アウトランとは、1986年にSEGAが発売したアーケード用ドライブゲームである。
概要
アウトランはSEGA体感ゲームシリーズの第4弾として1986年に登場した。「スペースハリアー」や「アフターバーナー」と並び、人気を博している代表作である。
赤いスポーツカーを操り、いかにチェックポイントへ到達するかを競うというゲーム内容。タイトル画面で3種類の曲が選択できるのが話題になった。
プレイヤーが操作する赤いスポーツカーはフェラーリ・テスタロッサがモチーフになっている。
ゲーム中の音楽は、「MAGICAL SOUND SHOWER」、「SPLASH WAVE」、「PASSING BREEZE」の三曲である。(それぞれの曲にまつわるエピソードは各該当記事参照)
作曲はHIRO師匠が担当。当時SEGAに存在していたミュージックバンド「S.S.T.BAND」ではもちろん、現在氏の率いるH.でも演奏される数々の名曲の原点はここにある。
コースはヨーロッパをイメージしており、1~4ステージは分岐が存在しており、どちらか分かれ道を選択することにより5種類のゴールへとたどり着く。
筐体の種類は4種類ありDXタイプとスタンダードタイプ、コックピットタイプ、そしてアップライトタイプである。DXタイプとスタンダードタイプは一軸式の可動筐体で、ゲームに合わせてムービングをする構造になっている。
操作方法はハンドル、ギア(LOWとHI)アクセル、ブレーキである。このギアを使った「ギアガチャ」なる技も存在し、これによりギアが破損する店舗が続出。全国のゲームセンターやゲームコーナーで「ギアガチャ禁止」の張り紙が出される異常事態に発展した。
この他多数の裏技が発見され、その都度タイムアタックの熱は加速していった。
続編には「ターボアウトラン」や「アウトランナーズ」、そして「アウトラン2」などがある。
移植されたハードは
「セガマークⅢ」、「PCエンジン」、「メガドライブ」、「セガサターン」、「ドリームキャスト」、「プレイステーション2」、「XBOX」、「ゲームギア」、「ゲームボーイアドバンス」、「MSX」、「MSX2」、「コモドール64」、「ZXスペクトラム」、「アムストラッドCPC」、「アミガ」、「アタリST」、「IBM PC」、「Windows95、98」などがある。
ほかにも携帯電話のアプリなどにも移植がされている。
各々移植verの相違点など
・マークⅢ版
ハード性能の限界からかアーケードの完全移植とはならないものの、コースのアップダウンや背景描写など元々の作品に忠実な再現を、という試みを感じさせる。
FMサウンドユニット発売以前の作品であるが、隠しでFM音源に対応しておりちょっとした話題になった。
・PCエンジン版
全体的にハード性能の限界に踏み込んだ移植であり、ドットが欠ける描写などがある。
ハード内蔵の音源により非常に面白いBGMのアレンジがなされており評価は高い。
・マスターシステム版
国内未発売。マークⅢ版を上回る美麗なグラフィック、別売りの3Dグラス装着により立体的な背景描写を楽しめる作品となっている。
BGMはPSG音源は中々のクオリティを発揮しているが、FM音源のアレンジがいまいちとの評価も。
この度、ニンテンドー3DSでの裸眼立体視に対応した形で復刻したものが、セガ3D復刻アーカイブスに収録された。
・ゲームギア版
BGMセレクト画面がシンプルだったり、ゴール時のグラフィックがCG一枚で全ルート共通と携帯機の宿命とも言える容量問題が。
地味に本作オリジナルの対戦要素もあるのだが、プレイするにはゲームギア本体二台にソフト二本、そして通信ケーブルとSEGA人には絶望的に高いハードルが存在していた。
・メガドライブ版
それ以前の移植はなんだったのか。そう思わせるほど忠実な移植がなされた作品。それまで簡略されていたクラッシュ時のアクションなどが細かな再現がされた。背景描写も非常にハイクオリティである。
音源の部分での制約はあったが、ノイジーながら心地良いドラムの音などこのバージョンこそが最高と言う人も多い。
・セガサターン版
SEGAが威信をかけて次世代ゲーム機戦争に投入したサターンにも当然移植されている。それまでのハードとか一線を画す性能で初代アーケード版の完璧な移植が行われている。
隠し要素としてアーケード版では毎秒30フレームであった描画速度を上回る毎秒60フレーム描画モードが搭載されており、流れるようなドリフトや世界観には感動した者も少なくない。
BGM面では初代の三曲とそれぞれのアレンジが収録。余談になるがHIRO師匠はこのアレンジバージョンが非常にお気に入りとのこと。
・ドリームキャスト版
SEGA最後の名機ドリームキャストにも当たり前のように移植がされているが、シェンムー内のミニゲームとしての収録である。全く同じ内容の作品が「鈴木 裕 ゲームワークス VOL.1」にも収録されている。
プレイヤーの操作するマシンデザインが若干変更、BGMがアレンジ版のみ収録と言う変更点を除けばストレートな移殖となっている。
なお、元々はCD-DAで楽曲も再生される予定だったが、シェンムーの容量的都合で内蔵音源で再生している事が判明。危うくアウトラン20thアニバーサリーボックスからあぶれる所だったとか。
・i-mode版
(この編集者がプレイしていないため記事が書けません)
・ゲームボーイアドバンス版
国内未発売。全体的な再現度は非常に高いが、携帯機と言う事でチープさは否めない。
また楽曲に関しても全体的に面白いアレンジがされているが、異様にノイジーであったりする点などもあるため好みは分かれる。
・プレイステーション2版
次世代ハード戦争には敗れたものの、転んでもタダでは起きないとばかりにソフトを提供。
グラフィックが完全に3Dポリゴンになった点は大きなインパクトがあるが、背景や雰囲気は当時の物を再現。正当なる進化を辿ったと見ても良い移殖作。
楽曲面もオリジナルをストレートにアレンジし、評価は高い。また特典としてアーケード当時の開発資料などを載せたライナーノートが付属。ファンアイテムと言う側面も持つ。
セガ3D復刻プロジェクトシリーズのラインナップとしてダウンロードソフトとして配信。他の体感筐体タイトル同様にムービングモードや、至れり尽くせりのオプション設定は勿論の事、3DS版オリジナルとして新曲が二曲追加され、並木学作曲のCruising LineとJane-Evelyn Niseros作曲のCamino a Mi Amorが収録されている。
最初はスペシャルモードが設定されており、60フレームの描画設定かつ立体視というヌルヌル動いてしかも臨場感抜群という中々の力作となっている他、各ゴールにたどり着くとカスタマイズパーツを入手出来、ステアリング・バンパー・エンジン・タイヤをパワーアップする事が可能。ちなみに肝心の車であるが、残念ながらアーケード版からデザインが変更されているが、パーツの組み合わせ次第では新しく追加された車で走る事ができる。一度クリアした場合、アーケード版を限りなく再現した(バグまでも)ノーマルモードが選択できる。後にセガ3D復刻アーカイブスに収録。
BGM
Magical Sound Shower
アウトランといえばこの曲が有名である。なお、もっともアレンジが多いのもこの楽曲
Splash Wave
疾走感のあるロックフュージョン。アウトラン一番の人気曲。でも記事がないのでそろそろ誰かお願いします。
Passing Breeze
Last Wave
ネームエントリー曲。後年の移植作にはこれをBGMに走れるモノもある。
初代のイメージから、波の音が曲中に含まれていると思いがちだが、実際には含まれていない。
そんなときは、各自で脳内補完するか、コメントで波の音を流そう。
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関連項目
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