アオアシ単語

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アオアシとは、Jリーグのユースチームを舞台にしたサッカー漫画である。

概要

小林有吾作で2015年から週刊ビッグコミックスピリッツに連載。取材・原案協力はスポーツジャーナリストの上野直彦。単行本は2024年3月現在累計発行部数は2000万部を突破し既刊35巻。
愛媛の弱小校でサッカーをしていた貧乏少年が東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督に見初められ、そのセレクションに招待されて合格、一人上京し、プロを目指す環境の中で悪戦苦闘する。

なんと言っても、前述の通り主人公がプロサッカークラブのユースチームに所属するのが最大の特色。
サッカー漫画は小中高の学生サッカー、あるいはプロサッカーを舞台とするものがほとんどで、高校世代だが部活ではないユースチームは（現実のサッカーにおけるユースチームが、当然ながらプロへのステップアップとして大きな比重を占めるのに比べて）存在自体があまり顧みられないことが多く、当然ユースチームを舞台とする作品も歴史上ごく少数である。

スポーツジャーナリストの協力を得たことでサッカーファンもうなる情報やディテールが物語を支え、巧みなサッカー描写がリアリティをもたらしているが、実のところは作者の小林有吾が一人でストーリーも描いてるらしい。なお、この小林は元々「美食系漫画」を描いていたことがあり、そのため今も読み切りでそっち系の作品を発表しているほか、このアオアシでも栄養学の要素が登場したり、美味そうな食事のシーンも多かったりする。

華やかなトップチームの世界でもなければ部活にかける青春でもない、シビアなユースチームを舞台とした、所属するユースチーム「東京シティ・エスペリオン」のメンバーはじめ葦人と登場人物が織り成す青春ドラマは読者を魅了し、サッカー経験者からは『GIANT KILLING』に代わる期待の本格サッカー漫画とも評されており、Jリーガーにも熱心な読者が多いという。

2017年には書店員を中心とした有志によるマンガ大賞で4位に入る健闘を見せた。2019年7月には舞台化もされた。2020年1月22日には第65回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。

