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この記事は「アクセル・ワールド」のネタバレ成分を多く含んでいます。 |
強くなって《ブラック・ロータス》に会うんだ──!
『アクセル・ワールド/デュラル マギサ・ガーデン』とは、川原礫著のライトノベル『アクセル・ワールド』のスピンオフ作品にして、“第三の”『アクセル・ワールド』の名を冠せられたコミックス作品である。アスキー・メディアワークス『月刊電撃大王』にて2012年3月号より連載中。作画は笹倉綾人。
概要
合鴨ひろゆき版の原作コミカライズや、パロディ漫画である『あくちぇる・わーるど。』とは異なる完全オリジナルのサイドストーリーとして企画されている。シルバー・クロウなどの本編の中心人物たちは登場しないが、《黒の王》ブラック・ロータスの存在が主人公の大きなモチベーションのひとつとなっており、またアッシュ・ローラーを筆頭に本編でもお馴染みのバーストリンカーがゲスト出演している。
時間軸としては《ネガ・ネビュラス》の復活が「去年」ということなので、ハルユキが中学2年に進級後の物語となる。
あらすじ
千明ちあきは、最愛の兄が語る黒雪姫とブラック・ロータスの御伽噺が大好きだった。死の間際の兄から「強くなって《ブラック・ロータス》に会え」という言葉と、謎のプログラムを託されたちあきは、引越し先のアメリカで修練を積みながら、彼女の行方を捜し求めていた。
帰国し、私立清美学院に入学したちあきは、演算武術研究部の来摩胡桃と祝優子に出会い、既に自分がインストールしていたプログラムが、仮想世界のその先にある《加速世界》の扉を開け、《ブラック・ロータス》に近づくための鍵であることを知る。校内でいじめを受けていたリーリャ・ウサチョヴァと心を通わせ、タッグパートナーとすることに成功したちあきだったが、《親》のいない知識不足から、全損の危機に直面してしまう。後戻りできない戦いの場面に姿を表したのは、アメリカンバイクにまたがり、髑髏のマスクをつけたバーストリンカーだった──。
登場人物
私立清美学院演算武術研究部
- 千明ちあき(チギラ・チアキ)/アルミナム・バルキリー/《親》:グラス・モナーク 《子》:なし
本作の主人公。私立清美学院1-A。破天荒で傍若無人だが、最低限の礼節は守る。不遜な男言葉で、やや古風な言い回しをする他、ニューロリンカーの直結に過剰に反応するなど、純情な一面が見られる。身体能力は抜群で、踵落しで教壇を粉砕したり、薙刀の突きで武道場の床に穴を開けたり、三階の窓から三角飛びや空中回転を駆使して怪我ひとつ無く飛び降りるなど、およそ中学生離れしている。いっぽう体格はかなり小柄で、比較的長身の胡桃と優子と並ぶと、下腹部ぐらいしか届かない。本人もそれを引け目としており、身長のことを言われると切れる。
転校初日に「学校をシメる」と宣言。格闘系の部活を粉砕して回ったが、元々お嬢様学校である清美に敵は無く、腐っていた所を来摩胡桃にスカウトされ、紆余曲折の末にバーストリンカーとして《加速世界》にデビュー、演算武術研究部に所属することになる。じいやがいるような旧家のお嬢様であるような描写が存在する。脳筋気質だが頭の回りも悪くなく、最低でも三ヶ国語が話せる(日本語・英語・ロシア語)。
アバターは女騎士型メタルカラー。短めのマントと、北欧の兜を思わせる羽飾り付きの騎士兜が特徴だが、騎士型によくある初期装備としての武装は持たない。メタルカラーチャートのほぼ真ん中、やや卑金属寄り。アルミの性質上、軽いが装甲強度はあまり高くない。 - 祝優子(ホオリ・ユウコ)/オレンジ・ラプター/《親》:不明 《子》:アイリス・アリス
