概要
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運動音痴な倉田亜美(大学1年生)が駅前で折りたたみ自転車に一目惚れし、貯金全額おろして折りたたみ自転車を購入してサイクリングを始め、ロードバイクに目覚めるお話。
チームで行うブルベであるフレッシュを目指そうという内容である。
主に距離に関しての感覚がぶっ飛び過ぎた自転車乗り達が集まって作られた同人サークル「ロングライダース」原案であるため、初っ端からハンガーノックだのフレッシュ(※フランス語、後述)だのとハードな用語が飛び交っているが安心して読んでいただきたい。
作者の過去作である「すぱすぱ」と世界観は共通とのこと。5巻冒頭で亜美が巫女さんのバイトをやっているが、この神社と着付けを行っていた巫女さんは、そちらからの出張である。
登場人物
※登場人物(キャラクター)の一部は実在の人物をモデルとしています。以下説明での「中の人」とはつまり、キャラクターのモデルのこと。
※声の人(CV担当声優)と中の人はイコールではありません。一応作者と担当の中の人以外はハンドル(モデルとなった実在人物)を出さない方向で。
※各キャラクターの作中での所有自転車と、そのキャラクターの中の人の所有自転車は、イコールではない場合があります。例えば亜美のFocusは白だが、実車はモデルこそ同じだが黒だったり、葵のクロスバイクとロードバイクは実在のモデルと同じだが持ち主が違ったりします。
※声の人はサウンドドラマを元にしています。アニメ版でもメインキャラクターは同一の模様。
- 倉田 亜美(CV.東山奈央)
- 本作の主人公で大学一年生。
運動音痴ながらも折りたたみ自転車からサイクリングを始め、紗希や雛子からロードバイクに関するレクチャーを受けたことからロードバイクの購入に踏み切る。
サイクリングへ行くのに朝食を抜いてハンガーノックに陥りShotzの洗礼を受けるなど、初心者であるためサイクリスト初心者にある数々のトラブルに見舞われる。 - それを経験にしていくという意味で読者の視点に立って見ていける子。
- 中の人は作者本人。最初は自転車に詳しい担当を主人公にしようと思っていたが、未経験者の方が読者も分かりやすいんじゃないか?→ちょうど良い人(担当に誘導されて自転車始めた作者)がいるじゃん!という事で主人公に抜擢された。2014年に200kmのブルベを無事完走するなど、亜美と一緒に成長している。
- ポン太君でヤマザキストア前(この漫画のせいで「亜美ちゃん坂」の通称が名付けられた)や、直後の風力発電所前坂を走れるので剛脚なのでは?という疑惑が発生しているが、単にギア比が軽すぎるだけと声明が出されている。
- 使用自転車はポン太君とFOCUS Culebro。
- 新垣 葵(CV.五十嵐裕美)
- 亜美の幼なじみで大学一年生。
亜美曰く運動神経抜群でスタイルもいいとのこと。
サイクリングが趣味でなにげにクロスバイク(Escape RX)とロードバイク(FELT F)の二種持っているほか、夜間走行専用装備も持ち合わせている。
その光りっぷりは雛子をして光害と言わしめるほどである。 - なお、このフル装備は中の人が実際に作った光害1号が元になっている(ただしこっちと違い自分で付けた名前)。現在確認出来るだけで5号まで増殖している。
中の人曰く「ファストランしないなら重さは関係無いですよ」とのことだが、全装備重量がロードバイクと思えない15kg以上となっているとか(ツーリングガイドVol1では光害装備+撮影機材で総重量20kgという目を疑う数値が書かれている)。 - オヤジも自転車趣味らしく、高額なホイールを購入して嫁さんに怒られていた事が(その時提案したコースが糸魚川ファストランのルートだったため、紗季並の重症患者で葵にも遺伝した可能性が大)。
