アキリーズ(駆逐戦車)とは、第二次世界大戦期にイギリスで開発・運用された駆逐戦車(対戦車自走砲)である。
概要
イギリスはアメリカから供与されたM10 GMCを改造、オードナンスQF17ポンド砲を搭載しアキリーズとして運用した。
最終的に供与されたM10 GMCの2/3程が17ポンド砲を搭載したとされている。
イギリスでは供与されたM10 GMCを、中期型は「M10 I」、後期型は「M10 II」と区分した。
そしてそれらに17ポンド砲を搭載したものが、それぞれ「M10 IC」「M10 IIC」である。
なお、運用する上でアキリーズの呼称は殆ど用いられなかったらしい。
開発
M10 GMCの3インチ砲はM4シャーマンの砲よりも強力で、アメリカ軍は「稀に出現する強敵」であるティーガーやパンターに十分対抗可能であるとしていたようだ。
しかし後の戦線において想定以上の強敵との遭遇率と力不足に悩まされ、M10 GMCは歩兵支援任務に回されている。
一方でイギリス軍は3インチ砲だけではドイツ戦車には力不足であると想定し、供与されるM10 GMCに17ポンド砲を搭載することを当初から計画していた。
元々M10 GMCの砲架は砲の換装を考慮されており、弾薬庫の改造等を経て17ポンド砲が搭載されることとなった。
マズルブレーキのすぐ後ろにカウンターウエイトがボルト留めされており、発砲時の強烈な反動を低減させると共に頼もしいシルエットで17ポンド砲の搭載を誇張する。
実戦
17ポンド砲は1000mの距離でもティーガーやパンターを正面から撃破可能だったとされており、M10 GMC譲りの機動力や信頼性も相まってイギリス軍対戦車部隊の切り札として活躍した。
新型の装弾筒付徹甲弾を使用すれば1500mの距離でもティーガーを撃破可能だったが、これは精度が悪いうえに傾斜した装甲には跳弾され易かった。
17ポンド砲を搭載したアキリーズはM10 GMCよりも砲身が長く、17ポンド砲を恐れたドイツ軍から優先的に攻撃を受けたとされる。
同じく17ポンド砲を搭載していたシャーマンファイアフライも目の仇にされていたが、ファイアフライには砲身のカウンターウエイトが無いので、アキリーズのほうが区別が容易だったかもしれない。
これらの17ポンド砲搭載車両は、敵の目を欺くために砲身を短く見せる迷彩塗装を行ったり、砲身の途中にダミーのマズルブレーキを付けるなどの偽装を行っていることもあった。
写真や模型を見るだけでも案外混乱するので検索してみよう。
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関連項目
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