私立清美学院演算武術研究部部長。なお演武研は、レトロゲームの格ゲーをする部活である(と同時にバーストリンカーの互助会であった訳だが)。明るく社交的だがハイテンションで、ビキニの上にクマの着ぐるみの頭だけを被って校内を徘徊するなどかなりエキセントリック。実際に新入生に痴女と間違えられた。一方で《加速世界》へ導いたちあきと、実際に《子》としたリーリャを《双子》として深い愛情を注ぎ、リーリャのために全損の危機に陥ったちあきを、もっと自分たちを頼れと諌めるために叩きのめしたことがある。来摩胡桃と二人っきりの時は「姫」と呼ぶなどただならぬ関係を思わせるが、同時に征王のオサ・藤堂冬牙とも、胡桃とともにリアルを知る仲でもある。
アバターは竜人型で、他にはっきりと竜人型であると言及されているのは二代目クロム・ディザスターことマグネシウム・ドレイクのみと、ある意味メタルカラーよりレアである。黄色よりの赤で、強靭な四肢と顎、変幻自在の尻尾、自分が吹き飛ぶほどの高出力の火炎ブレス《デカフレア》と、近接・防御・敏捷・火力ともに隙が無い。《灼熱(ザ・バーニング)》の二つ名を持つレベル7の古参バーストリンカーであり、《レオニーズ》の副長コンビ、マンガン・ブレードとコバルト・ブレードとも浅からぬ因縁を持つ模様。 - 来摩胡桃(クルマ・クルミ)/バイオレット・ダンサー/《親》:不明 《子》:不明
私立清美学院演算武術研究部副部長。中世貴族か馬術盛装か、ともかく王子様のような服装に身を包んだ男装の麗人で、清美の女生徒たちからも「来摩さま」と呼ばれ、大層人気がある。長身で言葉遣いも王子様のようだが、優子と二人きりの時は女子制服にメガネ、カチューシャと美人ではあるが「普通の」女生徒の格好をしており、言動も可愛らしくなる。その際優子を「ビーストさん」と呼ぶ。
アバターはベールダンス(ベリーダンス)の踊り子のような格好。きちんと口元のベールもあるが、特徴的なのは十指が長い爪状になっており、恐らくは武器化していると思しい。とにかく本編中での戦闘描写が無く、謎に包まれているアバターであり、ニュービー疑惑まで囁かれている。バイオレットの(現実世界での)色定義は「青みを帯びた紫」というこれまでの味方アバターにはいないカラーチャートであるため、戦闘スタイルに期待が高まる。 - リーリャ・ウサチョヴァ/アイリス・アリス/《親》:オレンジ・ラプター 《子》:なし
私立清美学院1年。ロシア人とのハーフであり、日本語がうまく話せないため恐らく初等部から引き続いていじめられてきた。学内ローカルネットでちあき以上の反応性、敏捷性をみせたことから演武研三人の調査対象となり、ちあきのやや強引な勧誘を経て演武研に正式所属した。ウェーブのかかったふわふわの金髪で、人形のように愛らしい造作だが、当初は表情を凍らせていた。ちあきと心を通わせるようになり、徐々に多彩な表情を見せるようになりつつある。自分のために《無制限中立フィールド》で二ヶ月もかけてロシア語を独学してきたちあきに心打たれ、ちあきのためだけに強くなろうと決意する。
アバターは紫寄りの青色で、球体関節人形の素体のような姿であり、非常に小柄。敏捷性極振りで他のステータスは壊滅的という極端な性能。必殺技もアビリティも習得しておらず、初期装備の強化外装《リトル・ボトル》も単体での効果なしと、ある意味レベル1時のシルバー・クロウよりも厳しい性能だが、《リトル・ボトル》が割れるとアビリティ《ツーフェイス》が出現、必殺技ゲージ全消費と《イート・ミー》のボイスコマンドにより、全ステータスが反転し、鈍重だが強力なブリザードで周囲を覆い、必殺技《スノウ・デビル》を持つ巨人型アバターに変身する。この変身はアビリティ扱いであり、また不可逆であるため、対戦が終了するかポータルから離脱しない限りリセットされない。
メタルカラーであるちあきを除けば、公開されている中で恐らく最も凄惨な過去を持つキャラクターであり、断片的にではあるが、それを伺わせる描写が存在する。
征王男子学院生徒会
- 藤堂冬牙(とうどう・とうが)/(不明)・タイガー/《親》:不明 《子》:ジルコン・パラディン?(未確定)
