アイレム(irem)とは、東京都千代田区に本社を置くパチンコソフト開発、ゲーム版権管理会社であるアイレムソフトウェアエンジニアリング株式会社の商品ブランド名および同社の略称である。
この記事ではアピエスに分化したアイレムを旧旧アイレム、主要スタッフ退社前のアイレムを旧アイレム、以降のアイレムをアイレムとして表記する。
概要
主な事業は「海物語」「大工の源さん」シリーズといったパチンコ機の映像部分の開発である。
元を辿ると言わずと知れた『スペランカー』などケレン味のあるネタゲーで有名なゲームメーカーだった。社名をアイレムとした1979年当時はアミューズメント施設の運営や機器のレンタル・販売を行っていた「International Rental Electric Machine」の頭文字IREMが由来であったが、いつしか「Innovations Recreation Electronic Media」と、意味自体が公式に変更された。
90年代に一度ゲーム開発事業から撤退しており、復帰後の1997年7月に親会社のナナオが石川県白山市に新たに設立したアイレムソフトウェアエンジニアリング株式会社にゲーム開発部門と版権が譲渡され、アイレム株式会社はアミューズメント部門と共に他社に売却され、株式会社アピエスとなった。この経緯から、ファンの間で「アイレムは一度潰れた」とネタにされることがあるが、本当にゲーム部門が潰れた現在これがネタになるのかは不明。また、古いファンやアーケードにこだわりを持つ人が「アイレム」というとアピエスを指す場合もある。
2011年5月に下記の理由により石川県の本社機能が東京開発部に移転、それに伴って石川側の社員が大量に退社(スペランカー先生で有名な高は車氏なども退社)、独自に「グランゼーラ」というソフトハウスを立ち上げている。
また、これに伴って開発者の館やアイレムひみつ日記(ふる里4コマ漫画)、ポンコツラジオといった旧アイレムコンテンツは完全に削除され、2012年を最後にエイプリルフールなどのネタ企画も途絶えてしまった。
このため、"アイレムは"今度こそ本当に潰れたと言って良いだろう。
旧旧アイレムについて
アミューズメント施設の運営とアミューズメント機器のレンタル・販売、そしてゲーム開発を行っていた企業。現在の社名は株式会社アピエスで、ゲーム開発はしていない(厳密に言うと、メーカーとしての活動を全くやっていないわけではない)。古くはアイ・ピー・エム株式会社としてゲームセンターのブロック崩しやインベーダーゲームの類似品を手がけ、1979年に社名をアイレム株式会社に変更したのちに初期のファミコンに参入したことでゲームメーカーとして一時代を築いた。1997年までテレビ機器で知られるナナオの子会社だった。現在は岡山県に直営のアミューズメントパークを2店舗持つ(公式ホームページから記載が消えているので閉鎖された可能性もある)アミューズメント運営・機器販売の企業である。(過去には兵庫県や大阪府などにゲームセンターを持っていたが、現在全て閉鎖されている)
ゲームメーカーとしての現在の主力商品は、千社札販売機や占いマシンなどのアミューズメントベンダーである。これは、アイレム時代から続く事業であり、現在でも新機種の開発は行われている。最近では、脳トレ系のミニゲームをプレイすると診断結果が印刷されて出てくる機械などが作られている。
1974年に辻本憲三氏(後のカプコン創業者、社長)が大阪でアイ・ピー・エム株式会社を設立。アーケードゲームブームでブラウン管製造をしていたナナオ(七尾電機)と生産提携、のちにナナオグループの傘下となる。1994年に一時ゲーム開発事業から撤退、本社をナナオと同じ石川県に移す。ゲーム開発に復帰後の1997年にゲーム事業部門と版権を新アイレムに譲渡。旧アイレムはアミューズメント部門と共にユウビスに売却され、社名を株式会社アピエスに変更した。1999年、ユウビスに資本参加していたアトラスに買収され、さらに2001年に当時の社長に全株式が売却された(売却総額1000円)。
旧アイレムについて
エイプリルフールネタページの製作・発表、『スペランカー先生』等、web漫画の掲載を行っていた頃のアイレムソフトウェアエンジニアリング株式会社であり、法的には現在のアイレムと同一である。あまりにもネタに力を入れる事から「エイプリルフールの覇者」「趣味でコンシューマゲームソフトの開発、「海物語」「大工の源さん」シリーズといったパチンコ機の映像部分の開発も行っている。」とまで言われるほどであった。しかし後述の経緯によりこれらの事業、活動から手を引く事となる。
東日本大震災による自粛?騒動とゲーム部門の推移
2011年3月14日、アイレムは公式ホームページにて『絶体絶命都市4』を発売中止とした。
同月11日の東日本大震災の影響による自粛と見られている。
同ソフトは当初3月10日発売予定であったが、2月の時点で2011年春への延期が発表されていた。
甚大な自然災害とその対処法・生存方法をテーマにしたゲームということもあり、ファンからは「中止になってよかった(延期になってて良かった)」という声と「こういう時だからこそ発売するべきだった(延期にならなければ…)」という声の二つに分かれている。
同月18日、アイレムは諸般の事情を鑑み、2011年のエイプリルフールイベントを実施しないと発表した。
地震に加えて計画停電の件もあり、他の企業系エイプリルフールページ(円谷プロなど)の多くもイベントを見送った。
その後、同月31日には2~3年以上続報が途絶えていた『バンピートロット2』の開発中止、PSP版『どきどきすいこでん』のアイレムらしからぬ明らかに残念な出来、2012年度のゲーム部門の新卒採用を見送り発表などの、今後の展開に対して不安視される出来事が続いていた。
そういった中、九条一馬氏・名倉剛氏らゲーム部門の中核スタッフが5月にアイレムを退社、新会社グランゼーラを立ち上げた事が明らかになった。さらに旧アイレム製のPSPダウンロードコンテンツが軒並み配信停止となったため、今後アイレムはパチスロ業務と既存版権の扱い等に専念するものと思われる(ただしスペランカー最新作については旧アイレムと縁の深いTozaiGamesに販売権を移管している)。
ちなみに、この件についてプラチナゲームスの稲葉氏がコメントを残している。
その後、絶体絶命都市シリーズについては2014年12月24日にグランゼーラが版権を取得。これにより、アイレムのゲーム部門は完全にグランゼーラに移行したと言ってもよいかもしれない。
これ以降は他社製ゲームへの開発協力は行っているものの、アイレム自身はゲームを出していない。[1]
代表作
旧旧アイレム
アピエスとして分離後
旧アイレム
現アイレム
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
関連リンク
脚注
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