- 西條 雛子(CV.大久保瑠美)
- ちっさいほうの先輩、大学三年生。貧乏。
- 亜美や葵をよりディープな自転車趣味にハマってもらおうと何気なく誘導していく。
実家は中華屋(※1)で、自転車に乗ってない時は家の手伝いをしているため料理は上手である。
CARRERAのPhibra TWOが愛車なのだが…この自転車、143cmの雛子にはフレームが大きすぎて乗れるはずがないという問題が指摘されている(中の人はここまでミニマムでは無いので普通に乗れる)。
実際にアニメ化した際、3Dモデル製作時に「他の4人は実車のフレーム寸法を使っているが、雛子だけは無視している」とTwitterでの発言があり、乗れないというのはほぼ確定している模様。 - 2014年12月、中の人のTweetにて、フレームの重要部分にクラックが入り廃車を免れない事が発覚。雛子の運命やいかに。と思ったら修理して使い続けてるらしい、雛子安心。
- 一之瀬 弥生(CV.黒澤ゆりか)
- おおきいほうの先輩、大学三年生。裕福。
自転車のパーツ大好きで特にカーボン・チタンが大好きな変人……らしい。(※2) - ホイールの振れ取りも自分でやってしまうレベルの重度整備マニアでもある。
一見あらあらうふふに見えるが、実際は飴と鞭の使い分けが上手で割りとハードな人。 - 使用自転車はM.マキノサイクルファクトリーのクロモリオーダーフレームがメインとなっているが、実はそれ以外にも大量に持っている(ぱぁしゅうたぁずのおまけ4コマで、雛子に「また新しい自転車組んでるのか」と呆れられるレベル)。
一部は妹(ぱぁしゅうたぁず主人公の葉月)に譲渡しているらしい。 - 高宮 紗希(CV.日笠陽子)
- めったに会えない先輩、大学三年生。
バイトや自転車旅行で居ないことが多く、渋峠までロードバイクで登るぐらいのロングライダーさん。 大学サボって北海道に行っていた事も。お陰で留年の危機。
5巻ではしまなみ海道走るのに、輪行ではなくわざわざ自走を選択するほどの重度ロングライダーであることが明らかに。推定距離は750km…たしかに4日あれば楽である(下記のBRMアタック1000kmの制限は75時間)
それを除けは割と常識人……だったのだが、最近では雛子と一緒に悪巧みをしていることが多い。 - 中の人は担当さん。埼玉→秋田→いわき1000Kmやフレッシュ2012/2013を完走するなどの超剛脚の持ち主。本当はブルベの頂点パリ~ブレスト~パリにも出てみたいらしいが、仕事を全部投げ捨てないといけないので困っているようだ。
本編で紗希が北海道に行ってると言われていたが、実際そのタイミングで大夕張200kmに参加していたりする(ツーリングガイドVol2に参戦記が掲載されている)。 - 使用自転車はM.マキノサイクルファクトリーのカーボンバイクMK01。このマンガのプロモーションのために作られたスペシャルカラーで、デザインもジャージ同様に作者が担当。当初は非売品だったが、今はこのカラーの指定も可能。MK01だけでなく、弥生が持っているクロモリ仕様や、ミニベロもFortunaカラーのオーダーが出来る様になっている(その後クロモリは担当が、ミニベロは作者がお買い上げ)。
- ちなみにいろはで崖落ちした時に乗っていたCAAD10も中の人の物。これで前出の埼玉1000kmを完走している。
- 佐伯 美弥(CV.楠田亜衣奈)
- 亜美と同じ講義を受けている子。知っては居たが会話らしい会話をしたのは亜美がゆるポタ中に迷子になっていた時に出逢ったとき。
- 順調に自転車沼に沈められているのでこの先期待。
手持ちの自転車はビアンキのIMORAだと思われるが、初めてのロードでクロモリフレームをチョイスする辺り只者ではない予感。 - パカさん(CV.東城咲耶子)
- サイクルショップ「PACA CYCLE」の店主?
