アイスリボンとは、2006年6月20日に旗揚げされた女子プロレス団体である。
事業運営は有限会社ネオプラス、アイスリボン事業部が行っている。
概要
2006年に3月20日に始動した格闘演武研究会『ホットリボン』としてのファンクラブ活動を経て、同年6月20日に正式旗揚げ。当時は通常プロレスのリングを使用せず、低反発マットの上で試合を行っていた。
(通常のリングと違い、ロープやコーナーポストが存在しないため、上位選手に相当なプロレス脳が求められる。)
この形式によるメリットは、『持ち運びが容易』、『予算削減』、『観客との距離が狭まる』など。
同年末にはこの低反発マットを東京・市ヶ谷の雑居ビルの一室に設置した常設会場を設ける。
現在でも、このマットは出張興行で用いられている。
2009年に入り、埼玉県蕨市に一回り小さいリングが設置された道場兼試合会場「レッスル武闘館」を開設。全機能を市ヶ谷から移転。同時にDVDやアイスリボンが制作に協力した映画などで関わったネオプラスによる法人事業に移行する。元々ネオプラスは本業であるネットコンテンツビジネスと並行して、大日本プロレスをはじめとするプロレス映像制作に携わっており、満を持してのプロレス業界本格参入となる。
同年8月には後楽園ホールに進出。更に大阪・名古屋・札幌・仙台・長野と地方興行も開催される様になる。地方興行は単独興行の他、大日本プロレスや、大阪プロレスなどの地元インディー団体との合同興行になる事もある。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による建物の損傷で閉鎖された後楽園ホールの再開一発目となったのも、同年3月21日のアイスリボン・大日本プロレス昼夜興行となった(福島第一原発事故の影響で節電しながらの大会となっている)。
出張興行も頻繁に行われており、前述のマットでの試合は勿論、リングを使っての試合も行われている。但し、アイスリボンには、「場外に出た場合に20カウント以内に戻らないと失格」というルールがない為、これを利用した場外乱闘(とあるブログではこれを「大戦争」と呼ぶ)がある意味名物とも呼べる。
選手の年齢層は従来の女子団体よりもかなり幅が広い。
当時存在した異色女子プロ団体『我闘姑娘』から移籍したさくらえみをはじめ、
アイス生え抜きの現役中学生レスラーであるりほ、元引きこもりという経歴を持つ真琴などが在籍。
最近ではりほと同じ中学生選手のつくし、デビュー当時小学5年生のくるみなどの超若手などもデビューし、
主婦、芸能人などが参戦する団体の層により厚みが増した。
技量では他団体の選手に劣るが、独自の選手管理システムによる定着率が高いのも特徴で、
USTREAM・ニコ生等ネット配信専門の派生団体『19時女子プロレス』の選手を含めると在籍人数は20人以上。
2009年にはさくらえみ選手代表が2003年から該当者なしが続いていた女子プロレス大賞を受賞しており、
今最も勢いに乗っている女子プロレス団体ともいえる。
2011年8月からはニコニコ生放送でも同時中継を開始し、そして10月にはアイスリボンchが開設、
同時に放送を公式からチャンネル放送に切り替える。
2012年1月7日に、団体創設者で選手代表でもあったさくらえみが退団。さらに、主力選手であったRay、りほ、帯広さやかも離脱。藤本つかさが新選手代表となる。この危機的状況によって一時は集客も伸び悩んだが、その後も新人を次々にデビューさせており、勢いを取り戻しつつある。
2013年は藤本と志田光の「マッスルビーナス」が団体を引っ張り、他の選手がそれに食らい付いていく構図となっていたが、志田が2014年3月に退団。
これと前後して団体は、藤本と世羅りさを中心に、フリーランスから複数団体所属契約で合流した紫雷美央を加え、「団体力」をスローガンに掲げ、求心力を拡大。2014年2月に記録的大雪で開催が危ぶまれながらも仙台での大会を成功させると、3月21日大日本プロレス博多スターレーン大会で初めて博多での試合(WAVEとの対抗戦)を敢行。5月6日昼の横浜ラジアントホール大会でニコニコプロレスチャンネルで生中継されたニコ生(実況:鈴木健.txt、解説:須山浩継、休憩中ゲスト:アブドーラ小林)で、メジャー団体が持っていたニコプロのニコ生総合視聴者数を更新(タイムシフト含めて6704人が視聴)。更に5月中の道場マッチ月間平均入場者数が100人を記録する。8月中旬の後楽園ではつくしが全面的にプロデュースし、10代もしくは若手が中心となった興行を開催。この大会以降、「鎖国」と称して他団体交流を基本的に断っていたスターダムとの本格的な交流を開始。そして12月28日、JWPと昼夜興行として行われた後楽園ホール大会では、アイス側シングル王座ICE×∞王者・藤本つかさと、JWP側シングル王座JWP認定無差別級王者・中島安里紗、それぞれの次期挑戦者に指名した事を受けて、昼と夜で王者・挑戦者を入れ替えてのタイトルマッチをそれぞれの大会で実施するという初めての試みが行われた(この2大会もニコプロでニコ生中継)。
