アイテム(item)とは「品目」や「箇条」などの意味を持つ単語である。
- 曖昧さ回避
→アイテム(とある魔術の禁書目録)…『とある魔術の禁書目録』に登場する小組織。
概要
ラテン語の「item」という単語が語源になっており、これは「同様に~」などを意味する単語である。
また、綴りが同じまま現在の英単語として「item」と言った場合は「同様に」「種目」「品目」「特徴」「箇条」「項目の1つ」「リストの中の1つ」などの意味でも使われる。
現実世界において、個人の持ち物やアクセサリーなどを指す場合もある。
ボードゲームやコンピューターゲーム用語で「item」と言えば、国内外問わず「使うと良いことがある物」「便利な道具」などの意味で使われている。
ゲーム内の武器屋やショップで普通に購入できるもの、ガチャの景品、仕様上ひとつしか手に入らないもの、極めて低確率でしかドロップしないものから、使い物にならないガラクタ・産廃アイテムまで様々である。売却値が高いものもある。
戦闘後にドロップしたり人物から譲渡されるものもあれば、宝箱に入っている場合もあるある。
- 使用開始・購入後に一定の使用期限(タイムリミット)があり、それを過ぎると消えてしまうものもある。
- アイテム自体に重量が設定されており、キャラクターの運搬可能重量を超えると所持できないシステムをもつ作品もある。
主なアイテムの例(コンピューターゲーム)
装備アイテム
RPGにおいてほぼ必ず登場する品。
英語では他にも「arms(アームズ)」「gear(ギア)」「equipment(イクイップメント)」といった言い回しも用いられる。
キャラクターの職業・特性によって装備・使用できるアイテムが異なる場合も多々ある。溜め攻撃や使い込むことで威力が増したり、必殺技や特定の攻撃の発動に必須である場合もある。
- 剣や槍、杖、銃火器といった相手を攻撃するための武器。
- 鎧や服、盾、籠手、グローブ、履物といった身を守るための防具。
- 指輪やアミュレットなど、身に付けていると何らかの効果を発揮する品。
- 銃器の照準器(スコープ類)など、装備アイテムにアクセサリーとして副次的に装備するものもある。
回復アイテム
体力を回復させたり状態異常を直す効果を持つもの。
最も使用頻度が高いが、魔法やスキルで補うことができることも。
- 飲み薬や塗り薬などの薬品。もしくはその原材料となる薬草。
- 料理などの食べ物(食材含む)。豪勢なものほど効果が大きいことが多い。
- 固定数値量のHPを回復するもの、半回復/全回復するものまで様々。
- 死亡・行動不能状態から蘇生するアイテムを含める場合もある。
攻撃アイテム
使用することで相手にダメージを与えることができるもの。
いざという時のために取っておくことが多いが、あまり強いと本職が涙目になるため攻撃力が抑えられていたりする。
マジックアイテム
使用することで魔法が使えたり魔法と同じ効果を持つもの。
上二つと似通っているが、「アイテムとして使用すると魔法やそれに似た効果を発動させる武器や防具」や、「使用回数に制限があるが、お店でチャージすることで回復できる」といった品が該当する。
強化アイテム
使用したキャラクターのステータスを引き上げる…といった効果を持つアイテム。
一時的に向上するものと永続的に向上するものがある。
クラフトアイテム
アイテムの作成・強化を行う際に必要となる原材料。
それ自体は二束三文でも、ちゃんとした品になると価値が上がり金策にもなるといった作品が多い。
収納アイテム
物をしまったり、アイテム欄を拡張して多くの品を持ち運べるようにしたりするためのアイテム。
トリガーアイテム
重要アイテム
カギなどイベントの進行に必要不可欠なアイテム。キーアイテムとも呼ばれる。
後発の作品では、アイテム欄を圧迫しない様に別枠で所持していることにしている作品もある(例…『ファイナルファンタジー』シリーズの「だいじなもの」)。