アルパカのかぶりものや語尾にパカを付けるぐらいにアルパカ推しである。 - 本来の店名よりアルパカサイクルという名前の方が有名だったモデルとなったお店(てれびらいだぁすの収録現場にもなった)は、残念ながら2014年に閉店してしまっている。ちなみに亜美たちの大学もこの近く…というか通りを挟んだ向かいにある大学がモデルとなっている。
- 津田さん(CV.津田健次郎)
- サイクルカフェ「Allez(アレー)」の店主。
- 元々はサウンドドラマにて、原作では某デ○ーズの代わりに登場していた。
- 6巻の描写風景から見るに三浦半島の先っぽ辺りにある模様。
- 紗希がひいきにしている店でもあり、彼女ぐらいしか完食していない大盛り料理が用意されている。
この人もすぱすぱとの関連があるそうで。
注1.モデル元となった店は北京料理 双龍として実在します(中の人公認、アニメ版OPで出てきた料理セットなどが裏メニューで注文可能)、他にもほとんどのお店も実在の物。
注2.LONG RIDERSで配布された告知チラシ参照
余談
雛子と弥生、紗希が着用しているサイクルジャージは実在するものが使用されており、雛子と弥生(と2巻に登場した優しいサイクリストの皆さん)が着用していたジャージはニコ生自転車部のものが、紗希とパカさんが着用していたジャージはメイドさん学科自転車部のものが使用されている。
作中で亜美たちが自作デザインしたFORTUNAジャージは上記2部の助力があって制作され、株式会社アウローラから商品化もされた。どうも好評らしく、数度再版が掛かっているが、入手チャンスはさほど無いので、欲しい人はグッドスマイルカンパニーのサイトやアウローラのサイトをまめにチェックすべし(アウローラはGSCに流通を委託しているのもあり、GSCのサイトに掲載される)。
各キャラにはそれぞれモデルとなる人物が存在している。誰がモデルなのかはツーリングガイドVol1内に記載されている。
同時に全てのロケーションは作者三宅大志、もしくは担当さんが実走して取材している。担当曰く「作者が体張ってる度では日本で3本の指に入るでしょう」とのこと。
その体の張りっぷりは作者のPixivアカウントにあるWeb漫画版や単行本のカバー裏で垣間見ることが出来る。
用語集
- ハンガーノック
- 低血糖状態とも、つまるところガス欠である。
- 日常生活で陥ることは珍しいが、亜美のようにサイクリングだっていうのに朝食を抜くとShotzのお世話になるかもしれない。
- 運動をするときは早寝早起き朝食しっかりの三拍子を取ろう。
- ブルベ
- フランス語で公認という意味。
制限時間以内にチェックポイントを回っていく、サポート無しで行うロングライド競技である。
日本ではフランスのオダックス・クラブ・パリジャンからの委任を受けたオダックス・ジャパンと呼ばれる団体が認定・統括をしている。日本でメインに行われているのは200km、300km、400km、600km、1000kmの5種とフレッシュ。
200km~600kmの4本を1年間に完走するとシューペル・ランドヌール(SR)の称号と専用のメダルを貰える。ロングライダースに参加するライダーの中には3セット完走する猛者がいるそうな。 - これとは別に標高差10000mを超える常設コースで、イベント日が決められていないシューペル・ランドネ600kmというマゾイベントが存在する。こちらは制限時間こそ通常の600kmより緩いものの(ノーマルの600kmが40時間に対しSR600kmは60時間)、そのアップダウンが足にダイレクトにダメージを与えるため、規定時間内での完走はかなり難しい。ただ規定時間をオーバーしても、一定条件を満たせば完走扱いにはさせてくれる。
- 余談だが600km以下はそれぞれ上の距離を走っても下が完走扱いになるため、600kmを4本走ってSRメダルを取得出来るが、1000kmだけは他の距離の代替えにならない。紗希の中の人がこの罠にハマって参加予定に組み込んでなかったブルベをもう一本走る事になったのは有名な話(LONGRIDERS1.0にその辺は詳しく記載されている)。
自己管理が求められるため、長距離のブルベになると仮眠などを取るための時間を割くためにそれなりの走力を要求されてくる。(速度にして22.5km/hほど)
マシントラブル等で走行不能になった場合はDNF(Did not finish、要するにリタイア)宣言も可能だが回収はないため、自分の力で帰宅することが必要となる。この時主催者に連絡しないと行方不明扱いされるので、携帯電話と小銭は必ず持って行こう。あと友人に車で迎えに来てもらえないような場所の場合は輪行袋も忘れずに。 - フレッシュ(Fleche)
- フランス語で矢の意味を指す。作中で亜美が勘違いしたような新人レースではない。
- 3人から5人(正確には3台から5台、海外では2人乗り自転車で参加する人も居る)でチームを組んで24時間で360km以上を走るブルベである。
ゴールポイントは指定されているが、スタートポイントの指定は無く、自信があれば360km以上を走って認定してもらうことも可能。 - 細かなルールはあるが詳細はこちら
関連静画
めでぃあみっくす!
