アイドル八犬伝とは、アイドル育成ゲームである。(だが、ジャンルはアドベンチャー)
かの有名なアイドルマスターは、これが原点だとか。
概要
住民を殴り殺す探偵ゲームを作ったトーワチキと、エンディングでプレイヤーにトラウマを与えるゲームを作ったナツメとがタッグして作られたファミコンゲームである。
そのOPを原文からほぼ引用して載せよう。
あのねー、エリカねー、あのだいざいばつ、さいおんじけのさんじょなのー。
でも、なにかゆうめいなことしないといけないんだって。
ふたりのおねえさま、レイカおねえさまとシズカおねえさまはてんさいなの。
わたしはせいぜいうたうのがすきなくらい。
そしたらねー、ウーパーウーパーさんのミホさんが
っていうのね?
じゃあ、なっちゃおうか?
以上である。
このゲームを文章だけで説明するのは非常に難しい。詳しいことは、参考動画を見てもらうのが一番である。
なにせ、あのTAS動画でもストーリーは大体分かるのですから。
※注意
精神がまともであると自身に自信があるなら、このゲームはやらない方が吉である。
最後に、この記事を見てくれたあなたに
ありがトーワチキ
解説
トーワチキとナツメの共同開発で1989年9月14日に発売されたアドベンチャーゲームである。
ミソッカス(死語)の主人公エリカが姉2人との遺産相続競争に勝つためにトップアイドルを目指すというゲーム。
シナリオは脱力モノで突っ込みどころ満載だが、マジメにシステムだけ見ると実にあっさりめのゲーム。
かの『東方見文録』からシステム画面を流用して作られているが、いまいち機能していなかったプレイヤー交代を「仲間に意見をきく」として簡略化し、すっきりまとめられている。
『南総里見八犬伝』とは、主要人物が8人であるということ以外ほぼ無関係である。
タイトルBGM兼エンディングテーマ「きみはホエホエむすめ」のムチャクチャな歌詞が有名だが、通常BGMは特に電波でもなく安定している。なんと、2011年になって作曲者自身がアレンジに参加した「ホエホエ」のCDが発売されることになった(→参考リンク)。
2014年には桜ノ杜ぶんこより小説「アイドル八犬伝~南の島の太陽と星~」(著:衆堂ジョオ)が発売されている(→ニコニコ電子書籍)。
主な登場人物
主人公サイド
- 西園寺エリカ
- 主人公。ある財閥のお嬢様だが、優秀すぎる姉2人にバカにされて育ってきた。その姉を見返すために祖母の遺産を巡る競争に参加、唯一の取得である歌でトップアイドルになってやろうと一念発起する。性格としてはオバカさん。
何故か彼女の歌には人の心を寛大にしたり自殺を思い止まらせたりするパワーがあり、その天賦の才が修行を経て、あらゆる人を魅了する「ミラクルボイス」の力として開花する。
しかし、歌が上手いと自負する者や根性が捻じ曲がった者には効果が薄い。 - 真実ホシミ
- 少し先の未来を見通す能力を持つミステリアスな少女。エリカを空前絶後の逸材と認めた占い師・イチロウの孫で、彼の言いつけによりエリカの最初の仲間となった。
星の力を借りて能力を発揮するのだが、それがプラネタリウムの星でも人を殴ったら出て来るマンガ星でも良いというあたり、何だかありがたみが薄い。肥満の人が苦手らしく、後述するガガワやヨルシオに対するコメントが「みるのもいやです」と辛辣。
その力でエリカのアイドル道をサポートし続けてきた、仲間達の中で最も有用で活躍の目立つ存在だが、終盤にて実は彼女にある程度力をつけさせるためにイロモノ軍団から送り込まれたスパイだったことが唐突に判明する。 - 玉鹿ヤヨイ
- 都内一土地代が高いと評判の和菓子屋の跡取り娘。非凡な株の才能を持ち、店の相続税をそれのお陰で完納したという逸話がある。おかっぱの眼鏡っ子。
一応リアリストであり、一旦はエリカたちの行動をアホらしいとしながら彼女の歌を聞いたらすぐその気になってしまった。仲間になった後はエリカ売り出しのための資金を株取引で荒稼ぎする。
ちなみに看板商品の「みょうがまんじゅう」は食べると記憶が飛んでしまう恐ろしい代物。 - 青山ミサオ
- 凄腕のハッカーとして鳴らしている少女。パソコン名人決定戦で対戦相手にハメられていたところをエリカ達に助けられ仲間に加わる。色つき眼鏡とエセ関西弁が特徴。
パソコンの腕を買われてスカウトされたにもかかわらず、それが活かされた場面がまともに存在しない。またドット絵の出来がアレで男に見えることがある。 - 茶畑ヤチヨ