無くなるとゲーム進行がほぼ不可能になるため、基本的に捨てたり売却することはできない。
コレクターズアイテム
集めることで何かいいことが起こったり、集めるという行為自体を楽しむもの。コレクト要素とも。
攻略・全クリには直接関係しないものもあるが、達成率・隠し要素の解放に必要な場合もある。
集めた要素のそれぞれにメッセージや情報、スタッフの遊び心が込められている場合もある。
- 戦闘面では役に立たないが、装備するとグラフィックが変更される装備品。
- 『ポケットモンスター』シリーズの「ポケモン図鑑」。
- 自分の部屋や家に設置できる、家具や観葉植物、絵画などのインテリア。
- スマッシュブラザーズシリーズにおけるフィギュア名鑑など。
レアアイテム(コンピューターゲーム)
その名の通り入手困難なアイテムの事をさす。これもゲーマー間ではよく話題となり、人気作かつ入手が困難な品程後々語り継がれることが多い。
「どうしてこうなった」のかは、希少性と共に下記の特徴を一つあるいは複数併せ持っていることが原因となる。
- 単純にドロップ率が低い。特にMMORPGかつ他者間で売買・トレード可能な品においては、ドロップ率が数千分の一でも高すぎる(=流通量が多くなる)ため、桁がもう二つ三つ繰り下がることも。
- 入手機会が少ない。
- 現在新規入手が困難もしくは不可能になっている。
- 有料課金ガチャなど、当選確率が低い・大金が必要・交換不可能といった複合的な要素が絡む場合もある。
- 一定の期間中のみ排出されるパターンなどあり。
レアアイテムの一例
大村正(円卓の生徒)
「ドロップ率が極端に低い」というただ一点のみで名を連ねる、ストロングスタイルのレアアイテム。
「Wizライクゲーで刀と言えば村正」というお約束の品で(まあ開発がチームラだし)、当然ながら最強武器なのだが、ハント開始から数十時間経過しても全然出ない…なんてことはザラ。たいていの場合は全員のLvがメイン・サブクラス共にカンスト、「もう倒せない敵なんていねーよ」となってから忘れた頃にポロリする。戦闘自体はサクサクなので(他のRPGが1戦戦う間に2~3戦はこなせたりする)試行回数を稼ぐのには問題ないのだが、それでもなおこの低ドロップ率である。とは言え「狩り続ければいつかは落とす」のがわかっている以上、MMOのように挑戦機会が極端に少なかったり、ゲットにリアルマネーを要求されるような品に比べれば入手難易度は全然高くない。
ただし、「ランダムで決定される強化値やプロパティ等の性能吟味も行う」となった場合は話が別となる。
吟味やめますか?それとも人間やめますか?
審判の日(FF11)
ゲーム内宝くじ「モグボナンザ」の1等景品。マイキャラの拠点「モグハウス」に飾ることのできる絵で、特にこれといった効果は無く純粋に鑑賞するだけの品。
肝心の入手手段であるモグボナンザだが、「リアル半年に1回位のペースで開催」「1等当選確率は10万分の1」「くじは1キャラにつき10回しか引けない(※)」といった仕様であり、「複アカ前提で1000キャラ作るぜ!」といった無茶でもしない限りはリアルマネーパワーでどうこうすることもできない。また、このアイテムは売買・譲渡に関わる行動が行えないため、入手できるかどうかは純粋に己の運の良さのみが決めることになる。
さらに、1等景品のラインナップに「かつて『取得にリアル数年の廃人プレイが要求される』『一般人のペースで必要なアイテムを収集すると終身刑コースになる』とまで言われた最強武器群」「使い方次第で億単位の金を稼ぎ出せるクラフト強化装備」などが含まれているのも問題。それらの実用的な品を差し置いて何の変哲もない絵を選ぶなんてどうかしている…ということで、取得者は現れないだろうと思われていた。
が、現れたっ…!そんな狂人酔狂な人が……っ!