そして団体創立10周年となる2016年5月4日、横浜文化体育館で、団体最大のビッグマッチを敢行。1552人の観衆を集め、成功を収めた。
2020年、新型コロナウイルス感染拡大による日本国政府からのイベント開催自粛勧告に伴い、3月下旬から一切の大会開催が出来なくなったが、前述の『19時女子プロレス』によって築かれていたフォーマットを生かし、ニコ生配信による無観客試合を開催し、危機を乗り切った。特に初回の3月大会では、OZアカデミーからゲスト参戦した尾崎魔弓代表(with 「ニコプロ民のアイドル」ポリス)の通常運転ぶりにも助けられた。緊急事態宣言が全面解除された6月以降は再び有観客にシフトしたが、プロレス会場は『3密』が避けられない事から、大幅に座席数を減らし、ニコ生PPV配信と併用して開催している。
2021年11月末付で、休業中だった弓李が引退、またテクラが本人の希望により契約解除。同年12月末付で世羅りさ・藤田あかね・宮城もち・柊くるみ・鈴季すずの5名が退団しハードコアユニット「プロミネンス」を結成した。また雪妃真矢が所属契約を終了してフリー参戦に移行した。
2022年5月4日、春輝つくしが引退。また藤本つかさが休業に入る。
2018年3月に若手主体興行のブランド「P's Party」を立ち上げたが、CMLL女子部との提携から2022年春に新団体を立ち上げる関係で、2021年12月にP's Partyの活動を休止した。
2022年5月に、石川奈青が結成したユニット「KISSmeT PRINCESS」のCD発売記念興行「Princess's Party」を開催。以降は選手入場曲担当アーティストやアイドルのライブを取り入れた興行として不定期開催。
所属及びレギュラー参戦選手
所属選手
レギュラー参戦
スタッフ
- 団体代表:佐藤肇(有限会社ネオプラス代表取締役社長)
- レフェリー:斉藤一二三・MIO(紫雷美央)・バニー及川(選手兼任)・石黒淳士 (フリー)
- リングアナウンサー:千春・はらあい
- スーパーバイザー:豊田真奈美(元全日本女子プロレス)
- その他スタッフ:テキーラ沙弥(ニコ生試合中継MC、元選手兼飲食部門担当)・三島通義(メディア戦略担当、元ニッポン放送)
退団・引退選手
- 松屋うの(2021年6月引退)
- 弓李(休業→2021年11月30日付引退)
- テクラ(2021年11月30日契約解除)
- プロミネンス(5選手、2021年12月31日退団)
- 春輝つくし(2022年5月4日引退)
過去のレギュラー参戦選手
団体の所持する王座
- インターナショナル・リボンタッグ王座
- NEO女子プロレス(2010年12月31日解散)の北沢タッグを流用したベルトが特徴のフラッグシップタイトル。男女タッグや男子タッグでも挑戦可能で、ハードコアルールでも行われた。ベルトの色は赤。
- 30分1本勝負。時間切れ引き分けの際は王座剥奪。
- ICE×∞(アイシーイー・クロス・インフィニティ)王座
- 真琴により2008年創立。当初は挑戦者は体重60kg以下に制限された。2013年7月14日、王者・藤本つかさによって体重制限撤廃。ベルトの色はスカイブルー。
- 30分1本勝負。時間切れ引き分けの際は王座剥奪。
- トライアングルリボン王座
- 2009年設立。試合形式が3WAYマッチ系に限られる、「三つ巴のための王座」。ベルトの色は黄色。
- 15分1本勝負。時間切れ引き分けの際は王座剥奪。また、2人で関節技をかけてギブアップなど明確な勝利者が居ない場合も王座剥奪となる。
- FantastICE(ファンタスト・アイシーイー)王座
- 2020年8月創立。チャンピオンがルールを自由に決められる。ベルトの色は白。
P's Party管理・認定王座
- IW19(インターネット・レスリング19)王座
- 2011年に「19時女子プロレス認定インターネットシングル王座」として設立。設立当初は年齢やキャリア、防衛回数の制限があったが、2012年1月より制限を廃止し、無差別級王座となる。
- 2013年7月14日をもって一度封印されるが、新型コロナウイルス感染拡大でネット配信による無観客開催に切り替えた事から、2020年5月に復活。
- 観客の有無に関わらず配信中継があれば王座戦の開催が可能。19分1本勝負、時間切れ引き分けの場合は王者防衛。場外カウントは19まで。ベルトの色はマリンブルー。
- 2021年5月からP's Party管理・認定となった。同年12月のP's Party活動終了に伴い、王座を封印した。
関連チャンネル
関連動画
関連項目
外部リンク
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