2021年5月28日、単行本24巻発売に合わせてテレビアニメ化されることが発表された。

2021年7月より、同誌・同作者によるスピンオフ『アオアシ ブラザーフット』が並行して連載している。

登場人物

• 青井葦人（あおい あしと）　CV.大鈴功起
  主人公。開始時点では中3→卒業前に上京、進学して高1。天パ頭がトレードマーク。「俺が戦術」と豪語する（していた）自信家のお調子者。劇中では名前を呼ぶ際に「アシト」とカタカナ表記されることが多い。根っからのサッカー少年だが、典型的な欧州サッカーファンでJリーグには全然興味がないタイプ。
  愛媛では高校のサッカー推薦も検討されていたが、ユースの基準では技術的に素人同然、フィジカル的な資質さえ乏しい。しかし、「出場した試合の特定のシーンにおける両チームの選手全員の位置を後から正確に思い出せる」といったことに代表される、超人的な「俯瞰」の能力を持つ。なお、現実にこのような能力を持つ著名な選手としてシャビがおり、劇中でもこの能力の説明の際に言及されている。
  ポジションはFWであり点取り屋を志してきたが、FWとしては大成できないと断言され、その資質を活かせるサイドバックへのコンバートを告げられることになる。その後は今までのサッカー人生で微塵も学んでこなかった組織的な守備の習得が最大の課題として立ち塞がっていく。
• 福田達也（ふくだ たつや）　CV.小林親弘
  エスペリオンユースの若き監督（32歳）。だらしなく飄々としたおっさん。かつてはエスペリオンの選手であり、日本代表にも選ばれスペイン1部でプレーしたが、そこで大怪我を負ってしまい、トップレベルへの復帰は叶わず若くして引退した過去を持つ。生まれが愛媛で、帰郷した際に偶然アシトを見つけた。
  エスペリオンユースをユース最強チームに成長させた功労者であり、世界で戦えるチームを作ることを目標としている。
• 一条花（いちじょう はな）　CV.河瀬茉希
  ヒロイン。勝ち気でちょっと変な金髪美少女。福田の義妹であり、たまにユースの手伝いをしていたことでセレクションに来たアシトと出会い、なんやかんやでお互い意識し合う関係になっていく。サッカーは観るだけで専門知識はないがスポーツ外科医を志しており、栄養学の知識でアシトに専用の献立を作って与えている。
• 栗林晴久（くりばやし はるひさ）　CV.梅原裕一郎
  エスペリオンユースの最高傑作と評され、新2年生にしてエスペリオンのトップチームに招集される稀代の天才MF。しかし選手としても私人としても掴みどころがなく超然としており、常人とはまともに会話が成り立たないことも多々ある（ただし、仲間を気遣うなどの人間味はちゃんとある）が、サッカーへの情熱と向上心は凄まじい。アシトのことは自分の感性を共有できうる相手として注目している。
• 阿久津渚（あくつ なぎさ）　CV.武内駿輔
  前年度のセレクション合格者。名前は中性的だが長身の坊主頭で凶悪な人相の持ち主であり、そして性格も凶悪極まりない。セレクションで対峙したアシトが気に食わず暴言（ストレートな罵倒から粘着質な精神攻撃まで使いこなす）を繰り返し、挙句に痛めつけるためだけのラフプレーを行うなど、最初にして最悪の敵として立ち塞がる――が、当然ながら後に同じチームの仲間となる。よくある初登場時だけ悪人すぎるキャラなどでは断じて無く、以降もさすがに手は出さないが暴言には暇がない（が、初期のアシトは実力不足から大半の仲間にボロクソに罵られているため、相対的にそこまで際立っていない）。他の相手にも言動は大差なくまさしく狂犬だが、一方で選手としては、強靭なフィジカル、その性格と直結した強気の姿勢、高度な守備技術を併せ持ち、さらには急造FWすら務められるほどの攻撃力も持つ万能CBであり、エスペリオンユースでも栗林に次ぐ有望株の一人。
  SBになったアシトとは試合において否が応でも連携を取らなければならず、（お互い不承不承ながら）師弟めいた立ち位置になる。その尖りすぎな印象に反して紛れもなく「主要人物」の一角。
• 大友栄作（おおとも えいさく）　CV.橘龍丸
  アシトと共にセレクションを合格した仲間。ナンパな性格だが、小柄で冴えない容姿であるためイケメンを目の敵にする。普段は軽口を叩く悪友キャラだが、かなりの小心者であり試合前などには極度の緊張に陥ってしまう。しかし、いざピッチに立てばいぶし銀の活躍をする侮れないMF。
• 橘総一朗（たちばな そういちろう）　CV.山下誠一郎
  アシトと共にセレクションを合格した仲間。生真面目で爽やかな好青年。中学時代は他クラブのジュニアユースに所属していたが、成長のためにあえてエスペリオンのセレクションを受けた。ポジションはFW。
• 冨樫慶司（とがし けいじ）　CV.八代拓
  今年度唯一のスカウト組。リーゼントの巨漢でどこからどう見てもヤンキーだし実際ヤンキーだが、サッカーには真摯である。フィジカルに長け攻撃力も高いCBで、ユースの中では荒削りだがアシトと異なり基礎は整っている。小5の時に出会った福田の言葉がきっかけでサッカーに打ち込むようになり、スカウトされるまでになった過去を持つ。ジュニアユースからの昇格組同期とは因縁があり、仲が悪い。
• 本木遊馬（もとき ゆうま）　CV.榎木淳弥
  エスペリオンジュニアユースからの昇格組。ウニ頭に三白眼の陽気なムードメーカー。味方を的確に操れるコーチング力を持つFWで、ジュニアユース時代から頭一つ抜けた評価を受けており、ユースでも真っ先にBチームからAチーム（1軍）に昇格する。
• 朝利マーチス淳（あさり マーチス じゅん）　CV.加藤渉
  ジュニアユース昇格組。イギリス人ハーフの金髪美少年。クールでプライドが高く、セレクション組を特に見下していた。攻撃参加を持ち味とするSB。アシトが左専門なのに対して浅利は左右できるようで、そのためかポジション争いの側面はあまり出てきていない。
• 黒田勘平（くろだ かんぺい）　CV.堀江瞬
  ジュニアユース昇格組。にこやかで一見朴訥とした少年だが、実は結構ドライで毒舌。理詰めのプレースタイルが特色のMF。浅利とはコンビのような扱い。
• 竹島龍一（たけしま りゅういち）　CV.熊谷健太郎
  ジュニアユース昇格組。試合中は終始マジだが、平時は柔和でチャラいモテ男（大友からは最大の敵に認定された）。上記のメンツほどはクローズアップされないが他の1年組よりは目立つ立ち位置。DFですら攻撃的な選手の多いエスペリオンユースの中で貴重な純正守備型DF。
• 義経健太（よしつね けんた）　CV.興津和幸
  3年生。前年度にはリーグ得点王に輝いた絶対的ストライカーだが、口を開けば語尾がやたらﾓｼﾞｮﾓｼﾞｮとしたり「～ナリよ」とか付け始める坊主頭の変人。
• 桐木曜一（きりき よういち）　CV.内山昂輝
  2年生。ボールキープ力やラストパスに長けるテクニシャンMF。年代別代表にも招集されるトップレベルの選手の一人なのだが、同じチーム・同学年・ポジションも被る栗林と長年比べられて二番手扱いされ続けてきたため劣等意識が強い。
• 中村平（なかむら たいら）　CV.小野賢章
  2年生。初期からアシトにも優しく、温厚な人柄からチームの誰もに慕われる人物。登場時はBチームであるもののAチームでも戦力として数えられる十分な実力の持ち主だが、後に諸事情から2年生中の引退を決意してしまう。基本「平さん」と呼ばれるが見ての通り名字ではなく名前。
• 伊達望（だて のぞみ）　CV.安元洋貴
  エスペリオンユースのヘッドコーチ（34歳）で、Bチームの監督にあたる。福田とは対照的なクールで厳ついオールバックだが、無二の親友であり時々イチャイチャする。選手時代はエスペリオン一筋のOB。
• 海堂杏里（かいどう あんり）　CV.上田麗奈
  エスペリオンの親会社の社長令嬢。将来の夢は監督という大のサッカー好きであり、頻繁に試合を観戦している。実は遊馬と幼馴染。アシトに惹かれるが、諸事情で花と顔を合わせることも多く、2人の仲についても察してしまう。
• 青井瞬（あおい しゅん）　CV.中島ヨシキ
  アシトの1歳上の兄。弟とは対照的に知的で温厚。彼もサッカー少年だったが、小児喘息でサッカーを断念した過去を持つ。幼いアシトにサッカーを教え、夢に向かうアシトを後押しした良き兄である。
  ……という感じでしか描かれていなかったが、実はかつて地元のプロ関係者にも目をつけられていたほどの才能の持ち主だった。高校2年生にして喘息も完治し、しかし今更とサッカーへの復帰は完全に諦めていたが、完治と才能の健在を知った地元クラブ、J2万年下位のAC愛媛のユースにスカウトされる――というのが『ブラザーフット』のあらすじ。

