アインハンダー(EINHÄNDER)とは、1997年11月20日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売された横スクロール・シューティングゲームである。アインハンダーとは、ドイツ語で「一本の腕」という意味である。
概要
スクウェアが開発した唯一の完全オリジナルの横スクロールシューティング。
(スクウェアブランドからはいくつかのシューティングゲームが発売されているが、横スクロール物としては1985年に発売した「テグザー」FC版があるのみ)
ちなみに縦スクロール物では「キングスナイト」等もシュー…ロールプレイングゲームである。
発売当時はゲーム性を問う傾向が強く、販売数に比べ評価は芳しくなかった。
斬新なシステムゆえに慣れる事が難しい上、シューティングとしてはカメラワークが近い=相対的に自機が大きい=動き回れる範囲が狭い、一見すると意味もなくボス敵に近距離格闘戦を挑んでいるようにも見える等、多数の疑問と理不尽さから低い評価を下された面は否めない。
しかし、ゲーム機の変遷により演出面が評価として重要視されるにつれ、本作は過去の名作として再び脚光を浴びる事となる。
その要因としては、シューティングゲームというジャンルながら出荷数が多かった事や、スクウェア初のシューティングというキャッチコピーによる宣伝効果が挙げられる。
現在では、オプション兵装である「ガンポッド」を活用した戦略性の高いゲーム性と、演出に同期した音楽などにより、「サンダーフォースⅤ」に並ぶ家庭用オリジナルシューティングとして高く評価されている。
機体
シークレット含めて5機存在。(括弧内は「:」を挟んで左がセレーネ軍呼称、右がゾードム軍呼称)
エンディミオンFRSマークII(Endymion FRS MK.II : Einhänder TYP2)
FRSシリーズ先行量産型。通常機体3機の内、もっとも多い3つのガンポッドの搭載が可能。装備中のガンポッドに加え、予備として二つのガンポッドを携行可能だが、装備時の初期装弾数は7割前後(正確には他機種の2/3)となる。
エンディミオンFRSマークIII(Endymion FRS MK.III : Einhänder TYP4)
FRSシリーズ最新主力機。慢性的なパイロット不足を解消するため、未熟なパイロットでも扱えるよう操縦の簡略化に重点が置かれた機体。
ガンポッドこそ1つしか搭載できないものの、初期装備である機銃の威力が向上している。
実際に操作が簡略化されている事から初心者向けと誤解される事も多いが、携行可能なガンポッドが一つだけという点が災いし、深刻な火力不足に陥る。従って、操作に慣れるのには向いていてもクリアを目指すには向かず、上級者やマニア向けの機体という側面を併せ持つ。
アストライアーFGAマークI(Astraea FGA MK.I : Einhänder TYP3)
FRSマークIIIの開発以前に試作された特殊仕様型戦闘機。機体上部にガンポッドマウントを一基新設することで、ガンポッドを同時に2つ扱うことが可能になり、火力の集中が可能となった。ただし、ガンポッドを2つ装備した状態では初期装備の機銃が撃てなくなるため、パイロットの技量が試される、テクニカルな機体となっている。
以降に記述する2機は、ゲーム中に特殊な条件をクリアすることで使用可能となる。
コックローチ(Unknown Fighter Type.I)
ゾードム治安警察の巡回車として使用されている機体。セレーネ軍に鹵獲され、セレーネの技術によって様々な改良が加えられた。
シルエットはステージ1に登場する敵「シャーベ」と同様で、本来は偵察用に使用する計画だった。この機体はガンポッドではなく、従来のシューティングゲームに近い「パワーアップ」によって強化されていく(最大20段階まで)。また、他の機体に比べ小さく、その分被弾しにくくなっている。
入手方法は、1ステージに3つずつ指定されたシークレットボーナス(特定のオブジェクトや敵機を倒すなど、全部で21個指定されている)を15個以上達成することが条件となる。
ちなみに機体名の「コックローチ」「シャーベ」とは、前者が英語、後者がドイツ語で「ゴキブリ」の意味である。
アストライアーマークII(Unknown Fighter Type.II)
アストライアーマークIの次世代型。機体の色は真紅。通称「赤アスト」。
アストライアーマークI同様、ガンポッドを2門同時に装備可能。だがこの機体の真価は、ガンポッド装備時の初期弾数が最大数(9999)となることにある。
ゲームバランスを壊す機体ではあるが、入手するには難易度をHARDに設定しコンティニュー3回以内でクリアする、という熾烈なハードルを超えなければならない為、事実上ゲームを知り尽くした者に与えられる「おまけ」であり、勲章であると言えるだろう。
……チョコボのダンジョン?貴様、ズルをしたな!