そして証拠となるSSが自身のブログや外部サイト「FF11用語辞典」に掲載され、普通のプレイヤーでも見るだけならばできるようになった。
※…くじは1キャラにつき10個までしか所持できず、もしくじのナンバーを決め直したい場合は(ナンバーは自分で決めることができる)「くじを捨てて買い直す」ことになる。
また、くじ購入期間からその後の当選発表&景品交換まではリアル1か月程度の間が空くので、「当たるまでくじを引く」という行為そのものが最初から不可能。
盗賊のナイフ(FF11)
MMORPG史上トップクラスの価値暴落を引き起こしたアイテムの一つ。
シーフのジョブ特性「トレジャーハンター(アイテムドロップ率を上昇させる)」を強化する貴重な品なのだが、「落とす敵が周囲の敵との確率抽選、かつ極まれにしか出現しない」「運よくその敵を倒せたとしても、ドロップ率が極々低い」といった事情から価値が暴騰、それに目を付けたRMT業者が人海戦術で24時間出現地点に張り込み続ける…といった、ゲームとして健全ではない状況が続いていた。
しかし、さすがにスクエニも問題視したのか、バージョンアップにて「落とす敵の出現方法をトリガーアイテム方式に変更、そのアイテムも簡単に手に入る」「盗賊のナイフ自体のドロップ率も100%に」という仕様変更を実施。その結果盗賊のナイフは「誰もがうらやむ超レアアイテム」から「誰もが持っているユニクロアイテム」へと変化した。そして競売などの取引価格も格安になり、張り込んでいたRMT業者も消え去った。
08ヴァラー(Diablo2)※ノンラダーモード限定
胴装備「Arkain's Valor」のVer1.08以前の性能の品で、「装備者が習得している全てのスキルが最大で+2される」「装備者のLvに比例したVITと最大Life上昇」の2つのプロパティが売り。
後者のプロパティが特に強力で、クラスにもよるがこれ一つで数百単位で最大Lifeをブーストできる。ゆえに対人戦を好むプレイヤーからの需要が高かったのだが、Ver1.09にてナーフが実行されてブ-スト量が激減。最終装備の候補からは外れてしまった。
ただし、ナーフされるのは「Ver1.09以降で産出されるヴァラー」のみであり、オンラインモードの一つである「ノンラダー」に残っている「Ver1.08以前に産出されたヴァラー」はナーフ前の性能を保っている。そしてこれが今なお現存し続けており、どれだけハイルーンを積もうとも決して売りには出されない超々レアアイテムとして資産家が所持している(と言われている)。
なお、オフラインモードで旧バージョンに戻して遊ぶ「クラシックプレイ」を行う場合はこの限りではなく、Ver1.08以前に戻して遊べば全盛期のヴァラーを拝むことができる。もっともオンライン用のキャラとオフライン用のキャラは互換性が無いため自己満足となるが。
天下一品(信長の野望online)
プレイヤーA「ねんがんの 村正をてにいれたぞ!」
プレイヤーB「殺してでも うばいとる」
プレイヤーA「な なにをする きさまー!」
入手はたやすいが、維持管理が大変という珍しい例。
サーバー内に常に一つしか存在しない強力な品で、前述の「村正」や「与一弓」など知名度・性能共に最高級の品々が揃っている。
そしてこれらの品は以前は下記の様な仕様であったため、冒頭のようなやり取りが冗談抜きで発生していた。
なお、現在では「武術大会の入賞者に一定期間貸し出される強力な品」という形に仕様変更されている。
- 初期入手方法は敵からのレアドロップだが、PCの手に渡るとそれ以降入手方法が「所持者に対人戦を申し込んで勝利する」ことに変わる。
- 天下一品の入手状況(誰が何を持っているか)は、城下町の立て札から簡単に確認可能。
- 天下一品を所持中のPCは、一部のエリア・コンテンツ攻略中を除き、他PCからの対人戦の申し込みを断ることができなくなる。
- 天下一品は預り所に預けることができず、常に持っていなければならない。
- 天下一品を所持中のPCが死亡するとその天下一品は没収され、入手手段が初期化される。ただし、一部のエリア・コンテンツ攻略中は免除される。
- 天下一品を所持するPCは、獲得から数えて5回目の定期メンテナンスまでに「所持勝利条件」を達成しなければならない。もし期限までに達成できなかった場合、その天下一品は没収されてしまう。所持勝利条件は初回達成以降も定期的に達成し続ける必要あり。
ネットカフェ武器(MHF)
公式で「特典武器」に分類されている装備品で、その中でも「各種行動で貯まる『Nポイント』と引き換えに得る素材」を使って制作・強化する武器群の事を指す。
サービス終了までに計6つの武器種において実装されたが、中でも最初期に実装された「カリバーン(最終強化は「真聖剣エクスカリバー」)」は、高い物理攻撃力と睡眠属性値を併せ持つ強力な一振りとしてプレイヤーの羨望の的だった。
しかしながら問題となるのがNポイントの獲得方法。最も効率的かつ現実的な貯め方が、
「公認ネットカフェにてログイン&プレイすること」
なのである。
公認ネットカフェでMHFをプレイするとNポイントが2.5分に1P(=1時間で24P)貯まる。そしてNポイントは最終強化までにおおよそ十数万必要となる。あとはわかるな?