清美学院の姉妹校である征王男子学院の生徒会長(1年時は書記)であり、同校所属のバーストリンカー集団《部族(トライブ)》の《族長(オサ)》。所謂美形メガネ男子であるが、ニューロリンカーの視力補正に頼らない理由を“美しいから”“美の追求”と語るなどやや奇矯な面がある。優子と胡桃とは恐らく初等部から(もっと前から?)の幼馴染であるが、優子に対して何らかの引け目を持っている。そのため《レギオン》結成に消極的であり、自作のブレイン・バーストモチーフの小説に登場する《部族(トライブ)》という形で集団を統率しているが、結果的にはそれがバニラ・スライサーを凶行へと走らせてしまう。
優子と胡桃からは「トラ(ちゃん)」と呼ばれている。清美の女生徒の中にもファンがいる模様。
アバターは青系。マントつきの戦隊ヒーローのよう。 - ?/(不明)・ジャック/《親》:不明 《子》:不明
征王学院の生徒会副会長。今のところ情報が無く、部族の格好をしている時に方形盾(ヒーター・シールド)を持っているのが辛うじて確認できる程度。 - ?/バニラ・スライサー/《親》:不明(タイガーでないことは確定済) 《子》:なし
征王学院生徒会書記。リアルでは髪を伸ばしており、中性的な面立ち(骨格は男性のもの)。オカマのようだと不良に絡まれている所を藤堂冬牙に助けられ、学校から世界を変えようと生徒会に勧誘されたことがきっかけとなり、冬牙に狂信的な想いを抱くようになる。何らかの手段で演武研のリアルを割り、アルミナム・バルキリーを全損の危機へと追い込んだ。
デュエルアバターはケーキトレイを持ったパティシエ型。白寄りの黄色の間接系でレベルは4。大中小3種類のケーキナイフ型強化外装と、香辛料由来の状態異常を引き起こす間接攻撃の必殺技を複数所持。このうち、相手を睡眠状態にする必殺技《バケーション・プラン》が使用されている。 - ?/ジルコン・パラディン《親》:不明(タイガーであるらしいが未確定) 《子》:なし
征王学院のバーストリンカーだが、《部族(トライブ)》ごっこには否定的で、演武研との二戦目では部族の聖衣や部族マスクを脱ぎ去ってしまった。アルミナム・バルキリーのデビュー戦の相手。一日早いデビューと仲間のアドバイスをアドバンテージにして優位に戦いを進めたが、ちあきの格闘センスにより逆転され高所落下ダメージにて敗北。以降はバルキリーに執着し、再戦を望むようになる。
青系の騎士型デュエルアバター。ダイヤモンド類似石由来の色だけあって、顔にはシングルカット型のバイザー、胸の中心にはクロスフォーカット型の装飾がある。また肩、胸、腰にも鋭角的な垂のような装飾(装甲の一部?)が見られるなど、全体的に派手目のアバター。巨大な突撃槍の強化外装を持つ。必殺技は自身の装甲強度を大幅に上げる《フィアー・デヴォート》。
その他のバーストリンカー
- グラス・モナーク
ちあきの兄。元々病がちだったようで登場シーンは常に病室。ちあきにブラック・ロータス(黒雪姫)の話を聞かせており、ちあきが「ブラック・ロータス馬鹿一代(優子談)」となるきっかけを作った。夭折しているが、死の間際にちあきに直結してブレイン・バーストプログラムをコピー、ちあきを《子》にしている。 「強くなってブラック・ロータスと会え」と言い遺した彼が、ブラック・ロータスや《ネガ・ネビュラス》とどのように関わりがあるかが、この作品のひとつの根幹となっている。 - アッシュ・ローラー
本編でもおなじみの世紀末ライダー。アルミナム・バルキリーとアイリス・アリスの初タッグ戦に、強化外装を成功報酬にバニラ・スライサーに雇われて参戦している。原作三巻やアニメ15話のように、アッシュ株ブチ上げの漢気を見せるシーンあり。 - マンガン・ブレード
- コバルト・ブレード
《レオニーズ》の副長コンビの双子女侍。オレンジ・ラプターと因縁があるらしく、アルミナム・バルキリーとアイリス・アリスがラプターの《子》となったことを厄介だと発言している。なお、システム上一人のバーストリンカーから《双子》は産まれない筈だが(例外あり)、バニラ・スライサーも含め、何故か周囲はバルキリーとアリスが二人ともラプターの《子》扱いしているような描写が存在する。
その他の登場人物
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 1
- 0pt