ミニTV番組 てれびらいだぁす!がTOKYO MXにて2014/4/2(水)より毎週水曜22時27分〜22時29分に放映されていた。
Webラジオ らじおらいだぁす!が響 -HiBiKi Radio Station-にて2014年、2015年と二度放送された。
とメディアミックスも開始されます!
そしてついにアニメ化も2016年秋に放送決定!更に発展するゆるふわ詐欺ワールドが楽しみである。
らじおらいだぁす!第一期はコミックス3巻特装版、テレビらいだぁす!はコミックス4巻特装版に全話収録されています。
アニメ
スタッフ
- 原作:『ろんぐらいだぁす!』(著:三宅大志)/一迅社「月刊ComicREX」連載
- 監督:吉原達矢
- キャラクターデザイン・総作画監督:普津澤時ヱ門
- シリーズ構成:高橋ナツコ
- 色彩設計:原田幸子、古市裕一
- 美術監督:小幡和寛(ステロタイプスマーチル)
- 撮影監督:浅川茂輝(レアトリック)
- 3D監督:内山正文(ラークスエンタテインメント)
- 3D制作:ラークスエンタテインメント
- 音楽:堤博明
- 音響監督:森下広人(叶音)
- アニメーション制作:アクタス
- 製作:ろんぐらいだぁす!製作委員会
放送局・配信サイト
放送局 | 放送開始日 | 放送時間 | 備考 |
---|---|---|---|
AT-X | 2016年10月8日 | 土曜 21:00~21:30 | |
TOKYO MX | 土曜 22:30~23:00 | ||
サンテレビ | |||
KBS京都 | |||
BS11 | 2016年10月9日 | 日曜 03:30~04:00 | |
配信サイト | 配信開始日 | 配信時間 | 備考 |
ニコニコ生放送 | 2016年10月15日 | 土曜 22:00~22:30 | タイムシフト有り |
ニコニコ以外では、バンダイチャンネル、AbemaTV、dアニメストア、Hulu、J:COMオンデマンド、ビデオパス、U-NEXT、アニメ放題、Playstation™Video、ひかりTV、GYAO!ストア、Google Play™、Amazonプライム・ビデオ、Amazonビデオ、Rakuten SHOWTIME、TSUTAYA TV、DMM.com、FOD、ビデオマーケット、HAPPY!動画、アクトビラ、ふらっと動画にて配信。
ツーリングガイド
紗希の中の人によるブルベ参戦記1本+今年ろんぐらいだぁす!に登場した場所の実走レポート+スピンオフ小説「ぱぁしゅうたぁず ~ろんぐらいだぁす!・じゅにあ~」(作:阿羅本景)+アンソロジーコミックが掲載されている。2013年より年1冊のペースで発売されている。
ライターがロングライダースに参加していることもあり、ろんぐらいだぁす!よりはLONGRIDERSに近いややハードな作風となっている。とはいえ第1号冒頭のフレッシュ2013富山~滋賀を除けば距離もさほどでは無いので安心して見ていただきたい。
書籍扱いなので売り切れ=絶版と普通はなるのだが、まさかの増刷がかかったという情報。
関連動画
関連チャンネル
関連項目
- 一迅社
- 月刊ComicREX
- 自転車
- ロードバイク
- 漫画雑誌
- 漫画作品一覧
- 南鎌倉高校女子自転車部(ろんぐらいだぁす!繋がり)
- アニメ作品一覧
- テレビアニメ
- 2016年秋アニメ
関連リンク
- 三宅大志のブログ - 作者ブログ
- 三宅大志 (@miyaketaisi) | Twitter
- 株式会社アウローラ - FORTUNAジャージの商品化に携わった
- Facebookアカウント - 裏話が掲載されることも
- Twitterアカウント
- ろんぐらいだぁすとーりーず! | 月刊ブシロード
- アニメ
- RITEWAY OFFICIAL BLOG - サイト内に聖地巡礼の記録あり
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