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アカムツ

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アカムツ(赤鯥、学名:Doederlei nia berycoides)とは、スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科アカムツ属の深海魚。
高級魚であり、一般的には「ノドグロ」の名で知られる。
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概要

アカムツ
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目	スズキ目
科	ホタルジャコ科
学名	Doederlei nia berycoides
英名	Black thr oat seaperch Rosy se abass

青森県～九州南岸の日本海沿岸、北海道～九州南岸の太平洋沿岸、東シナ海、フィリピン諸島、インドネシア、オーストラリア北西岸などに分布。水深60～600m程に生息。全長30～40cm程まで成長し、産卵期は初夏。太平洋側よりも日本海側に多い^[1]。

目は大きく、腹部は銀色だがそれ以外は真っ赤。口の中(内臓)が真っ黒なことから日本海側の山形県以西、太平洋側の九州の一部で「ノドグロ」と呼ばれており、それが全国に広まったとされる^[2]。口の中が黒いのは口を開けても獲物に気づかれにくくするためだと考えられている^[3]。

島根県浜田市では約18cm未満のものを「めっきん」と呼ぶ。また、浜田市は2009年に「のどぐろ」として市の魚に制定している^[4]。他にも「アカウオ」「キンギョ」など地方名は多い。

関東では超高級魚として知られ、小型でも1キロあたり2000円以上、釣りで大型なら1万円以上になる^[5]。主に底曳き網漁で獲るが、紀伊水道周辺では刺し網漁で漁獲されている。フィッシング(中深場釣り)の対象としても人気で、「赤いダイヤ」の異名で呼ばれている。
一年中味が落ちないが、秋に最も脂が乗る。煮付け、焼き物などどんな調理法でも絶品で、新鮮な刺身は究極の一品である。加工品も多く販売されている。今では考えられないが、昭和30年代まではあまり人気のない魚だったらしい^[6]。

ムツの由来、同じ名前を持つ魚など

ムツと名前にあるが、「むつ」というのは「脂っこい」を表す「むつっこい」からきた言葉^[7]で、スズキ目ムツ科のムツ(学名:Scomb rops boops)自体とは特に関係がない。しかしムツの幼魚を「アカムツ」と呼ぶ場合があり紛らわしい。

スズキ目スズキ亜目フエダイ科にもバケアカムツ(学名:Ran da llichthys filament osus)やハチジョウアカムツ(学名:Etelis carbunculus)という美味な魚がいるが、これまたどちらも無関係。

更に、同じく赤色の深海魚＆高級魚であるスズキ目カサゴ亜目メバル科のユメカサゴ(学名:Helico lenus hilg endorfi)も口の奥が黒いことから一部地域で「ノドグロ」と呼ばれている。属性被りすぎである。

属名のDoederlei niaは滞日経験もあるドイツの生物学者ルートヴィヒ・H・P・デーデルライン(1855-1936)への献名。

錦織圭とノドグロブーム

2014年 9月、当時全米オープンで準優勝したプロテニスプレーヤーの錦織圭選手が帰国後に「ノドグロとかあったら食べたい」と発言したため、人気に一層火が付き、値上がりした^[8]。一説にはこれがきっかけで「ノドグロ」という地方名が全国に広まったと言われている。
しかし、産卵前の小型の個体(前述の「めっきん」)の漁獲量が増え、獲り過ぎでアカムツの資源が枯渇するとの声が上がった為、島根県では2015年から禁漁区を設けるなどの取り組みが行われている^[9]。