関連動画

テレビアニメ

2022年4月9日(土)より9月24日まで毎週18時25分NHK Eテレにてシリーズ放送された。全24話。

スタッフ

• 原作：小林有吾「アオアシ」（小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中）
• 監督：さとう陽
• シリーズ構成：横谷昌宏
• サッカー監修：竹下健一、曽我準、飯塚健司
• キャラクターデザイン：中武学、川村敏江、山口飛鳥、長谷川早紀
• サブキャラクターデザイン：清池奈保、渡部由紀子、大導寺美穂、白井英介
• 総作画監督：中武学、山口飛鳥
• プロップデザイン：伊東ありさ、津坂美織
• 色彩設計：上野詠美子
• 美術監督：垣堺司、竹田悠介
• 美術設定：金平和茂、伊井蔵
• 2Dワークス：濱中亜希子
• プリビジュアライゼーション：前島昌格
• 3D：森本シグマ
• 撮影監督：今関舞子
• 編集：村上義典
• 音響監督：はたしょう二
• 音楽：横山克
• アニメーション制作：Production I.G

配信情報

各話リスト

主題歌

オープニングテーマ「無心拍数」

歌：［Alexandros］

作詞・作曲：Yoohei Kawakami　編曲：［Alexandros］

エンディングテーマ「Blue Diary」

歌：Rin音

作詞：Rin音　作曲：Rin音、Yuta Hashimoto　編曲：Yuta Hashimoto

第2クールオープニングテーマ「Presence」

歌：Superfly

作詞：越智志帆　作曲：越智志帆、木崎賢治、宮田'レフティ'リョウ　編曲：宮田'レフティ'リョウ

第2クールエンディングテーマ「カラー・リリィの恋文」

歌：神はサイコロを振らない

作詞・作曲：柳田周作　編曲：トオミヨウ

関連リンク

• アオアシ | 書籍 | 小学館
  • 【アオアシ】公式 (@aoashiofficial) · Twitter
• 小林有吾オフィシャルブログ「1846」
• 舞台『アオアシ』 - amipro
• TVアニメ「アオアシ」公式サイト
  • 『アオアシ』TVアニメ公式 (@@aoashi_pr) | Twitter

関連項目

• 漫画作品一覧
• ビッグコミックスピリッツ
• アニメ作品一覧
• 2022年春アニメ

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