ガンポッド
初期装弾数はアストライアー、エンディミオンマークⅢのもので、エンディミオンマークⅡは表記数値の2/3。ジュノー以降の4つは特定の条件でしか入手不可能な隠しガンポッド。
速射可能ガンポッド:リロード時間が一定でなく、画面内から発射弾が消えた瞬間に次弾装填の完了するもの。画面端や敵目前などで連射が効く。
V-バルカン
ゾードム軍に広く普及している機銃。装弾数600発。
弾は多いがとにかく威力に乏しいのが難点。初期機銃にも劣りかねない。
そのくせ敵に撃たせると凶悪で、大抵は予備動作が無いため事故が多い。
バルカンの名誉のために言っておくが、「まったく使えない火器」ではない。
丸裸よりはマシであるし、エンディミオンマークⅡなら携行する機会がないこともない。
C-カノン
装弾数45発。少なめの装弾数、優れた弾速・威力が特徴の火器。
小型機を貫通する強力な威力に反して装甲破壊力が劣悪なのが難点。活かすにはコアへの正確射撃が必須。
アストライアーで上部に装備した時のみ速射可能。不思議なほど大量の薬莢が飛ぶ。
W-ワスプ
装弾数75発。一応速射可能。
上部装備時には自動追尾ミサイル、下部装備時には正面に飛ぶロケットの多目的ランチャー。
ワスプミサイルは画面奥・手前の敵に攻撃できる唯一の武器である。そのトンデモ誘導は文字通り蜂。
S-スプレッダー
散弾砲。装弾数90発。近距離戦で脅威の破壊力を持つ5WAYショットガン。速射可能。
アカギ体質プレイヤーに目を付けられては問答無用で特攻させられる不幸な子。
G-グレネード
擲弾。装弾数45発。速射可能。
放物線を描いて飛ぶ上、爆発の見た目がしょぼい、弾速は遅い、弾道もへっぽこ。火力は神。
ネタとしては使い勝手が良すぎる上、ガチプレイには見た目で敬遠されてしまう不憫な子。
H-ヘッジホッグ
花火。装弾数75発。真上か真下に持続性の高い炸裂弾を撃つガンポッド。
実はブレードに迫る威力を持っており、通常プレイでも潜水艦ポットヴァールの破壊など活躍する機会はある。
とはいえ基本的にはネタプレイご用達。
ザラマンダーいじめにどうぞ。
B-ブレード
暴力的火力を誇るライトセーバー。装弾数600発。サムライ志向の貴方におすすめの一品。
波動拳コマンドで刀身が急激に伸びるという夢のような機能を搭載。
最大の敵は指の疲れである。
R-ライオット
電撃砲。装弾数120発。チャージで余分に弾を消費し射程を伸ばす事が可能。
装甲は無視するわ、何処に当ててもダメージが入るわと卑怯くさい仕様。一度味をしめるとなかなか手放せない。
J-ジュノー
超凶悪重機関砲。装弾数450発。スコア16倍のお供。
バルカンとカノンに別れを告げる日。敬礼。
F-フラッシュ
SFでお馴染みレールガン。装弾数45発。
最強の名に相応しく、最強すぎて面白味がない。すぐに飽きられる不憫な子。
M-モスキート
レーザー誘導の大型ミサイル。装弾数45。速射可能。
密着連射以外で使いこなせるプレイヤーはニュータイプ。
瞬間火力だけは馬鹿。シュヴァルツガイスト、ヒュペリオンを数秒で落とす。難易度がHARDだろうがお構いなし。
P-パイソン
チェーンボム。装弾数45発。マゾプレイご用達。
速射可能とはいえ全弾射出までの時間が長く、扱いにくい。瞬間火力だけは馬鹿。
やはり密着連射以外で使いこなせるプレイヤーはニュータイプ。
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FF14にゲスト参戦。怪鳥のような姿のモンスターだが、足に吊り下げた武器を持ち替えつつ戦う。
キングダムハーツⅢにゲスト参戦。グミシップとしてエンディミオンが、隠しボスとしてシュヴァルツガイストが登場。
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関連項目
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