ちなみに実装の前に開発陣により入念な事前説明が行われたため、プレイヤーからの反感は買っていない。そして制作の大変さが重々わかっているためか、募集においてもこれらのネットカフェ武器は指定されることはなかった。
取れそうで取れないアイテム
データとしてはきちんと用意されているし、ボツにしたわけでもない。にも関わらずプログラムミスなどのやらかしによって、正規入手手段が用意されていないアイテム。
ささえのたて(FC版ウィザードリィ#1)
ドロップテーブルの入力間違えにより、落とす敵が1体も存在しないため正規入手不可能。
さすがに以降の移植版(SFC版やGBC版)では修正されている。
うら・むらまさ(GBC版ウィザードリィエンパイア)
ドロップを決める乱数生成プログラムに不具合があるため、無印ではうら・むらまさをはじめとしたいくつかのアイテムが、次作の『復活の杖』ではうら・むらまさが正規入手できない。何やってんだ☆魚。
無印においてはあまりにもバグが多すぎるため修正版との無償交換を実施したのだが、その修正版においても直っていない。うーむ…。
よって後年になって発覚したデバッグモードを使って無理矢理入手するしかない。
ボツアイテム
データこそゲーム内に残っているが、正規入手手段が用意されていないためバグ技や改造ツールなどを使用しないと出現させられないアイテム。『ドラゴンクエスト3』の「ちいさなメダル」(※DQ4以降の話ではない)や、『ロマンシングサガ2』の「ヘビースーツ」などが有名。
「出さないならデータごと消しておけばいいのに」と思った人もいるかもしれないが、それでも残してあるのは「本格的な修正を加えると余計に手間がかかるため、入手方法だけを潰しておく」という手法を採ったため。マスターアップの納期が迫っていて完璧に修正する時間が無い…といった状況では、苦肉の策としてこの手法が選択される。
余談だが、開発者の中にはボツアイテムのテキストに「データかいぞうはだめですよ」という隠しメッセージを仕込んでおくお茶目な人もいたりする。
使い物にならないアイテム
価値がない、使えない、使いづらい、弱い、なくても全く問題ない、邪魔、しかも売値が安いなど利点の少なすぎるアイテム。中には値段に見合っていない、名前負けしているなどどうしようもない物もある。
産廃武器や産廃装備だけを使用したやり込み・縛りプレイに用いられる場合もある。
見えないアイテム
理論上は取れるし使えるが、なぜか通常プレイでは気づかれない位置に置かれたアイテム。主にアクションゲームに存在する。
なぜそこに配置されることになったのかは開発者のみぞ知る。もしくは置いたことを知らなかったのかもしれない。
コイン(スーパーマリオ64)
そのコインはコース13「ちびでかアイランド」のチビじまの鉄球が出てくる壁の下に配置されており、もちろん通常プレイではほぼ必ず見ることはできず、カメラワークを駆使してめり込んで存在を確認することができるという代物である。「インポッシブルコイン」と呼ばれ、2002年に発見されたものの取ることは不可能とされてきた。しかし1996年6月の発売から18年越しの2014年に海外のプレイヤーのTASによって取得できることが判明した。壁にめり込んだり水判定から出た瞬間の1フレームのみのジャンプ判定を利用したりとした方法だが、理論上は人力でも取得できるはず。
レインボーコイン(ドンキーコング64)
本作において、レインボーコイン自体はありふれた存在だが、「ひるよるウッド」の水車小屋エリアのレインボーコインが出現するための盛り土が草むらに隠されており、通常プレイでは存在を確認することすらできない。1999年12月の発売から17年越しの2016年に海外のRTA走者に発見され、コミュニティが俄かにザワついた。
画像も合わせて投稿(Twitter)されているため、興味のある方は探してみてもいいだろう。
関連項目
- 10
- 0pt