- 彼女が関わった催しは成功間違いなしと言われる女性プロデューサー。仲間達の中でも一際目立つゴッツさ。
彼女のショーに暴徒が乱入したところをエリカが歌で止めてしまったことに感激し、エリカの全面プロデュースを申し出てきた。
ヤヨイと同じく裏方に回ったため目立った活躍はないが、彼女の名刺を持っていれば、大抵の芸能事務所ならフリーパスで通れる。 - 江戸川ムラサキ
- 女だてらに花火師の棟梁を務める江戸っ子。花火の準備中に暴走族とケンカになってしまったところを、これまたエリカに助けられ仲間に加わる。
登場した章では、エリカが出題されていた謎かけの答えを花火で表現してみせたが、その後はあまり目立たず。 - 海道ミドリ
- ある地方都市を根城にしていた暴走族のヘッド。ムラサキ達とケンカに及んでいたところをエリカに止められて改心した。
ぶっちゃけ、八犬士役立たずランキングナンバー1。ミサオより仕事してない。 - 一枝モモミ
- 芸能事務所に潜入していたミーハーな一般人だったが、半ば数合わせのようなノリでエリカにスカウトされ仲間に。
しかし芸能界に関する知識の深さと広さにかけてはちょっとしたもので、落ち目アイドルの名前まで覚えている。
暗黒イロモノ軍団
- 暗黒イロモノ大王
- 姿を見ただけでまともな人間なら脱力するほどアホ臭い格好(ちょんまげカツラに鼻眼鏡、ピチピチランニングと黒マントでぬいぐるみの馬に跨ってる)をした怪人。芸能界の全てをイロモノパワーで支配せんとしている。
エリカの持つ空前絶後の素質に目をつけ、後継者「イロモノ女王」に仕立て上げようと企む。
終盤になって、実はエリカの祖父だったことが突然判明するが、西園寺家との関係は…?
また、本体は馬。夢破れた芸能人の怨念が馬のぬいぐるみに宿っていたらしく、上の人はその怨念に憑かれているようだ。 - ヤモリミユキ
- イロモノ大王の腹心である「イロモノ四天王」の1人。バラエティに転向したアイドルの成れの果てらしい。四天王の中では最も大王に近しい存在だったようだが、エリカと直接戦う機会がなかった。名前の由来は井森美幸。
- タジロマサシ
- イロモノ四天王の一番手。キツネのぬいぐるみを着ている変人で、繰り返し逮捕されているあの人にそっくり。彼も元はミュージシャンであった。サングラスを取られると逆ギレしてナイフを振り回す危ない奴。後述のワレナベを刺したショックで正気に戻った。
- やけにくわし
- エリカの行く先々で豆知識を呟きながら耳寄りな情報を教えてくれる謎のコラムニスト。その正体はイロモノ四天王の二番手で、エリカに力をつけさせるべく暗躍していた。揚げ足を取られるとものすごく弱い。
名前の由来は特にない模様。 - ワレナベトオル
- イロモノ四天王の三番手。二枚目俳優だったのが、太りすぎてイロモノに転向してしまった男。鏡を見るとショックで脂汗をかいて痩せてしまうのだが、何故かその汗が傷に効く。痩せて正気に戻った後は逆上したタジロに刺されたが、自分の脂汗を傷口に塗られたことで一命を取り留めた。
「元々は2枚目で、太ったのが一因でバラエティ転向」ということで元ネタは渡辺徹と思われるが、元の人はダイエット成功して随分経つ。 - てんまサキコ
- イロモノ軍団の下っ端。かつてトップアイドルだったが、今や鳴かず飛ばずで、スター運動会でしか出番がなくなっていた。それなのにガチンコでダンス対決をすると素人のはずのエリカに体力負けする始末であり、酸素ボンベでドーピングしていた。名前の由来は不明。
- ガガワ
- 下っ端で元野球選手。ドカベン体型。イロモノ歌手に転向しようとしていたらしいが、肝心の歌はヘタっぴ(歌ったときのBGMも音程外れまくっている)であり、ミラクルボイスに感動して歌手廃業宣言してしまった。
名前の由来は恐らく元南海ホークスの香川伸行氏。 - ヨルシオ
- 下っ端で元関取。関取仲間と一緒にお笑い歌手のクインテットを結成するつもりでいた。歌が巧く、エリカのミラクルボイスとガチで渡り合っていたが、歌い過ぎて、5人揃って酸欠を起こした(エリカはサキコから取り上げた酸素ボンベで助かった)。
名前の由来は四代目朝潮太郎と思われる。実際にCDも出していてヒットしたらしい。
関連動画
アイドル八犬伝☆ホエホエとらっくす
2011年にオリジナルスタッフが再結集して、『アイドル八犬伝』の歌をまさかのCD化。
プレイ動画
TAS
きみはホエホエむすめ
その他
関連商品
関連リンク
関連項目
- 9
- 0pt